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2013年8月14日(水)

「堺市乗っ取り」許さない

共産党、市政前進へ竹山市長支持

市長選 来月15日告示

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 橋下徹大阪市長が政令市の大阪市と堺市をつぶす「大阪都」構想の実現に向けて、堺市長選(9月15日告示、29日投開票)で維新候補の「絶対勝利」を叫んでいます。日本共産党も加わる「住みよい堺市をつくる会」は維新による堺市の乗っ取り、廃止・解体を許さない立場で、「都」構想への参加を拒否している現職の竹山修身市長を自主的に支持することを確認(2日)。党堺地区委員会も4日、「たたかいの先頭に立つ」声明を発表しました。その意義は鮮明です。 (藤原直)


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(写真)市民と握手を交わす竹山市長(右)=9日、堺市

対決の構図

 日本維新の会は7月の参院選で昨年の総選挙から約600万票を失い、得票数を半減させました。共同代表の橋下氏は党国会議員に「野党再編に全力を尽くしてもらいたい」と呼びかける一方、「慰安婦」暴言によって連携の障害となった自らは大阪回帰を強めています。2015年4月の実現を掲げる「都」構想の推進に専念し、再浮上をはかろうというもくろみです。

 堺市選出の馬場伸幸・維新衆院議員は「堺市長選の結果が都構想に大きな影響を与えるのは間違いないし、都構想がうまくいかなければ維新にも影響する」と指摘。橋下氏らが「戸別訪問もやる」と維新の命運をかけてなりふり構わぬ姿勢を見せていることを明かしています。

 「都」構想とは、大阪市や堺市を廃止して複数の特別区に分割するものです。一番の狙いは、政令市の財源と権限を「都」が吸い上げ、関西財界に「手綱を引いて」とこびる橋下氏の維新が、1人の「指揮官」の下で大規模開発や規制緩和、カジノ誘致などを強権的に進められる体制をつくることにあります。

 日本共産党堺地区委員会は声明で、市長選の最大の争点は「橋下・維新による『堺乗っ取り・堺市つぶし』を断じて許さず、市民の暮らしと福祉、地方自治を守り抜くことにある」と指摘。「橋下・維新の野望を市長選で打ち砕くことは、大阪全体、全国的にも、改憲・反動政治の流れにストップをかけ、国民の声で動くまともな政治の姿をとりもどす一大転機となる」と強調しています。

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(写真)古墳群を抱える堺市街

「都」構想の正体

 市長選でもし維新が当選すると、堺市も「都」構想に巻き込まれていきます。橋下氏はまず堺市長が大阪府市統合本部に参加することになるといいます。統合本部は維新が「バーチャル(仮想)大阪都」(松井一郎知事)と呼んできたもの。そこでは一握りの側近と橋下氏らによって、大阪市営地下鉄・バスなどの廃止・民営化や府市「二重行政」とのレッテル貼りによる大学の統合や病院の廃止など住民を混乱に陥れている方針案が次々と決められてきました。

 橋下氏は8日の会見で「堺市が取り残されている」と不安をあおりましたが、自治体間協議で済むような「細かな事例」しかあげることができず、府と堺市との「二重行政」の例を問われても答えられませんでした。むしろ、堺市は維新の専横から「取り残されている」にすぎません。

 橋下氏が「都」構想の先取りとして大阪市で推進してきた「市政改革プラン」は、「大阪都」実現までの3年間で市民向け施策・事業約393億円分を削減する計画です。すでに大阪市民は、敬老パスの有料化や国保料の2%値上げ、大半の世帯での保育料の値上げなど各種の負担増を強いられています。大阪市営地下鉄・バスの廃止・民営化は、市民の批判で市議会でも関連条例案が2回も継続審議になりました。しかし、市バスは今年4月だけでも29路線減らされ、市民から「病院に行けなくなった」と悲鳴があがっています。

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(写真)ビラを配る「つくる会」のメンバー=3日、堺市

住民目線の現職

 堺市政はどうなっているのでしょうか。竹山市長は09年9月の前回市長選で、当時知事だった橋下氏の応援を受けて当選したものの、「市民目線」を掲げて「党派を問わず市民のためにどうしていくかの議論を丁々発止」(同氏)で行ってきました。その中で、市民の要望や日本共産党市議団の指摘を取り入れ、堺東駅前再開発ビル建設計画(350億円)などの大型開発を中止する一方、国保料の4年連続の引き下げや65歳以上は100円でバスに乗れる「おでかけ応援バス」の平日毎日実施への拡充などを実現。なかでも子ども医療費助成の所得制限なしの中学校卒業までの拡充は府内でトップレベルです。

 党市議団は、市民の立場で市政の問題点は率直に批判するとともに、積極的に提言し、この3年間は予算案にも賛成しています。

 竹山市長は、橋下氏が10年初頭に打ち出した「都」構想について、09年市長選では「話はなかった」と指摘。市民の願いを受け「堺はひとつ。堺をなくすな」と参加拒否を明確にしてきました。

 ここで維新による堺市乗っ取りを許せば、市民要求実現の条件となる民主的市政運営の基盤が崩されかねません。日本共産党は声明で、竹山市政とは今後も率直な意見交換を行い、より住民要求に応える市政に前進するよう力を尽くすと表明。「つくる会」も維新市政・「都」構想を阻止し、要求運動を強化していくことが市政前進の最大の担保だと取り組みを始めています。


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