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2013年5月9日(木)

第7回中央委員会総会

志位委員長の幹部会報告

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 志位和夫委員長が8日、第7回中央委員会総会でおこなった幹部会報告は次のとおりです。


写真

(写真)報告する志位和夫委員長=8日、党本部

 参加されたみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、おはようございます。私は、幹部会を代表して、第7回中央委員会総会への報告をおこないます。

 参議院選挙の公示日まで58日間、都議会議員選挙の告示日まで38日間となりました。これから先、一日一日の奮闘が勝負を分ける、きわめて重要な時期に入りました。

 まず冒頭に、全党と後援会の力を一つに集め、東京都議選で勝利をかちとり、つづいて参議院選挙では、「比例代表で5議席絶対確保」という目標を今度こそやり抜き、選挙区での勝利に挑戦するたたかいに意気高くのぞむ決意を固めあおうではありませんか。

 参議院選挙をたたかう方針については、2月の6中総決定ですでに明らかにされています。幹部会報告では、それを前提において、現在の情勢の特徴と、参議院選挙にのぞむ日本共産党の政治的、組織的方針についてのべます。

一、安倍政権の「暴走と破たん」――抜本的対案しめし正面から対決してたたかう

 報告の第一の主題は、現在の情勢の特徴をどうつかみ、参議院選挙でどのような政治的争点を押し出してたたかうかについてであります。

 6中総決定は、情勢の大局的特徴として、「政治の表層では逆流が激しいが、深部で古い政治の矛盾が蓄積」していることを解明しました。それから3カ月たったいま、この特徴が見えやすい形で表れています。

 安倍政権発足から5カ月。この内閣の現在の特徴は何か。一言で言えば「暴走と破たん」であります。すなわち、「ロケットスタート」などといって、高い支持率と国会での多数を背景に、あらゆる分野で「暴走」を始めたが、走り出すはなから「破たん」が始まっている。報告では、五つの角度からそのことを解明し、日本共産党の立場を明らかにします。

暮らしと経済 「アベノミクス」の暴走を許さず、国民の所得を増やして景気回復を

 第一は、暮らしと経済をめぐる政治的対決点です。

「アベノミクス」の問題点と、多国籍企業化した大企業・財界の「亡国」の姿勢 

 安倍政権は、「アベノミクス」と称する経済政策を、最大の売り物にして選挙戦をたたかおうとしています。しかし、わが党が4月24日に発表した「景気回復提言」が詳細に明らかにしたように、安倍政権が「3本の矢」などと宣伝しているものの実態は、国民の暮らしと経済を破壊する「5本の毒矢」――「投機とバブル」をあおる異常な金融緩和、不要不急の大型開発へのバラマキ、「成長戦略」の名による雇用ルールの弱体化、消費税大増税、社会保障大改悪――にほかなりません。

 この「矢」のなかには、国民の所得、働く人の賃金を増やす「矢」は一本もありません。あるのは所得と賃金を奪う「矢」ばかりであります。

 ここで重要なことは、「アベノミクス」などと新しい装いをほどこしていますが、その一つひとつを見れば、新しい中身は何一つない、どれも古い自民党政治そのものであるということです。そして、こうした政治を続けてきたことこそが、日本経済の長期不況と停滞・衰退をもたらしたということです。その反省も総括もなしに、深刻な行き詰まりを、政府自らが「投機とバブル」をあおりたてるという「禁じ手」にまで手を出して乗り切ろう――これが安倍政権の経済政策の本質ですが、それがさらに深刻な破たんを引き起こすことは、明らかであります。

 実際に、この政策によって恩恵を受けているのは、一握りの大資産家、機関投資家、海外投資家だけであり、国民生活には甚大な打撃をあたえつつあります。急激な円安で、小麦をはじめとする輸入食品、トイレットペーパーなど生活用品、電気・灯油などが高騰し、庶民の家計に負担をもたらしつつあります。原材料費の値上げが、中小企業の経営を圧迫しはじめています。燃油高騰のために、全国4000隻の小型イカ釣り漁船がいっせい休漁を余儀なくされました。国民の所得が増えずに、物価だけが上がる――こんな危険な道の先に日本経済の復活など絶対にありえません。

 日本経団連をはじめとする大企業・財界は、「アベノミクス」を無責任に礼賛し、その推進を呼号しています。その多くが多国籍企業化した日本の大企業・財界は、グローバルの市場で自らの目先の利益をあげることに振り回され、日本経済をどうたてなおすかについての責任をまったく放棄しています。いまや大企業・財界には、日本経済を代表する意思も能力も資格もなくなったということを、厳しく指摘しなければなりません。多くの大企業が、目先の利益をあげるために、働く人を「使い捨て」にし、果てしないコスト削減をつづけてきたことが、自らの技術力・競争力を衰退させ、日本の産業の基盤を壊していることも、きわめて重大であります。

「四つの柱」からなる日本共産党の抜本的対案を堂々と掲げて 

 日本共産党は、2月14日に発表した「賃上げ・雇用アピール」、4月24日に発表した「景気回復提言」で、「アベノミクス」の危険な暴走と正面から対決する立場を明らかにするとともに、つぎの「四つの柱」からなる抜本的対案を示しています。

 第一の柱は、賃上げと安定した雇用の拡大で、働く人の所得を増やすことです。

 第二の柱は、消費税増税を中止し、財源は消費税に頼らない「別の道」で確保することです。

 第三の柱は、現役世代も高齢者も安心できる社会保障を築くことです。

 第四の柱は、内需主導の健全な成長をもたらす産業政策への転換をはかることです。

 その全体を貫いているのは、国民の所得を増やして、消費を活発にし、内需を増やすという、景気回復の大道を歩む方針となっているということです。また、大企業の内部留保の一部を活用して賃上げや安定した雇用の拡大、下請け中小企業への適正な単価にあてるなど、大企業に社会的責任を果たさせるという立場に立っているということです。

 わが党の主張は、現実政治を動かしています。安倍首相が、きわめて不十分ながら日本経団連に賃上げを要請せざるをえなくなったのは、国民の世論とたたかいとともに日本共産党の主張によるものでありました。政治的立場を異にする経済学者からも、「内部留保を使って賃上げをという共産党の主張はまったく当然」という声が寄せられています。

 大企業・財界が日本経済への責任を放棄し、安倍政権がそれに唯々諾々とつき従い、無謀な暴走を始めているもとで、日本共産党の経済政策が、国民生活と日本経済に真に責任を負う、抜本的対案となっていることに確信をもって、広く国民に訴えていこうではありませんか。

