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2013年8月15日(木)

安倍内閣 「追い出し部屋」にも助成金支給へ

「労働移動」で大企業のリストラ支援

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 安倍晋三首相が「雇用維持型から労働移動支援型へ政策転換」(日本再興戦略)と打ち出したのを受けて、厚労省は大企業のリストラ支援策を2014年度予算に盛り込む方針を決めました。大企業の「追い出し部屋」にも助成金が支給できるため、労働者からは「無法なリストラを国が支援するなんてあべこべだ」と批判する声が上がっています。


 厚労省は、休業などで雇用を維持する企業に支給する「雇用調整助成金」を縮小し、「労働移動支援助成金」を大幅に増やします。これは中小企業をリストラされた労働者の再就職が実現した場合、人材ビジネス会社への委託費用の半分を助成する制度ですが、新たに大企業にも適用。再就職実現時だけでなく人材会社への「委託時」にも支給、人材ビジネス会社や受け入れ企業の「訓練」にも助成―など、至れり尽くせりの支援を行います。

 「追い出し部屋」はパナソニック、ソニーなど大企業が導入。仕事を取り上げ、ネットで自ら「求人」を探させるなど違法な退職強要の場となっています。人材会社が関与しており、助成金の支給が可能となります。

 雇用調整助成金の支給は現在のべ462万人、1134億円で、労働移動支援助成金は774人(非正規雇用含む)、2・4億円(2012年度)となっています。安倍首相はこれを逆転させると明言しています。

「限定正社員」すすめる方針

 併せて安倍内閣は、解雇しやすい「限定正社員」の導入、派遣法改悪などをすすめていく方針です。「労働移動」で再就職しても不安定で低賃金。残業代ゼロ法などで正社員でも労働強化に駆り立てられることになりかねません。

産業の衰退招く愚策

電機・情報ユニオン 森英一書記長

 電機産業では18万人を超す大リストラのなかで労働者を「追い出し部屋」に入れ、新人レベルの業務や単純業務しかさせず、人材ビジネス会社で再就職先を探させるなど退職強要を行っています。無法なやり方を「労働移動」の名で後押しするなど許されません。

 リストラで技術力や人材が失われ産業を弱体化させており、労働者が安心して働けることが産業と経済再生にも不可欠です。安倍内閣の「労働移動」策は労働者の願いに背き、リストラに拍車をかけ、産業のいっそうの衰退を招く愚策です。

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