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2013年8月11日(日)

“第3の躍進”を本格的な流れに

参院選勝利うけ 党創立91周年講演会

東京・日本青年館 志位委員長が講演

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 開始した“第3の躍進”を、日本の政治を変える大河のような流れに―。日本共産党は10日、東京・日本青年館(新宿区)で党創立91周年記念講演会を開き、志位和夫委員長が「“第3の躍進”を本格的な流れに」と題して講演しました。東京都議17氏が勢ぞろいし、吉田信夫団長があいさつ。参院選で当選した紙智子、小池晃、井上哲士、山下芳生、仁比聡平、吉良よし子、倉林明子、辰巳孝太郎の8氏がそれぞれ決意と抱負を述べると、躍進を喜ぶ割れんばかりの拍手と大声援に沸きかえりました。講演で志位氏は「選挙結果」「歴史的意義」「躍進を維持・発展させる努力方向」という三つの主題で今回の選挙を解明し、「さらなる前進・躍進に力をつくそう」と力いっぱい呼びかけました。第3会場まで満杯となり、約2千人が参加しました。会場は猛暑を吹き飛ばすような笑いと大歓声に包まれ、展望にあふれた集いとなりました。全国1千カ所近くで視聴会が開かれ、1万7千を超える人がリアルタイムで見るなど、史上最大規模の取り組みとなりました。


全国1000カ所で視聴会

選挙結果―

「自共対決」が鮮明に

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(写真)講演する志位和夫委員長

  講演の第一の主題「選挙結果」について志位氏は、(1)比例代表で「5議席絶対確保」の目標実現(2)東京・大阪・京都の3選挙区で議席獲得(3)都議選の躍進が参院選に連動した―という特徴をあげ、「全国は一つ」で奮闘し、47都道府県すべてが勝利者となったと強調しました。政治論戦では、「自民と対決、抜本的対案を示す」という立場で日本政治の「四つの転換」を訴え抜き、それが評価されたことを選挙の出口調査やジャーナリストのコメントも示して明らかにしました。

 そのうえで、選挙の結果、「自共対決」の政党地図が鮮明になったと語り、その最大の特徴は「自民党と共産党との間の自民批判票の『受け皿政党』が消滅したことにあります」とズバリ解明しました。

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(写真)志位和夫委員長の講演を聞く会場いっぱいの参加者=10日、東京都新宿区の日本青年館

 志位氏は、国民を裏切った民主党や、自民党より「右翼」に立つ「第三極」が「受け皿政党」としての地位を喪失するもとで、「共産党は自民党への批判、国民の願いを託せる唯一の党になっています。戦後日本の政治史を見ても、こうした地図はかつてないものです。自民党政治への唯一の対決者、変革者としての党の姿を鮮明にし、さらなる躍進を目指す決意です」と表明しました。

 また、今回の選挙の結果、現実の力の上でも「自共対決」に一歩近づいたことは重要だと語りました。10都道府県と550市町村で比例の得票率が10%を超えたことにふれ、この流れが全国に広がれば「自共対決」が政治的・政策的対決にとどまらず、現実の力の上での対決になると力説し、民主連合政府に向けた展望が開かれてくると語りました。

歴史的意義―

“第3の躍進”の始まり

  第二の主題として志位氏は選挙結果の持つ「歴史的意義」について言及し、1960年代終わりから70年代にかけての「第1の躍進」、90年代後半の「第2の躍進」に続く「第3の躍進」の始まりだと位置づけました。

 「この躍進は、自然に起こったものでも、『風』が吹いて起こったものでもありません。この十数年の全党と後援会の不屈の活動の積み重ねが実ったものにほかなりません」と強調したうえで二大政党による政権選択論」など反共作戦に立ち向かい、敗北から学び、鍛えられる過程を振り返りつつ、今後に生かすべき教訓を三つあげました。

 第一の教訓は、綱領を土台に、政治的・理論的に大きな発展をとげたことです。

 志位氏は、反共作戦の逆風が吹くもとで、情勢を根底からとらえ、希望と展望を持って頑張り抜くことができた根底に新しい綱領の力があったと力説。「経済提言」「外交ビジョン」「即時原発ゼロ提言」「賃上げ・雇用提言」―綱領を土台とした政策提起が参院選で威力を発揮したと指摘しました。