原発 破たんした再稼働・原発推進の道か、即時原発ゼロの政治決断か

 第二は、原発をめぐる政治的対決点です。

原発事故の深刻な現状と、再稼働強行路線の破たん

 安倍首相は、「世界最高レベルの安全基準で、安全が確認された原発は、再稼働します」と、原発再稼働と原発推進政策、原発輸出政策をすすめることを宣言しました。しかしここでも「破たん」が二重、三重に噴き出しています。

 その最大の問題は、福島第1原発事故の深刻な現状であります。わが党調査団は、3月9日に福島原発の視察をおこないましたが、原発は「収束」どころか、危機的事態の真っただ中にあることを強く実感させられました。とくに地下水の流入によって放射能汚染水が増え続けているにもかかわらず、政府も東京電力も、場当たり的で無責任な対応に終始してきた結果、福島第1原発は、大量の汚染水が外部に流出する危機的状況の瀬戸際に陥っています。ここまで事態が悪化してきた背景には、汚染水をいずれ海に流せばよいとする、きわめて安易で許し難い発想がありました。

 さらに、政府が再稼働のテコにしようとした「新基準」づくりでも、「破たん」が明瞭になりました。わが党は、国会質疑で、原子力規制委員会がつくろうとしている「新基準」では、過酷事故――原子炉格納容器が壊れ、放射性物質が大量に放出される事故が起こり得ることを認めていることを指摘し、一方で、過酷事故を想定しながら、他方で、「世界最高水準の安全基準」を強調するのは、根本的矛盾ではないかと追及しました。その後、原子力規制委員会は、「安全基準」という言葉を使えなくなって、「規制基準」に置き換えざるを得なくなりました。「世界最高水準の安全基準」という首相の言明は、完全に破たんしたのであります。

三つの要求を掲げ、国民のたたかいに連帯して奮闘する

 以上の事態を踏まえて、日本共産党は、つぎの諸点を要求します。

 一つは、政府が、「収束宣言」を誤りと認め、それをきっぱりと撤回することであります。放射能汚染水の海への放出は、絶対におこなってはなりません。収束と廃炉を、日本の英知を結集した大事業として位置づけ、国と東電は総力をあげるべきであります。除染と賠償を徹底的におこない、いまなお先の見えない避難を強いられている15万人もの方々の生活と健康に全面的に責任をもつことを、強く求めるものです。

 二つは、原発再稼働など論外であるということです。事故の原因もわからず、収束すらできず、「安全基準」づくりでも完全に破たんした政府に、どうして再稼働など許されるでしょうか。大飯原発を止め、原発再稼働の方針を撤回することを、強く求めます。無責任な原発輸出政策をただちに中止することを要求します。

 三つは、原発事故から2年余の体験は、原発と人類は両立できないことを示したということです。「即時原発ゼロ」の政治決断をおこない、再生可能エネルギーへの抜本的転換の計画を立てて、実行に移すことを、強く求めるものであります。

 昨年3月以来、毎週金曜日に首相官邸前で「原発なくせ」「再稼働反対」を掲げて、数千、数万の人々の抗議行動が続けられ、この運動が全国100カ所以上に広がっていることは、日本の歴史にもかつてなかった画期的意義をもつたたかいであります。わが党は、このたたかいに連帯し、その一翼をになって、さらに奮闘する決意を表明するものであります。

外交 「アメリカいいなり政治」――あらゆる分野で破たんがすすむ

 第三は、外交をめぐる対決点です。安倍内閣のもとで極端にまで肥大化した「アメリカいいなり政治」が、あらゆる分野で矛盾を引き起こし、その「破たん」が噴き出しています。

TPP――アメリカいいなりに譲歩重ねる安倍政権、交渉参加の即時撤回を求める

 TPP(環太平洋連携協定)問題で、安倍首相は、3月の交渉参加表明に続き、4月12日のアメリカとの事前協議「合意」を経て、4月下旬には交渉参加11カ国すべての同意をとりつけるなど、交渉参加への道を暴走しています。

 この過程で明白になったのは、関税と非関税障壁をすべて撤廃するTPP交渉の特異な危険性とともに、アメリカのいうままに譲歩を重ね、日本を丸ごと売り渡そうとする安倍内閣の「亡国」の姿勢であります。

 アメリカとの事前協議では、安倍首相が「守るべきものを守る」といい、全力をつくすと約束してきたコメ、乳製品、砂糖など重要農産物の関税確保について、まったく保証がないことが明瞭になりました。他方、日本の交渉参加の条件とされた「入場料」――牛肉、自動車、保険の3分野で、日本はアメリカの要求を丸のみする結果となりました。さらに、TPP交渉と並行して、自動車、保険、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、衛生植物検疫などの非関税措置について日米2国間協議をおこない、TPP交渉の妥結までにまとめることを約束させられました。いったいどこに「強い交渉力」があるというのでしょうか。これらは、「守るべきものを守る」「ルールづくりに参加する」という首相の言明が、まったくの虚構であることを明らかにするものであります。

 昨年の総選挙で自民党は何と言ったか。関税撤廃など六つの懸念事項が解消しない限りTPPには参加しないといったではありませんか。「TPP断固反対! ウソつかない自民党」というポスターまで張り出したではありませんか。安倍首相は、その舌の根も乾かぬうちに、国民を欺いて参加に踏み切りました。これを公約違反と言わずして何というのか。そして、「公約を破るものがどんな末路をたどるかは、民主党政権が示している」と言ったのも自民党ではありませんか。いま全国各地で、公約を投げ捨てた自民党への激しい批判が吹き荒れています。日本共産党は、TPPへの暴走の中止、交渉参加の即時撤回を強く求めてたたかいます。公約破りの自民党と、TPP推進の諸党に、参院選で厳しい審判をくだそうではありませんか。

沖縄米軍基地問題――「負担軽減」といいながら負担増のオンパレードは許せない

 6中総決定は、「『アメリカいいなり政治』と沖縄県民、日本国民との矛盾は、いまや限界点をはるかに超えています」と指摘しましたが、その後、沖縄の米軍基地問題の矛盾は、いよいよ深刻になっています。

 安倍首相は、「沖縄の負担軽減に全力でとりくむ」などと繰り返していますが、やっていることは、まったく反対のことであります。

 政府が、3月22日、沖縄県にたいして辺野古(へのこ)の新基地建設のための公有水面埋め立て申請をおこなうなど、県民の頭越しに力ずくで事をすすめようとしていることに、大きな怒りが広がっています。

