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2013年8月7日(水)

原水爆禁止世界大会・広島

ストーン監督、被爆者と語る

戦争させない たたかいを

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 「米国という帝国に、みんなが立ち上がる力になるプロジェクトを進めている」「戦争を起こさせないために強くなり、たたかおう」―。米映画監督のオリバー・ストーン氏は6日、原水爆禁止世界大会・ヒロシマデー集会で、アメリカン大学のピーター・カズニック教授とともに訴え、会場内から共感と連帯の拍手がわきあがりました。

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(写真)発言するオリバー・ストーンさん(右)とピーター・カズニックさん(左)=6日、広島市中区

米国の本当の姿伝えたい

 カズニック氏はストーン氏と脚本を共同執筆したドキュメンタリー「もうひとつのアメリカ史」について、米国の戦後の軍事外交政策を正当化する「ウソ」を暴いたと紹介。そのなかで広島・長崎への原爆投下がなくても日本の降伏は明白で、米国はソ連への“警告”だったと説明しました。

 ストーン氏は「(戦後)ドイツは反省と謝罪の下で平和を守る国に変わったが、日本は米国の従属国のままで、経済大国だとしても道徳的な大国になっていない」と指摘。オバマ米政権の「アジア回帰」は「中国封じ込め」であり、日本に新兵器を売りつけ、軍事費を負担させ、「邪悪なドラゴンは中国ではなく米国だ」と批判しました。

 被爆者と青年の代表が両氏に質問。16歳のときに被爆し、その後も苦しみ、3度も自ら命を絶とうとした広島県被団協の吉岡幸雄副理事長は、両氏が被爆者と会って、どう感じたかをたずねました。

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(写真)オリバー・ストーンさん、ピーター・カズニックさんと語ろうと行われる「核兵器のない世界へのメッセージinヒロシマ」に聞き入る参加者=6日、広島市中区

 5人の被爆者と懇談したというストーン氏は「大きな苦しみを受け、しかしその記憶を伝える責務を持ち、愛にあふれ、世界を本当に良くしたいという理想にあふれた大事な方々だ」と語りました。

 米国の学生を連れて何度も広島を訪れているカズニック氏は「道徳的な象徴と結晶だ。怒りや恨みを高く昇華させて、核兵器を二度と使ってはいけないと、良心のともしびを掲げて人類全体を導いている人たちだ」と力を込めました。

 被爆者の語りをビデオ撮影で記録する岡山県の青年平和サークル、「岡山PPO」の会員は「ヒロシマ」を訪れた意義について聞きました。

 ストーン氏は「米国が世界に広げてきた一番大きな『ウソ』の中心点だからだ。米国は原爆投下によって世界を支配する権力を手にした。米国の子どもたちに米国の本当の姿を知ってもらいたい」と語りました。

 広島市内で4歳の時に、原爆が投下された直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」にうたれた男性(72)は「日本政府は“残留放射能はない”と、米国のいいなりになって原爆の被害を小さく見せようとする。僕らも僕らの立場で、できる限りのことを力いっぱい訴えていかなきゃいけんと思う。勇気をもらった」と声を弾ませます。

 広島市の女性(33)は「米国も日本と同じように、ウソの歴史を教えているんだなと思った。カズニックさんは、それに対抗してウソを告発している人なんだと知って、励まされた。ストーン監督は人生をかけて歴史の真実を追いかけていると思った」と話しました。


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