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2013年7月10日(水)

「自共対決」四つの焦点 論戦ではっきり

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 「主要政策で反対姿勢を鮮明にする共産党に対し、民主党からは自民党との対立軸が見えない」(「毎日」)と報じられる参院選。国政の重要問題をめぐってどこに対決点があり、各党の違いがどこにあるのか―公示後1週間の論戦を通じて、「自共対決」が改めて鮮明になっています。


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経済・景気

自民 大企業さらに応援の政策主張

共産 国民の所得増やし景気回復

 安倍晋三首相はアベノミクスで賃金が上がっていないことを否定できず、「だんだん賃金が上がっていくよう努力したい」と述べ、「第3の矢が重要」と売り込んでいます。

 そのために、安倍首相は「成熟産業から伸びていく産業に人が移動しやすいように職業訓練などにお金を出す」と雇用の「流動化」を強調。解雇が自由になる「限定正社員」の導入にも意欲を示すなど、大企業をさらに応援し、国民から所得を奪う政策を主張し続けています。

 一方、日本共産党の志位和夫委員長は、安倍首相の「成長戦略」には国民の所得を増やす「矢」は一つもないと指摘。解雇が自由になる「限定正社員」など雇用のルールを壊した上に、消費税増税で13・5兆円の大増税を国民にかぶせようとしていると批判して、「国民の所得を増やして景気回復を図る政治へ転換する。大企業の内部留保を活用して賃上げを図る」と訴えました。

 これには安倍首相も「(内部留保の活用は)私たちも同じなんです」(NHK党首討論)といわざるを得なくなっています。マスメディアも「まずは企業が賃金を引き上げて、設備投資にも回さずにため込んできた内部留保を働き手に還元することだ」(高橋伸彰・立命館大学教授。8日付「朝日」)とする識者の見解を紹介するなど、内部留保を賃上げにとの声は大きく広がっています。

 一方、民主党の海江田万里代表は「物価はすでに上がっている。働いている人たちの賃金が上がったのか。年金は上がるのか、下がるんです」などとアベノミクスの「副作用」を強調し、“野党ポーズ”をとり始めました。しかし、「私たちも政権のときにデフレ克服の努力をした。金融緩和を日銀に迫った」というように政策の方向も手法も同じ。そのうえ、自公と一緒になって消費税増税をはじめ労働者派遣法の改正を骨抜き、年金削減の強行など悪政を進めてきた張本人です。このため、「アベノミクスを批判するけど、わずか数カ月前までは与党だった」と批判されると、まともに反論もできないありさまです。

 日本維新の会、みんなの党は、アベノミクスの「第3の矢」は「自民党にはできない。できるのは、しがらみのない自分たちだ」とそろってアピール。まぎれもない自民党政治の「補完勢力」ぶりを浮き彫りにしています。

 維新の橋下徹共同代表は「大胆な法人税減税、解雇ルールを改めていく」とけしかけ、「農協の抜本改革」「混合診療の解禁」をはじめ違法な「カジノ解禁」まで主張しています。

 みんなの党の渡辺喜美代表も農協を「国家社会主義のDNA」と攻撃する点では維新と同じ。「構造改革は自民党の中では絶滅しちゃった」と暴走をあおるだけです。

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原 発

自民 再稼働と輸出に暴走

共産「死の灰の商人」と批判

 原発問題で安倍首相は「厳しい安全基準を満たさなければ再稼働しない」とのべ、「新規制基準」を満たせば再稼働を認める考えを表明。原発輸出についても「事故を経験して高い水準の安全を確保できる」と強調しています。

 これに対して志位氏は、「新規制基準」は重大事故が起こりうることを認めながら、住民の避難計画がなくても認める抜け穴だらけであり、「論外」と批判。原発輸出についても、国内で「絶対安全はない」といいながら国外では「世界一安全な原発を提供できる」というのは「二枚舌外交であり、“死の灰の商人”はやめるべきだ」と追及すると、安倍首相は「避難計画は地方自治体がつくるものだ」と責任逃れしかできません。

 民主は政権時代、大飯原発の再稼働とベトナムなどへの輸出を推進した張本人。公約でも再稼働を明記しています。ところが海江田氏は「地元が反対なのに前のめりで再稼働させる考え方を取らない」と反対ポーズ。

 維新・橋下氏は「安全基準もかなり厳格なものになった」として「原発は市場に淘汰(とうた)されていく」とのべ、「淘汰」されるまでは再稼働を認める姿勢です。

 みんなは公約で「規制委員会が定める世界標準の新基準」に適合すれば再稼働を認めるとしながら、「安全基準は事故の教訓が生かされていない」(渡辺氏)といいだしています。

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憲 法

自民 96条改憲を正当化

共産 憲法守り生かす

 憲法をめぐって、安倍首相は「改憲の発議をしていく」と述べ、改憲の発議要件を3分の2から過半数に引き下げる憲法96条改定についても、「国会議員は発議するだけ。決めるのは国民」などと正当化しました。

 日本維新の会は「国の統治機構を抜本的に変えていくためには憲法改正しかない」(橋下氏)と改憲を後押し。みんなの党は改憲を公約で掲げながら、「公務員制度改革は憲法改正の前に絶対必要」(渡辺氏)などとして、参院選で「争点化はしない」と有権者を欺く態度に終始しています。

 野田政権時代に集団的自衛権の行使に向けた検討を表明した民主党は「抑制された自衛権を基軸にして憲法を構想していく」(海江田氏)と主張。公明党も「新しい価値観を憲法に取り込む」(山口那津男代表)と述べるなど、改憲の立場をとっています。

 日本共産党は憲法を守り生かす政治を訴え、自民党の改憲案が(1)憲法9条を改定して「国防軍」を作り、米軍と一緒になって戦争をする国にする(2)「公益および公の秩序」によって基本的人権を制約する―ことを批判。国家権力を縛る憲法のあり方を変える96条改定を許さない共同を呼びかけています。

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米国いいなり

自民 沖縄新基地・TPP推進

共産 対等平等の日米関係を

 米軍基地・安保外交問題で安倍首相は「日米同盟が外交・安全保障の基軸」とのべ、沖縄県民の総意を踏みにじる普天間基地の辺野古「移設」やアメリカに食料も経済も売り渡す環太平洋連携協定(TPP)参加を進めていくと主張しています。

 日本共産党は、県民の総意にこたえて普天間基地の無条件撤去、オスプレイ配備撤回を主張。「日米安保条約基軸から憲法9条を基軸にした平和外交への転換こそ必要です」とのべ、米国とは従属関係を改めて対等平等の日米友好条約を結ぶことを提唱しています。

 TPPについても、安倍首相が「守る」という「守るべきもの」が守れないのが実態だとして交渉参加の即時撤回を求めています。

 一方、政権時代、辺野古「移設」やTPP参加を推進してきた民主党。海江田氏は「日米同盟関係を深化させる」とのべ、普天間問題も「日米政府間の合意を尊重」として新基地を押し付ける考えを表明。一方でTPPについては「農業をはじめ生活、ふるさとが破壊される」などと反対ポーズをとっています。

 維新・橋下氏は米国に対して「認めるところは認め、いうべきところはいう」というものの、「安保条約にもとづいて普天間基地は辺野古に移してください」とアメリカいいなり。公約で「日米同盟基軸」を掲げるみんなの党も渡辺氏が「普天間は自民党の沖縄県連と本部でねじれている。解決しないとダメ」とけしかけています。

 維新、みんな両党ともTPP参加を後押しし、農業や医療などの規制緩和を迫るなど、補完勢力の姿を鮮明にしています。


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