2013年5月15日(水)
改憲議連 閣僚ズラリ
憲法尊重擁護義務に違反
自民、民主、維新、みんななどの改憲派議員でつくる「憲法96条改正を目指す議員連盟」が13日に開いた総会で承認された新役員に安倍内閣の閣僚が名を連ねています。顧問に安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、会長に古屋圭司・国家公安委員長兼拉致問題担当相が就任。憲法99条で定められた国務大臣、国会議員の憲法尊重擁護義務に対する違反が平然と行われています。
同議連は、憲法96条に定められた国会議員の3分の2以上の賛成という改憲発議要件緩和を目的として、一昨年に設立されました。役員には、会長代理として衛藤晟一首相補佐官の名前もあります。
憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定めています。国務大臣は、具体的に名指しされて擁護尊重の義務を負わされている立場です。改憲議連の先頭に立つなど許されません。
古屋氏は総会で「憲法96条を一つの契機として、戦後初めての改憲に臨んでいこう」と改憲をあおりました。法律違反を強制力をもって取り締まる警察を管理する組織のトップが、平然と憲法をないがしろにする姿勢をむき出しにしています。
また、それを統括するはずの首相が、一緒になって憲法違反の状況をつくり出す異常な事態となっています。
閣僚が改憲団体の役員に就いたことが問題となって団体を退会する例は過去にもあります。2007年11月には憲法改定を目的とした「新憲法制定議員同盟」の新役員名簿で副会長となっていた当時の福田康夫首相が、指摘を受けて退会。同同盟では2010年にも、当時の鳩山由紀夫首相がすべての議連からの脱退の一環として脱会しました。