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2013年9月1日(日)

きょうの潮流

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 東京・東向島の法泉寺には一風変わった碑があります。色彩鮮やかな陶彫作品。絵柄には朝鮮民話で長生きを意味する松や鶴などを配し、人類長寿と永久平和を願い、日朝両国の友好親善が記されています▼台座には「感謝(の)碑」の文字。90年前に起きた関東大震災のさなか、虐殺の危機にあった朝鮮人一家をかくまって救った日本人に感謝し、建立されました。碑には「先生の崇高な人間愛とその遺徳を讃(たた)え…」とあります▼早乙女勝元さんの『私の東京平和散歩』に詳しい。10万をこえる犠牲者をだした大震災。そのなかには流言やデマによって、軍や警察、自警団に殺された無辜(むこ)の朝鮮人や中国人、日本人がふくまれています▼東向島と同じ下町にある大島は、多くの中国人労働者が犠牲になった現場です。戒厳令下の1923年9月3日、空き地や広場に中国人を連れ出し、早朝から日暮れまで凄惨(せいさん)な虐殺がつづきました。名前がわかっているだけでも、300人をこえる命が奪われました▼防災の大切さとともに、私たちが忘れてはならない「人災」から90年がたちました。史実を曲げず目をそらさないようにと集会も開かれ、いまだに虐殺を隠す日本政府の責任が問われています▼先の東日本大震災。宮城・女川(おながわ)町で中国人研修生を高台に避難させた直後に津波にのみ込まれた日本人が、いまも中国で英雄としてたたえられています。一部に排外主義の動きも起きている日本社会。どちらに未来はあるのか歴史が証明するでしょう。


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