 日米両政府は、4月5日、普天間基地を含む嘉手納基地より南の米軍6施設・区域の「統合計画」に合意しました。しかし、その内容は、辺野古への新基地建設を確認するとともに、普天間基地の返還を2022年度以降に先送りし、嘉手納以南の施設・土地の返還もそのほとんどが「県内移設」の条件付きという県民を愚弄(ぐろう)するものとなりました。

 「負担軽減」といいながら、辺野古に最新鋭の巨大基地を押し付け、オスプレイを配備して沖縄全土をわがもの顔で飛行させ、嘉手納基地にステルス戦闘機の新たな配備をすすめ、海兵隊を1万3千人から2万人へと大幅に増強する。やっていることは負担増のオンパレードではありませんか。県民の総意をまるごと切り捨てて恥じない政治を続けながら、「負担軽減」などという欺瞞(ぎまん)を弄することは、絶対に許せるものではありません。

 日本共産党は、沖縄県民の島ぐるみのたたかいに連帯し、普天間基地の「県内移設」を撤回し、その無条件撤去を強く求めます。そして、日米安保条約を廃棄することが、基地のない沖縄への根本的保障であることを、広く訴えてたたかうものであります。

4・28――恥ずべき従属の是非を問いかけ、安保廃棄の国民的多数派を

 4月28日は、安倍内閣の暴走の破たんを象徴する日となりました。サンフランシスコ平和条約と日米安保条約が発効して61年目のこの日に、政府は、「主権回復」記念式典を強行しました。しかし、この日を、沖縄を本土から切り離した「屈辱の日」ととらえる沖縄では、超党派で1万人を超える抗議集会がもたれ、激しい怒りが噴き上がりました。東京でも、「安保条約廃棄・真の主権回復をめざす国民集会」が開催され、多くの参加者で会場があふれました。憲法改定の狙いをもって安倍内閣が開催した「式典」は、沖縄と本土の怒りの広がりのなかで、惨めな失敗をとげました。

 サンフランシスコ平和条約の問題点は、沖縄・奄美・小笠原を本土から切り離してアメリカの支配下におき、千島列島を放棄したということだけにとどまりません。同時に締結された日米安保条約によって、占領軍を駐留軍へと名前だけ変えて丸ごと居座らせ、「全土基地方式」という世界に類のない屈辱的なやり方で日本を米軍「基地国家」とし、米国の軍事的支配の鎖に縛りつけたことにこそ、サンフランシスコ体制の最大の問題がありました。

 政府は、「式典」への沖縄の激しい怒りにたいして、「主権を回復したからこそ沖縄返還に結びついた」との言い訳をしましたが、真実は逆であります。沖縄県民は、日本国憲法への復帰をめざして、本土復帰闘争をたたかいぬきました。しかし、復帰した先を支配していたのは日米安保条約でした。ここにこそ、沖縄の基地問題が、本土復帰後41年たった今なお解決しない根本問題があるのであります。

 この恥ずべき従属構造をこのまま続けていいのかを多くの国民に問いかけ、日米安保条約廃棄の国民的多数派をつくるためにひきつづき知恵と力をつくそうではありませんか。

核兵器――核使用を正当化する「核の傘」から抜け出し、「核兵器のない世界」の先頭に 

 2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議にむけてジュネーブで開催された第2回準備委員会で、日本政府が、核兵器の非人道性を批判し核兵器不使用を主張した共同声明への署名を拒否したことに、国内外から失望と怒りの声が広がっています。

 共同声明の内容は、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」と指摘した、当然のものであります。日本政府は、「いかなる状況下でも」という一文の削除を要求した末に、それがいれられないからと署名を拒否しました。これは一定の状況下での核兵器使用を正当化するものにほかなりません。

 核兵器の非人道性を自らの体験として語ることのできる被爆国の政府が、こうした態度をとったことは、「核兵器のない世界」にむけて努力している国際社会への重大な背信・妨害行為といわなければなりません。

 こうした態度の根本には、日本が、日米軍事同盟のもとで、米国の「核の傘」に縛られているという問題があります。そのためにすでに世界の大勢となっている核兵器禁止条約の国際交渉を求める国連総会決議にも、日本政府は棄権をつづけています。軍事同盟と「核の傘」の鎖を断ち切り、被爆国の政府として、「核兵器のない世界」の実現にむけたイニシアチブこそ発揮すべきであることを、強く求めるものであります。

 TPP、沖縄、4・28、核兵器――どの問題でも極端な「アメリカいいなり政治」の道を暴走する安倍内閣が「破たん」に直面し、どの問題でも日米安保条約の是非が根本から問われる情勢が進展しています。

 それぞれの問題で、国民要求にもとづくたたかいを発展させながら、日本共産党の「外交ビジョン」を縦横に活用し、「日米安保条約をなくしたらどんな展望が開けるか」を、広く国民に語りかけ、安保条約廃棄の国民的合意をめざそうではありませんか。

憲法 改憲派の三つの矛盾をつき、憲法9条の生命力に確信をもって

 第四に、憲法問題は、参議院選挙の一大争点となっています。

 昨年の総選挙では、自民党や維新の会、みんなの党などむき出しの改憲派が多数を占めるにいたりました。彼らの一番の狙いが、解釈改憲で集団的自衛権を可能にするとともに、明文上も憲法9条を改定して、日本をアメリカとともに海外で戦争をする国にすることに置かれていることは明らかであり、その危険性を正面から直視し、広く明らかにしていくことが必要であります。

 同時に、改憲派がつぎの三つの矛盾を自らつくりだしていることをとらえ、この弱点を正面から突き、彼らを孤立させていく攻勢的たたかいが重要であります。

憲法96条改定を突破口として押し出したことが、多くの人々の批判を広げる

 一つは、改憲派が、憲法96条改定――憲法改定手続きの緩和――を憲法改定の「突破口」と押し出したことが、逆に、9条改定の是非をこえて、多くの人々の批判を広げ、孤立を深める結果となっていることであります。

 96条改定は、単なる「手続き論」「形式論」の問題ではありません。近代の立憲主義は、主権者である国民が、その人権を保障するために、憲法によって国家権力を縛るという考え方にたっています。そのために憲法改定の要件も、時の権力者の都合のよいように憲法を改変することが難しいようにされているのであります。そのことは世界の主要国でも当たり前の原則となっています。国会による憲法改定の発議要件を、現行の両院の3分の2以上から、過半数にすることは、立憲主義そのものの否定であり、憲法が憲法でなくなる大改悪にほかなりません。

