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2013年5月16日(木)

安倍政権 社会保障の改悪案次々

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生活保護 親族扶養を要件化

「水際作戦」合法化に

 自公政権が今国会への提出を狙う生活保護法改定案に、書類提出による保護申請の厳格化や親族の扶養を事実上保護の要件にする改悪案が盛り込まれていることが15日、明らかになりました。

 現行法では、役所で保護申請の意思を口頭で表明すれば生活保護の利用が申請できます。しかし、実際には、証明書の提出を求めるなどして役所の窓口で申請書を交付せず追い返す「水際作戦」が問題になっています。改悪案は、本人の資産や収入、扶養義務者の扶養状況を記した申請書と、判定に必要な書類の提出を申請時に義務付ける規定を新設。これまで違法だった「水際作戦」が合法化されます。

 また改悪案は、現行法では保護の要件ではない親族の扶養を、事実上の要件化します。扶養義務者や同居の親族に対し、実施機関が「報告を求めることができる」と規定。官公署や年金機構、共済組合などに「必要な書類の閲覧もしくは資料の提出を求め」、銀行や雇い主に「報告を求めることができる」と盛り込みました。過去の扶養義務者も同様に扱われ、収入や資産状況の報告を求められるだけでなく、勤務先にまで照会が行われるようになります。

 同日、生活保護利用者を支援してきた団体が自公政権が近く提出を狙う同法案の撤回・廃案を求めて厚労省で会見。生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎弁護士は、「厚労省は“いままでの運用を法律にするだけ”と説明しているが、全く違う。現行の生活保護法の根本を前近代的、復古的な内容に変更する驚がくすべき内容だ」と厳しく批判しました。

介護保険 要支援者外し提起

市町村に丸投げへ

 厚生労働省は15日、介護保険で「要支援1、2」と認定された「要支援者」を保険給付の対象から外し、市町村が裁量で行う地域支援事業の対象に移すことを検討課題にあげました。要支援者へのサービスを、公的保障の極めて薄弱なものに切り下げて、給付費を削減する狙いです。

 同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護保険部会で、社会保障制度「改革」国民会議の論点整理(4月22日)を引用して示しました。同省は2014年の通常国会に関連法案を提出し、15年4月から実施する方針です。

 「軽度者」を「保険給付の対象から除外」し、「地域支援事業などを受け皿とする」ことで給付費を削減する方向は、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が1月21日の報告書で提起しました。

 市町村の独自判断で要支援者を保険給付の対象から外し、地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の対象に移す仕組みは12年4月に創設済みです。すでに27カ所で実施され、13年4月以降132カ所に拡大する予定です。厚労省が今回示したのは、同様の事業を全市町村に拡大し、要支援者の全体を保険給付の対象外にする方向です。

 地域支援事業の財源は一定の範囲内で介護保険財政から出るものの、事業内容は市町村の裁量とされ、介護にあたる人員や運営の基準もなく、ボランティアや民間企業の配食サービスなどを活用するとされます。要支援者への保険給付の大半を占める、専門のヘルパーによる生活援助(調理など)のとりあげにつながります。サービスが低下し、地域間格差が生じるとも批判されています。

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