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2013年8月25日(日)

タックスヘイブン(租税回避地) ケイマン諸島

日本の投資残高 55兆円

多国籍企業 11年間で約3倍

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 イギリス領ケイマン諸島への日本の投資残高が2012年末、前年比6・1兆円増の55兆円となり、投資残高全体に占める割合も13・9%となったことが日本銀行の調査で分かりました(グラフ)。ケイマンは所得税や法人税がなく、多国籍企業や富裕層が課税逃れに利用するタックスヘイブン(租税回避地)として知られます。


地図

 ケイマンへの投資残高は2001年には約18・6兆円でした。11年間で約3倍になりました。国・地域別で見るとケイマンは、アメリカの投資残高127兆円に次ぐ2番目の高さで、イギリス(23兆円)、フランス(20兆円)、ドイツ(17兆円)の合計額に匹敵します。

 三菱UFJフィナンシャルグループ(FG)は、ケイマンに三つの子会社(資本金合計額約7千億円)を持っています。本紙の取材に対し、子会社はいずれも証券発行を目的とした特定目的会社(SPC)であり、従業員は日本の社員が兼務し、ケイマンでの業務は地元業者に委託しているといいます。同じく18の子会社(同2兆9500億円)を保有する三井住友FGは、資本調達の際、「設立コストや管理コスト等を勘案して当該国に設立した」と回答。両社は「節税」目的は否定しました。

 27の子会社(同588億円)を持つみずほFGは、「一般的な話として、ケイマンに籍を置くのは資金調達コストを下げるため。必然的に節税ということはでてくる」と話しました。

 多くの国が財政不足に陥るなか、タックスヘイブンを利用した課税逃れは世界的な問題となっています。7月に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、経済協力開発機構(OECD)が提案した多国籍企業の課税逃れを防ぐための「行動計画」が承認されました。9月5〜6日にロシアのサンクトペテルブルクで開催されるG20首脳会議でも議題となる見通しです。

 日本共産党はタックスヘイブンの徹底した実態調査と課税強化を求めています。


 イギリス領ケイマン諸島 カリブ海の三つの島からなり「宝島」のモデルとも。イギリス政府の助言に従ってイギリス女王が任命する総督が内閣を統括。防衛・外交・治安を掌握しています。経済協力開発機構(OECD)によると09年末時点、同島の登記企業は9万3千社、その80%が免税会社です。

グラフ

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