 自民党や維新の会などは、“9条改定をいきなりすすめるのは難しいが、96条改定ならばハードルが低い”という思惑から事を始めました。しかし、これはとんでもない見込み違いとなりました。“こんなやり方は邪道だ”という声が、立場の違いをこえて広くわきおこっています。

 日本弁護士連合会(日弁連)が断固反対の声明を発表しました。憲法9条改定論者もふくめて「体をはって反対する」との批判が広がっています。日本共産党は、96条改定反対の一点で、国民的共同を広げ、改憲派の野望の出はなを打ち砕くために、力をあわせることを心からよびかけるものであります。

自民党「改憲案」のあまりの時代逆行ぶりに、不安と批判が広がる

 二つは、自民党が昨年4月に発表した「改憲案」そのものが、そのあまりの時代逆行の反動的内容のために、多くの人々の不安と批判を広げていることです。

 自民党「改憲案」の問題点は、憲法9条2項を削除し、「国防軍」を書き込むというだけではありません。基本的人権を「侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」とした憲法第97条を全面削除し、基本的人権を根底から否定するなど、憲法の平和的民主的条項の全面破壊をもくろむものとなっていることは、きわめて重大であります。

 とりわけ表現・結社の自由をふくむ基本的人権について、「公益及び公の秩序」に反しない範囲のものしか認めないとしたことは、重大であります。それは、あれこれの「人権」を掲げながらそれを「法律の範囲内」に押しとどめ、国民を無権利状態においやった大日本帝国憲法への逆行にほかなりません。自民党「改憲案」は、憲法を、権力を縛るものから、国民を縛るものへと根本的に変質させるものとなっているのであります。

 この古色蒼然(そうぜん)とした時代逆行、時代錯誤の自民党「改憲案」にたいしては、9条改憲派の憲法学者からも厳しい批判の声が広がっています。アメリカの有力メディアからも、「世界中の人権擁護グループは、自民党による憲法に関する革命に反対する世論を喚起すべきである」とするきびしい批判がおこっています。

 この自民党「改憲案」を読めば、それに全面的に賛成する国民は、ほとんどいないでしょう。背筋がぞっとする人がほとんどでしょう。これはきわめて危険な内容ですが、それだけに彼らの致命的弱点にもなりうるものであります。すでに、わが党は、その全面的批判として、「しんぶん赤旗」の連載をまとめたパンフレット『全批判 自民党改憲案』を発刊しています。人類普遍の基本的人権すら否定して恥じない勢力が、9条改定をもちだしている危険性を、広範な国民に明らかにしていこうではありませんか。

9条改憲をめざす安倍内閣が「靖国」派内閣の本性をむきだしにした

 三つは、9条改憲をめざす安倍内閣が、この間、過去の日本の戦争を肯定する「靖国」派内閣としての本性をあらわにしてきたことが、日本国民はもとより、世界とアジア諸国の強い批判と怒りをよびおこしていることであります。

 もともと憲法9条問題は、たんなる国内問題でなく、国際問題であります。9条は、侵略戦争の反省を踏まえて、二度と再び誤りを繰り返さないという国際誓約でもあるからです。安倍内閣のもとでの9条改変への動きは、すでに広範な国際的懸念と批判を引き起こしていましたが、この内閣が「靖国」派内閣としての行動や発言を始めたことは、その批判をいっそう強める結果となりました。侵略戦争を肯定する勢力――戦争の善悪の区別もつかない勢力が、憲法を変えて海外に武力でのりだすことほど、アジアと世界の人々にとって危険なことはないからです。

 安倍内閣の改憲への暴走は、みずから矛盾と「破たん」をつくりだしています。その弱点を徹底的に突き、この暴走を広範な国民世論と運動で孤立させるために、全力をつくそうではありませんか。

「紛争を戦争にしない」――情勢とのかかわりで憲法9条の生命力を広く語ろう

 同時に、憲法9条の生命力を、今日の情勢とのかかわりで攻勢的に明らかにしていく努力が大切であります。

 改憲派は、「北朝鮮や中国との関係を考えても憲法改定が必要」との宣伝をおこなっています。しかし、北朝鮮の問題にしても、中国との紛争問題にしても、何よりも大切なことは、道理に立った外交交渉による解決に徹することであります。この点で、安倍政権が、どの問題についても対話による解決の外交戦略を持たず、もっぱら「力対力」の立場にたって、これらの問題を、軍事力強化、軍事同盟強化、憲法9条改憲に利用しようという態度をとっていることこそ、思慮も分別もない最悪の党略的態度といわなければなりません。

 紛争の対話による解決という点では、私たちは学ぶべき手本を、東南アジアにもっています。ASEAN(東南アジア諸国連合)は、TAC(東南アジア友好協力条約)やARF(アセアン地域フォーラム)などの多国間の対話の枠組みを域外にも広げていますが、そこに流れている精神は、「紛争の平和解決」――紛争が起こっても絶対に戦争にせず、対話によって解決するというものです。軍事に頼らない「平和的安全保障」という考え方を実践しているのが、ASEAN諸国であります。

 このASEAN方式を北東アジアにも広げようというのが、日本共産党の提案ですが、その時に最も力強い財産となるのが日本国憲法第9条にほかなりません。北東アジアの紛争問題も、憲法9条の精神にたった平和解決こそが、最も理性的であり、現実的であることを大いに語ろうではありませんか。

 日本共産党は、9条を守るとともに、9条を生かした平和外交によって、アジアと日本の平和を確保することにこそ未来があることに確信をもって、憲法9条擁護のゆるぎない国民的多数派をつくるために全力をあげるものであります。

歴史 「靖国」派内閣の地金がむきだしの形であらわれた

 第五は、歴史問題をめぐる政治的対決です。

靖国参拝・奉納、「村山談話」見直し――6中総決定の警告が現実のものに

 6中総決定は、安倍内閣が、「過去の侵略戦争を美化する『靖国』派をその中枢にすえているという大問題をもっている」こと、「この問題は、安倍政権の抱える特別に深刻な問題として、いつそれが具体的な危機となって噴出するかわからない不安定さともろさを、この政権の特徴の一つとしている」ことを指摘しました。