 第二の教訓は、さまざまな分野の「一点共闘」が画期的に発展し、日本共産党への信頼と支持が広がっているということです。

 保守の立場だった人びとが「一点共闘」を通じて公然と共産党を支持し、温かいエールを送った数々のエピソードを紹介した志位氏。民主連合政府を目指すうえで「日本共産党と無党派との共同」を本流にしつつ、同時に「一点共闘」をたたかう保守だった人のなかからも「連合」の相手が生まれるという展望を持ってもよいのではないかと語るとともに、そうした動きともあいまって政党戦線でも必ず「連合」の相手が生まれてくると確信しているとのべ、さらなる運動の発展に尽力しようと訴えました。

 第三の教訓は、草の根で国民と結びついた強く大きな党づくりへの努力です。

 なかでも志位氏は、選挙戦で大きな力を発揮した二つの分野に言及。若い候補者が自らの体験や思いと重ねて党の姿を訴えぬいた奮闘が多くの有権者に「日本共産党の未来」を感じさせたと強調。解禁されたインターネット選挙でも「発信力」「拡散力」の点で「草の根の力」「内容ある政策」が威力を発揮したと述べ、さらなる開拓と発展を呼びかけました。

躍進を本格的な流れに

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(写真)志位和夫委員長の講演を聞く会場いっぱいの参加者=10日、東京都新宿区の日本青年館

 講演の第三の主題として志位氏は、始まった“第3の躍進”をいかにして本格的な流れに発展させるのかについて、「三つの努力方向」を示しました。

 第一の努力方向は、抜本的対案を掲げ、安倍政権の暴走と正面から対決することです。

 消費税大増税、雇用破壊、社会保障改悪、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)、集団的自衛権の行使・憲法改悪、米軍基地問題―。安倍政権の数々の「暴走リスト」を示した志位氏は、どれも国民多数の声に逆らっていること、首相がこれらについて何も語らず参院選をやり過ごした結果、どれ一つとっても国民の信任を得ていないことを厳しく指摘。空前の規模で国民運動を起こし、この暴走を包囲、孤立させ、破綻に追い込もうと力強く呼びかけました。

 第二の努力方向は、日本共産党の路線、理念、歴史を丸ごと理解してもらう活動を、日常不断の活動として強めるということです。

 綱領が示す日本改革の方針を国民多数の声にする―「共産党を丸ごと好きになってもらう」努力として、「綱領を語り、日本の前途を語り合う集い」を日本列島すみずみで開き、発展させていくと表明。「旧ソ連、中国と同じでは」「党名を変えないわけは」などの疑問にも答え、党の全体像を縦横に語っていきたいと述べました。

 第三の努力方向は、希望ある未来を開く、強く大きな党をつくるということです。

 この点で志位氏が率直に訴えたのは、参院選でつくりだされた党の政治的影響力の広がりと、党のもっている自力―党員や「赤旗」読者などの党勢との間には、大きなギャップがあるということです。「どんな情勢が展開しようと自力で前途を切り開く強く大きな党をつくることにこそ、開始された“第3の躍進”を一過性のものに終わらせず、大きな流れにする最大の保障があります」と強調しました。

 そして志位氏は、選挙をともにたたかった後援会員や支持者、党に関心や期待を寄せたすべての人に向けて、“第3の躍進”の流れを大きくし、民主連合政府の樹立という歴史的大事業にともに手を携えて進もうと訴え、入党と「赤旗」の購読を心から呼びかけました。

 韓国の著名な映画監督が、今回の党の躍進に対し「韓国の進歩政治に勇気を与える一大快挙」「日本政治の新たな主役」になってほしいという熱いエールを寄せてきたことにもふれつつ、「共産党の躍進はアジアと世界の平和と進歩にとっても大きな意義のあることです」と語りました。

 志位氏は最後に次のように訴え、演説を締めくくりました。「開始された“第3の躍進”を、日本の政治を変える大河のような大きな流れにすることができるかどうか。『変革者の党』としての私たちの真価が試されています。この事業を成功させることは日本国民に希望と幸福をもたらすことはもとより、アジアと世界の平和と社会進歩への貢献ともなるものです。そのことを胸に刻み、さらなる前進・躍進に力をつくそう」

 講演後、「共産党」コールが鳴りやみませんでした。


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