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2013年8月28日(水)

主張

オスプレイの訓練

危険の全国拡散は許されない

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 沖縄の米軍普天間基地に配備され、沖縄や本土の飛行ルートなどを使って訓練している米海兵隊の最新鋭輸送機オスプレイが、今年10月滋賀県の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場でおこなわれる日米共同訓練に参加する方向で調整が進んでいることが明らかになりました。日本国内での日米共同訓練へのオスプレイの参加は初めてです。日米共同訓練は文字通り、自衛隊と米軍がいっしょに戦争するための訓練です。本土の日米共同訓練へのオスプレイの参加は、騒音と墜落などの危険を全国に拡散するとともに、米軍とともに「戦争する国」になる動きとしても重大です。

米軍と「戦争する」訓練

 普天間基地に24機配備されることになっている(現在23機、配備予定の1機は山口県の岩国基地で修理中)オスプレイは、沖縄県内で日米両政府が取り決めた市街地上空の飛行や夜間飛行はしないとの取り決めに反した傍若無人の飛行を繰り返し、県民の暮らしを脅かしています。また、岩国基地にたびたび飛来し、岩国を拠点に、中国や四国、九州など西日本を中心にした米軍の飛行ルートを使った低空飛行などの訓練を行い、地域住民の生活を脅かしています。

 オスプレイは、米軍機のなかでも事故率が高く、墜落事故を繰り返してきた危険な飛行機です。ヘリコプターの機能と固定翼機の機能を合わせ持ちますが、とくにヘリコプターのように垂直で離着陸するときや、水平飛行に切りかえるときに大きな騒音を出し、墜落の危険も高くなるといわれています。普天間基地への配備が今月から増え、沖縄だけでなく本土で日常的に飛行するようになれば、騒音と墜落の危険を拡散することにしかなりません。

 こうした日常の訓練に加え、日米共同訓練にオスプレイが参加するとなると、ことは重大です。10月に予定されている饗庭野演習場での訓練の詳細は明らかになっていませんが、「戦時」を想定した訓練をおこなうという情報もあり、騒音などの被害もより深刻になります。周辺住民が影響を懸念し、訓練の中止を陸上自衛隊などに申し入れているのは当然です。

 オスプレイは今年6月アメリカ西海岸でおこなわれた上陸演習など、海外での日米共同訓練には参加したことがありますが、日本国内での共同訓練に参加したことはありません。もともと日本の自衛隊と米軍が共同訓練をおこなうのはいっしょに戦争するためで、それに最新鋭の輸送機を参加させること自体重大です。

 しかも、海兵隊は日本を守るためでなく、米軍が世界各地で起こす戦争の際、最前線の「殴りこみ部隊」になるために日本に駐留している部隊です。海兵隊との日米共同訓練が繰り返され、最新鋭の兵器が動員されることは、日本が海外で米軍と「戦争する国」になる危険を高めるものとしても見過ごしにできません。

沖縄負担軽減のごまかし

 日本政府が、オスプレイの本土での訓練や日米共同訓練への参加を、沖縄の基地負担を「軽減」するためなどといっているのは、まさにこうした危険性をごまかすものでしかありません。

 日米共同訓練をやめさせるのはもちろん、オスプレイの普天間への配備を撤回させ、日本から撤去することこそ負担の軽減です。


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