 この指摘は、現実のものとなりました。

 4月下旬、麻生副総理ら4閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相も真榊(まさかき)を奉納するという事態が起こりました。靖国神社は過去の軍国主義による侵略戦争を“自存自衛の正義のたたかいだった”“アジア解放の戦争だった”と丸ごと美化し宣伝することを、その存在意義とする特殊な施設です。首相や閣僚による参拝や奉納は、侵略戦争を肯定する立場に自らの身を置くことを示すものにほかなりません。首相は、韓国、中国など、国際社会の批判にたいして、「わが閣僚においては、どんな脅かしにも屈しない」とのべ、傲慢(ごうまん)な居直りの態度を示しました。これらは絶対に許されるものではありません。

 さらに、安倍首相は、「村山談話」の見直しに言及し、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う」、「歴史家、専門家に任せるべきだ」とのべました。これは40年前の田中角栄首相の国会答弁――「侵略戦争かどうかは、後世、歴史家が評価するもの」――にまで時代逆行するものにほかなりません。こうした無定見な侵略戦争への無反省論から脱して、ともかくも過去の侵略と植民地支配を「国策の誤り」と認めたのが「村山談話」でありました。この到達点から歴史認識を大幅に後退させようという姿勢も、絶対に許されるものではありません。

深刻な外交的行き詰まりの深い穴に自ら落ち込んだ

 最低限の節度をも踏み外したこれらの傲慢で恥知らずな言動によって、安倍政権は、韓国や中国政府とまともな外交交渉をおこなう土台を自ら破壊する結果となりました。米国政府からも懸念が寄せられ、米主要紙もそろって社説で安倍首相を批判しました。安倍政権は、深刻な外交的行き詰まりの深い穴に自ら落ち込みました。

 歴史を改ざんし、誤りを美化するものに、決して未来はありません。日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた唯一の党として、これらの歴史の逆流と正面からたたかい、日本の政治からこの逆流を一掃するまでたたかいぬく決意を表明するものであります。

日本の政治の三つのゆがみをただす日本共産党の躍進を

 五つの角度から見てきましたが、安倍政権は、なぜ暴走するはなから「破たん」がおこるのか。それは、土台が腐り切っているからであります。「アメリカいいなり」と「財界中心」という二つのゆがみを特徴とする、古い自民党政治の矛盾が蓄積し、あらゆる分野で行き詰まり、耐用年数がつき、文字通りの崩壊的危機におちいっているからであります。安倍内閣は、この二つのゆがみに、侵略戦争を肯定・美化するという「歴史逆行」のゆがみをつけ加え、危機をいっそう深刻なものとしました。

 安倍自民党が衆議院で多数をしめたことの危険性は重大ですが、恐れる必要はありません。この「バブル」は必ず破たんします。ウソとゴマカシがはがれおちるならば、政治のよりいっそう大きな激動がおこることは避けられません。

 「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」という三つのゆがみをただす立場と力をもった政党は、日本共産党をおいてほかにありません。参議院選挙でこの党を伸ばすことこそ、日本の政治・経済・社会を、深刻な危機から救いだす唯一の道だということに確信をもって、力いっぱい奮闘しようではありませんか。

二、日本共産党の国民的役割を大いに語ろう――現在の政党状況とのかかわりで

 報告の第二の主題として、参議院選挙で、現在の政党状況とのかかわりで、日本共産党の国民的役割を大いに語ることを訴えたいと思います。

平和、民主主義、暮らしを壊す逆流に、勇気をもって立ち向かう党

安倍内閣の暴走に正面対決、国民とともにたたかう

 その第一は、平和、民主主義、暮らしを壊す逆流に、勇気をもって立ち向かう唯一の党が日本共産党だということであります。

 「アベノミクス」の暴走、無謀な原発推進、「アメリカいいなり政治」、憲法改定の策動、過去の侵略戦争の美化など、安倍政権の暴走に正面から対決して、国民とともにたたかっているのは、日本共産党だけであります。その国民的役割は、他の主要な諸党が、どれも自民党の補完勢力としての姿をあらわにするもとで、きわだったものとなっています。

民主、維新、みんな――自民党の補完勢力としての姿をあらわに 

 民主党は、自民党と公明党との間で、消費税大増税と社会保障大改悪推進の「3党合意」をとり結び、いわば「首根っこ」を完全に抑えつけられた状態にあります。原発推進、TPP推進、沖縄新基地建設問題などでも、安倍政権がすすめている路線は、どれもが民主党政権時代に手をつけた問題であるだけに、批判もできません。こうしてこの党は、野党としての自らの存在意義も見いだせず、政治的な漂流状態にあります。

 維新の会はどうか。先に開催した党大会で、橋下共同代表は、「安倍首相は、どんどん輝いてきましたね」などと、15分のあいさつのなかで「安倍首相」の名前を14回も出して、その政権運営を絶賛しました。石原共同代表は、党首討論で、北朝鮮問題を「好機」として、憲法を変えろ、軍事費をもっと増やせとけしかけました。彼は、「日本は強力な軍事国家になるべきだ。核武装を議論することもこれからの選択肢だ」といってはばかりません。この党は、「第三極」「既成政党打破」が売り物でしたが、いまや誰の目から見ても最悪の既成政党である自民党の補完勢力そのものとなりました。

 大阪・関西でも、維新の会にたいする批判が広がっています。橋下市長がおこなった「思想調査」にたいして府労働委員会は「不当労働行為」との断罪を下しました。市民の財産を経済界に売り飛ばす地下鉄民営化・市バス民営化条例案は成立させられず、継続審議となりました。兵庫県・宝塚市長選挙では、日本共産党も支援する現職市長が、維新の会の候補者に大差で圧勝しました。

 みんなの党は、自民、維新とともに憲法改定の急先鋒(せんぽう)になるとともに、安倍首相のTPP参加表明、無制限の金融緩和などを、規制緩和万能論の立場から手放しで礼賛し、「安倍政権は長期政権になるかもしれない予感がある」などと、媚(こび)を売っています。

“自共対決”こそ、参議院選挙の真の対決軸 

 他党がみなそろって、「自民党へ、安倍首相へ」となびくなかで、国民とともに安倍政権の暴走と正面から対決しているのが日本共産党であります。こうして、今日の政党状況は、「二大政党の政権選択」、「第三極」が喧伝(けんでん)されたこれまでの国政選挙とも様相を異にしたものとなっています。

 「自民党対共産党」の対決――“自共対決”こそ、参議院選挙の真の対決軸であります。この真の政党対決の構図を押し出しながら、必ず勝利をつかもうではありませんか。

日本の前途を開く綱領を持つ党――この力を全面的に生かす選挙に

どの分野でも改革の展望を示すことのできる力の源泉に、党の綱領がある

 第二は、日本共産党が、日本の前途を開く綱領を持つ変革者の党であるということであります。

 経済、原発、外交、憲法、歴史問題――どの分野でも、わが党が、改革の展望、打開の展望を示すことのできる力の源泉には、綱領があります。また、91年にわたる戦前・戦後の試練によって試され、鍛えられた歴史の積み重ねがあります。

