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2013年5月17日(金)

橋下暴言 問われる維新の存立

「慰安婦必要」党ぐるみで擁護

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 日本維新の会の橋下徹共同代表が「(戦争で)命をかけて走っていく猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」(13日)などと述べた「慰安婦必要」発言について、同党幹部から擁護する発言が相次ぎ、党としての存立が問われる事態となっています。


 石原慎太郎共同代表は「軍と売春はつきもの。歴史の原理のようなもの」などと橋下氏を擁護。同党幹部の一人は「個人的見解」としつつ「(橋下発言は)どの国にも慰安婦制度があったという客観的事実を語っただけ」と当然視します。

涙の抗議

 「私は女性なので、『休息』という言葉は、どうしても受け入れられない」(日本維新の会の女性関係者)という声もありますが、党内の大勢にかき消されています。一方、「街頭で『あの発言はひどすぎる』と女性から涙ながらの抗議を受ける」(同党・都議候補)という深刻な事態になっています。

 橋下、石原両共同代表の発言は、人間と女性の尊厳を否定する発言であり、民主主義社会の根本原理、世界普遍の原理を蹂躙(じゅうりん)するものです。同党の公党としての存立そのものが厳しく問われます。

 橋下氏は16日のフジテレビ番組で「言いたかったのは、世界各国でやっていたのに、なぜ日本だけ特別な非難を受けるのかということだ」と開き直りました。

 しかし、橋下氏の発言は「軍と戦争には慰安婦が必要だ」という“論理”を否定せず通しており、「誤解」の余地はありません。

関係解消

 維新の会と共通公約作成を進めてきたみんなの党の渡辺喜美代表は、「両共同代表が古色蒼然(そうぜん)たる歴史認識であることがわかったから、そういう政治勢力とは一線を画す。選挙での推薦依頼があっても推薦しない」(15日)と明言。同党議員の一人は、「政治家としても人間としても失格の発言だ。橋下も石原もだめになり、維新そのものがだめになる。こんなところと一緒にやっていたらこっちもつぶれてしまう。関係解消は当然だ」と述べます。

 元オランダ大使の東郷和彦氏は都内の講演(12日)で、「アメリカでは、慰安婦問題は過去の問題ではない。奴隷制度について、黒人には気の毒だったが仕方なかったという議論はまったく通らないのと同じで、(慰安婦制度は)よくないものだという点から出発しなければならない」と述べ、「慰安婦問題」で旧日本軍の関与と強制性を認めた“河野談話”(1993年)を見直す動きは日米関係を深刻にすると警告しました。「性奴隷制度」の「必要性」を明言した橋下発言に国際的な批判が噴出したのは当然でした。

 橋下氏の発言の根本にあるのは、日本の侵略戦争の正当化に向けた、安倍晋三首相による“村山談話(95年)・河野談話”見直しの動きです。安倍政権の「歴史修正主義」そのものが厳しく問われます。


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