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2013年6月13日(木)

防衛省 工期を優先アセス逃れ

沖縄・辺野古埋め立て 県外土砂調達し生態系破壊

笠井議員が追及

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 防衛省沖縄防衛局が埋め立て土砂による沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に向けて、追加の環境影響評価(アセスメント)を回避するための“抜け道”を計画していることが分かりました。3月に防衛局が同県に申請した埋め立てに関わるもので、12日の衆院外務委員会で日本共産党の笠井亮議員が防衛省内部文書を示して追及し、同省が認めました。


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(写真)質問する笠井亮議員=12日、衆院外務委

 時間のかかるアセス手続きを除外し、日米間で合意した工期どおりに基地建設を進める意図です。

 防衛局は埋め立てに2100万立方メートル(東京ドーム17個相当)の土砂が必要としており、1700万立方メートルを県内だけでなく九州・瀬戸内周辺からも購入する方針。県外からの土砂調達で有害物質や外来種が混入するおそれがあり、環境に大きな影響を与えるとして、批判の声があがっていました。

 笠井氏は、防衛省が外部委託で発注した2事業の報告書(2009年発注、10年提出)を入手。「調達検討業務報告書」では、防衛局自らが土砂を採取する場合は環境影響評価法にもとづくアセスの対象となるものの、購入による調達は対象外としています。このため「購入」にすればアセスを回避できるとして、購入が「原則」だとしています。笠井氏の追及に対し、伊藤盛夫経理装備局長は「環境影響評価の法体系に配慮した」と述べ、抜け道を事実上認めました。

 笠井氏はもう一つの「調達調査業務報告書」で、土砂量があまりに膨大なため、ピーク時に約90万立方メートルの土砂不足が報告されていることを指摘。伊藤局長は石材・埋立材等の調査で九州から四国におよぶ7県19地区の35社に対して調査を実施したことを明らかにするとともに、「ダム堆積土、建設残土、リサイクル材など、供給しきれなくなった場合に検討していきたい」と不足の可能性を追認。有害物質・植物混入の可能性が高い海外からの土砂輸入も否定しませんでした。

 笠井氏は、環境保全の不可能な辺野古「移設」は県民総意に背き、危険な普天間基地は無条件撤去しかないと強調しました。

外来種混入で悪影響

 自然保護協会の安部真理子さん 埋め立てに必要な土砂は、沖縄島のすべての砂浜から砂をもってきても足りないくらいの量です。

 環境影響評価法の“抜け穴”を利用するために「購入土砂」で進めようとしているのでしょうが、県外の土砂の利用で大浦湾(沖縄県名護市)に外来種が持ち込まれ、貴重な生態系に悪影響を与えるでしょう。その外来種を完全に取り除くことは困難です。

 土砂に含まれている有害物質が流出する懸念もあります。そのうえ、調達元の環境も壊されるでしょう。

 情報の後出しはとんでもありません。土砂の採取場所や採取量を踏まえた上で、環境への影響を再度、評価すべきです。

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