 日本共産党の綱領は、まず資本主義の枠内で、「アメリカいいなり」「大企業・財界中心」という二つの異常をただし、「国民が主人公」の新しい日本をつくる民主主義革命にとりくむことを当面の戦略課題としています。

 さらに綱領は、これをやりとげたのちに、国民多数の合意で社会主義・共産主義にすすむ展望を示しています。私たちの未来社会の一番のキーワードは、「人間の自由、人間の解放」であります。それはまた、自由と民主主義の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてを、受けつぎ、いっそう発展させることを特質としています。「社会主義」の名によって人権と民主主義を抑圧し、特定の政党や世界観に特権的地位を与えることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけるというのが、わが党の確固たる立場であります。日本共産党という党名は、91年の不屈の歴史とともに、こうした未来社会の理想と結びついたものであります。

綱領問題をめぐる他党の状況と対比して 

 他党の綱領はどうでしょうか。自民党は、野党時代の2010年に新綱領を決定しています。この新綱領の最大の特徴は、「保守主義」を前面に掲げたことでしたが、どういう日本をつくるかの具体的ビジョンは書かれていません。具体的に書かれているといえるのは、「新憲法の制定を目指す」――9条改定をはじめ憲法の全面改定をおこなうことと、社会保障の否定につながる「自己責任」原則が強調してあることだけであります。

 民主党は、長らく綱領を持っていないことを批判の対象とされてきましたが、野党に転落したのち、あわてて綱領をつくりました。しかし、その内容をみても、民主党がどういう日本をつくろうとしているかのビジョンはまったくわかりません。それは綱領づくりをめぐってこれ以上の分裂を避けるために「ほどほど」のものをつくったという以外のものではありません。

 維新の会も、先の党大会で綱領をつくりました。そこには、「日本を孤立と軽蔑の対象に貶(おとし)め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる」とあります。この文章だけでも、維新の会のめざす日本が、どんなに時代錯誤なものであるかは、明らかでしょう。

 どんな党であれ、綱領は、その党なりに日本をどうするかのビジョンを指し示すものであるべきです。この点で、政党の綱領としての要件をそなえているのは、日本共産党綱領だけといっても過言ではありません。綱領を学び、綱領の力を全面的に生かし、党の姿を丸ごと語る選挙にしていこうではありませんか。

国民との共同で政治を動かす党――党躍進で新しい統一戦線をつくる第一歩を

無党派と日本共産党との共同――日本を変える新しい統一戦線をつくりあげよう

 第三は、日本共産党が、国民との共同で政治を動かす政党であるということです。わが党は、社会発展の一歩一歩を、すべて国民多数の合意を得てすすむ――多数者革命の立場をとっています。多数者を統一戦線に結集して社会進歩の道を拓(ひら)くということが、わが党の現在から将来にわたっての方針であります。

 この点で強調しておきたいのは、日本共産党が統一戦線の基本を、「政党の組み合わせ」からではなく、日本社会が求める民主的改革の目標から出発するということを、一貫して堅持してきたということです。この確固たる姿勢があったからこそ、1980年の「社公合意」と社会党の右転落という事態のもとでも、今日の全国革新懇と革新懇運動に示されるような、広範な無党派の人々と日本共産党との共同という新しい統一戦線運動を切り拓いてくることができたのであります。

 この間の情勢の展開のもとで、無党派の人々と日本共産党との共同の流れが、各分野で画期的な広がりを見せています。原発ゼロ、TPP、米軍基地、消費税、憲法などで、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が広がり、私たちとこれまでまったく接触のなかった無党派の人々、保守の人々をふくめた共同が、さまざまな分野で広がっています。それぞれの「一点共闘」を一致点を大切にして発展させながら、日本を変える新しい統一戦線をつくりあげていくために、大いに力をつくそうではありませんか。

日本共産党が国政における比重と影響力を強めることが、統一戦線の決定的な条件となる

 わが党は、国会内でのたたかいで、限定的であれ一致点が生まれたときには政党間の共同を追求し、現実政治を動かすために奮闘しています。国民運動のなかでも、一致点が生まれた場合に、共同の門戸を広く開き、誠実に力をつくす立場でたたかってきました。

 同時に、国政選挙での政党間の協力のためには、国政の基本問題での政策的一致と共同の意思が不可欠となります。参議院選挙で、沖縄選挙区で革新共同の候補者を擁立したことは重要ですが、全国的には選挙協力の条件は存在していません。

 一致点にもとづく「一点共闘」を新しい統一戦線に発展させていくうえでも、政党間の力関係を変え共同の可能性と条件を広げていくうえでも、日本共産党が、高い政治的、理論的な力量と、国民諸階層と広く深く結びついた強大な組織力をもって発展し、国政選挙で躍進し、国政における比重と影響力を高めることが、決定的に重要であります。

 参議院選挙で日本共産党の躍進をかちとり、日本を変える新しい統一戦線をつくる第一歩を踏み出す選挙にしていこうではありませんか。

「いま日本に政党と呼べる政党は一つしか存在しない」

 三つの点から、日本共産党の国民的役割についてのべてきましたが、ある保守系のジャーナリストは、日本共産党につぎの言葉を寄せてくれました。

 「いま日本に政党と呼べる政党は一つしか存在しない。

 それは、どこか。自民党か。いや自民党は厳密な意味で政党と言えない。政権を持っているから政党として成り立っている政権組織だ。

 民主党か。いや違う。民主党は政党とは言えない。こんど作るというが、これまで政党としての持つべき綱領がなかった。民主党は国会活動をするための会派というべき組織で、政党ではない。

 組織がしっかりしているといわれる公明党か。いや違う。公明党は創価学会がなければ存在しない組織だ。創価学会政治部という性格は否定できない。その意味で、ただしい意味での政党とは言えない。

 日本で、政党といえるのは、日本共産党ただ一党しかない。なぜなら、共産党は、政治理念・イデオロギーをもっている、綱領がある、党員がいる、党活動がある、独立した政治資金をもっている。政党と呼べる要件をすべて備えている。

 日本共産党の存在意義は小さくない。筋を通して頑張ってほしい。政治上の立場は異なるが、世間から畏敬される存在でありつづけてもらいたい」

 総選挙後の新しい政党配置のもとで、日本共産党の存在意義と役割を、これまでにない広範な国民にたいして、新鮮に語っていくことができる情勢が展開しています。他党にない党の値打ちを丸ごと語り、参院選での躍進をつかみとろうではありませんか。

