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2013年8月14日(水)

高校授業料「無償化」に所得制限

学び支える理念を否定

自民・公明 保護者ら撤回求める

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 自民・公明両党が高校授業料の「無償化」に所得制限を導入しようとし、保護者や教育現場から撤回を求める声が広がっています。


 「やっと勝ちとった一歩。これから対象を広げようというときに、なぜ」。教育の無償化への運動に参加してきた森田みどりさん=千葉県船橋市=は驚きと怒りをあらわにします。高校生をはじめ子どもは7人。「この国は教育費がとにかくかかる。実現できたときはみんな本当に喜んでいたのに…」

 高校授業料の「無償化」は、父母や教職員らの長年の運動をうけ、民主党政権下の2010年4月に開始。公立高校の授業料(原則として年11万8800円)を国が負担し、私立高校生の授業料も原則同額を就学支援金として負担しています。

 この結果、経済的な理由での高校中退者は、1647人(09年度)から945人(11年度)に減っています。

 同制度を「バラマキ」と攻撃しつづけてきたのが自民党です。

 自民、公明両党は7日の実務者協議で、15年度から所得制限を設けることで大筋合意。給付対象を世帯年収900万円以下に限定し、4分の1の生徒を対象外にしようとしています。

 日本高等学校教職員組合(日高教)の藤田新一書記長は「『社会全体で学びを支える』という教育無償化の理念に真っ向から逆らうもの。対象になるならないで、生徒たちに分断も生む」と批判します。日本政府は昨年9月、高校・大学の段階的な無償化を定めた国際人権A規約13条の適用留保を撤回しました。藤田さんは「所得制限の導入は生徒、保護者、そして国際公約への裏切りです。撤回以外ありえません」といいます。

 現在の制度は多方面から支持されています。日高教が行った都道府県、政令市アンケートでは、所得制限の導入について反対および慎重派が圧倒的多数にのぼります。長崎県議会は7月11日、「公立高校の授業料無償制の堅持と給付型奨学金制度の創設を求める意見書」を可決しています。

 日高教や全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)などは「高校無償化」への所得制限に反対し、給付制奨学金の導入を求める共同声明を発表。賛同者とともに運動を広げていきます。

日本の教育予算 先進国中で最下位

 日本の教育機関への支出総額は2009年度、GDP(国内総生産)比3.6%と、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で最下位。OECD平均は5.4%です。

 一般政府総支出に占める教育支出も、OECD平均は13.0%にたいし、日本は8.9%と最下位となっています。

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