三、参議院選挙・都議選勝利をめざす活動方針

 報告の第三の主題は、参議院選挙・都議選勝利をめざす活動方針であります。

 すでに、その基本は、2月の6中総決定で全面的に明らかにされています。幹部会報告では、それを前提において、6中総決定にもとづく全党の実践と教訓、今後の活動の強化方向について、端的に提起することにします。

6中総決定にもとづく実践と教訓――発展の芽を花開かせよう

 6中総からちょうど3カ月間が経過しました。6中総決定にもとづく実践をつうじて、今後の党活動、とくに選挙勝利のために生かすべき豊かな教訓がつくりだされています。これを全党の共通の深い確信にし、花開かせていくことを訴えたいと思います。

綱領的政治指導こそ、躍進のうねりつくりだす決定的なカギ

 一つは、「綱領の観点から情勢をとらえ、展望をつかむ、大きな政治指導――綱領的政治指導が、参議院選挙躍進に向けたうねりを作り出していくうえで、決定的なカギになる」という6中総決定の提起が、党が目前の政治戦に元気に立ち上がるうえで、大きな威力を発揮しているということです。このことが、6中総以降の3カ月の党活動における最大の政治的教訓であることを、まず強調したいと思います。

 幹部会報告では、「安倍内閣の暴走と破たん」ということを解明しましたが、これも綱領的視野にたって安倍内閣を見るならば、表面の威勢のよさとは裏腹に、根本のところで破たんが噴き出しているという解明にほかなりません。

 都議選、参院選の投票日までには、情勢にさまざまな曲折や波乱も予想されます。巨大メディアが全体として安倍内閣礼賛の立場にたち、「破たん」については伝えないという問題もあります。これからの選挙戦のたたかいにおいても、「つねに綱領的立場から情勢をつかむ」、「党と科学的社会主義の事業の不滅性への確信をもつ」という6中総決定を堅持して、勝利への道を切り拓くことを訴えるものであります。

 綱領学習を全党的に抜本的に強化し、「綱領・古典の連続教室」を引き続き活用していただくことを、よびかけます。「学びつつたたかい、たたかいつつ学ぶ」選挙にしていこうではありませんか。表面の情勢に一喜一憂せず、つねに深いところで情勢をとらえ、困難に負けず不屈にたたかう党をつくりあげながら、選挙をたたかおうではありませんか。

「溶け込み結びつく力」を生かした選挙戦――“選挙革命”に挑戦しよう

 二つは、6中総決定の一番の中心点――「肝」の部分である、「国民に溶け込み結びつく力」を強めつつ、選挙に勝とうという方針に、本腰を入れてとりくめば、党の力が何倍も深いところから引き出されるということであります。

 中央委員会は、この間、「支部の経験を聞く会」「全国職場支部活動者会議」などの一連の会議を開いてきましたが、そこで共通して語られた教訓は次の内容でした。

 ――6中総決定を正面から実践したところでは、選挙戦の働きかけの量という点で、これまでの2倍、3倍という対話・支持拡大がすすんでいます。そのさいに、支持者名簿や後援会名簿などとともに、個々の党員のプライバシーを尊重しつつ、党員一人ひとりが結びついている人を名簿にして持つ「マイ名簿」の方針が、大きな力を発揮しています。

 ――働きかけの質という点でも、「結びつきで広げた支持は、深い支持になる」という実感が語られています。また「結びつき」を生かした対話・支持拡大をすすめる場合に、働きかけを1回で終わりにしないで、早い段階から繰り返しおこなうことが、固い支持につながっていくことも教訓として語られています。

 わが党が、国政を担える党に前進するうえでは、党勢を抜本的に拡大することが不可欠であります。同時に、いま持っている力を、6中総決定の精神にたって底の底から発揮すれば、目前の選挙戦に勝利する道が開かれます。わが党のもつ潜在的力に自信をもとうではありませんか。党と党員のもつあらゆる結びつき、つながりを生かして選挙勝利に結実させる――“選挙革命”ともいうべき方針に、全党が挑戦しようではありませんか。

中間地方選挙の教訓を、参院選勝利に生かそう

 三つは、この間の中間選挙から教訓を学ぶことであります。総選挙後、162自治体で中間地方選挙がたたかわれ、わが党は245人が立候補し217人が当選しました。その全体では、議席占有率が8・06%から7・65%となり、前回選挙比での得票は82・5%となりました。総選挙比例代表比での得票は132・9%となっています。ここには党の現在の活動の水準の反映があることを、直視しなければなりません。

 同時に、同じ情勢のもとでたたかいながら、議席や得票を大きく伸ばした経験が生まれています。そこから共通して以下の教訓を学ぶことができます。

 ――「国民の苦難軽減」という立党の精神にたって、多面的な要求実現の活動をおこなっていることが、信頼と共感を広げています。福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町議選では、党候補が得票率で1・6倍に伸ばしてトップ当選しました。県内外に避難している方々の救援と原発問題解決に、県内外のどこでも党が先頭にたって奮闘していることに、共感と支持が広がりました。

 ――「早くからの立ち上がり」ができたかどうかが明暗を分けています。党の自力づくりが遅れているもとで、最終盤の瞬発力にたよる従来型の選挙戦ではなく、早くからとりくみ、演説会などを結節点に宣伝・組織戦をすすめ、党の勢いをしめし、担い手を広げて、有権者に繰り返し働きかけているところで、前進をかちとっています。

 ――国民に「溶け込み結びつく力」を強めつつ、選挙戦に勝利するという6中総方針をつらぬいたところで、前進をつくりだしています。とくに「マイ名簿」の活用によって、地域割り内の候補だけでなく、わが党の全候補を視野に対話と支持拡大が発展していることは、参議院選挙を「全国は一つ」でたたかうことを展望しても、きわめて重要であります。

公示日を投票日にみたてて、やるべきことをやりきって必ず勝利を

 以上の教訓を踏まえ、参議院選挙、都議選勝利のために、何をなすべきか。

 6中総決定は、「すべての支部・グループの同志に訴えます」として、「六つの活動」にとりくむことをよびかけました。その全体をやりきることが勝利への大道であります。とくに、すべての支部と党員が、「国民の苦難の軽減」という立党の精神にたって、国民の多様な要求と関心にこたえた、多面的な活動にとりくみ、参加していくことを、最後まで重視していくことを重ねて強調しておきたいと思います。

 そのうえで、第7回中央委員会総会として、すべての支部・グループが、選挙勝利にとって絶対不可欠だが、とくに大きな力を要し、これまでの選挙で挑戦したが果たせなかったつぎの二つの課題に、正面から挑戦することを心からよびかけるものです。

第一。公示日までに「全国は一つ」で「支持拡大目標」を突破しよう

 第一に、すべての党支部と党組織が、得票目標実現にふさわしい「支持拡大目標」を決め、国民に「溶け込み結びつく力」を強め、生かしつつ、参議院選挙公示(7月4日)を投票日とみたてて、それまでに、「全国は一つ」で「支持拡大目標」を突破し、選挙本番ではさらに「広げつつ固め」、確実に勝利をかちとりましょう。東京都議選については、都議選告示の6月14日までに「支持拡大目標」を突破しましょう。

 そのさい、ポスター、ビラ、ハンドマイクなど大量宣伝によって党の勢いを国民にビンビンと伝える活動と一体にこの運動をすすめること、すべての後援会員と「しんぶん赤旗」読者への協力依頼をやりきることを、重視しましょう。

 公示日までに「支持拡大目標」を突破するという方針は、これまでわが党が一度もやったことのない新しい組織戦略への挑戦であります。しかし、以下の点にてらして、選挙に本気で勝とうとするならば、客観的に必要不可欠な方針であり、主体的に実現可能な方針であることを強調したいと思います。

 ――一つは、選挙公示までの各党のたたかいが、選挙の帰すうを大きく左右する状況が、選挙を重ねるごとに強まっていることです。公示までに、「日本共産党には勢いがある」「日本共産党は元気だ」ということが有権者に伝わる状況を、政治的にも組織的にもつくりだし、広い有権者が日本共産党を政党選択の選択肢の一つに入れていくような状況をつくりだしていくことが、勝利にとって不可欠であります。

 ――二つは、6中総決定が提起した、国民に「溶け込み結びつく力」を強め、生かしつつ、選挙に勝利するという方針――生活と「結びつき」の現状を出し合い、支持者名簿を整備し「マイ名簿」をつくり、繰り返し働きかけるという方針を本気で実行しようとすれば、公示間際や選挙本番になってからではなく、早い段階からのとりくみが絶対不可欠になります。同時に、この方針を正面から実践すれば、何倍もの力を引き出すことができることは、この間のとりくみでも実証されていることであります。

 ――三つは、全国一区の比例代表選挙が選挙戦の軸となる参議院選挙においては、「全国は一つ」という立場が、いよいよ大切になることです。すべての党支部・グループと党機関が、比例代表選挙を自らの選挙と位置づけてたたかいぬきましょう。職場・地域・学園の党支部は、それぞれの責任を負う有権者のなかでの対話・支持拡大とともに、全国の「結びつき」を生かして対話・支持拡大の思い切った広がりをつくりだすことが必要です。そのためにも得票目標にみあう「支持拡大目標」を決めて公示までにやり抜くという方針が重要になります。

 「全国は一つ」で公示日までに「支持拡大目標」の突破を――この新しい組織戦略を必ずやりとげ、自らの力で勝利への扉をこじあけようではありませんか。

第二。すべての支部・グループで新入党員を迎え、読者拡大の上げ潮のなかでたたかおう

 第二に、すべての党支部・グループで、新入党員を迎え、新鮮な力を迎え入れて、ともに選挙戦をたたかうとともに、すべての党支部と党機関が、「しんぶん赤旗」読者拡大の連続的な上げ潮のなかで、都議選、参議院選挙をたたかいましょう。

 この間の「支部の経験を聞く会」や「全国職場支部活動者会議」などの会議で共通して報告されたのは、昨年とりくんだ「党員拡大を中心とする党勢拡大大運動」がたいへん大きな力を発揮しているということであります。昨年の「大運動」で党に迎えた新入党員が新しいつながりを生かして素晴らしい活躍をおこない、それが党全体に新鮮な活力を与えている経験が、全国どこでも生まれています。

 参議院選挙、都議選に向けて、昨年の活動を思い起こし、それをさらに発展させて、「すべての党支部・グループ」で党員を迎えるという活動をやりきろうではありませんか。とくに職場と青年・学生のなかでの党員拡大に力を入れてとりくもうではありませんか。新たに党に入った同志とともに成長する支部をつくろうではありませんか。

 党員拡大を党勢拡大の根幹にすえ、「しんぶん赤旗」読者拡大では、毎月前進の上げ潮をつくりだしながら、選挙戦をたたかいましょう。4月度の経験では、党員拡大を国民に「溶け込み結びつく力」の根幹として、何があっても中断してはならない活動であることを、中央の反省もこめて訴えるなかで、全党的に662人の新たな同志を迎え、読者拡大でも、「しんぶん赤旗」日刊紙119人、日曜版で3039人の増勢をかちとりました。この経験は、党員拡大を党勢拡大の根幹にすえ、そのなかで読者拡大の独自の努力をすすめてこそ、全体が前進することを示しています。みんなの力でつくりだしたこの上げ潮を決して中断させず、末広がりに発展させようではありませんか。

 安倍首相が就任以来、大手メディア幹部との会食懇談を続けているという「しんぶん赤旗」の報道には、大きな驚きと反響が広がりました。こんなことは欧米では考えられないことであります。私たちは、日本の支配勢力が巨大メディアの大部分をその管轄下におき、国民の精神生活への大きな影響力を及ぼしているという困難な条件のもとで、国民の多数者を社会変革の事業に結集するためにたたかっています。この事業の成功は、国民に溶け込み結びつき、全国いたるところで活動する強大な党をつくることぬきにはありえません。目前の参院選・都議選勝利のためにも、より長期的な日本革命の勝利を展望しても、党勢拡大の上げ潮をつくりだし、その力で選挙に勝ち、さらに大きな党をつくるという大事業に挑戦しようではありませんか。

インターネットを活用した選挙活動に思い切って挑戦しよう

 参議院選挙からインターネットを利用した選挙運動が解禁されます。これにより選挙活動の自由が大きく拡大します。

 日本共産党には、この問題で他党にない有利な条件があります。一つは、わが党は、日刊新聞を発行している政党であり、日々生起する問題について、国民の立場に立って情報や見解を明らかにしており、それを党のホームページで毎日発信しているということです。いま一つは、党支部、地方議員、後援会、「しんぶん赤旗」読者網など、草の根の組織を全国にもっているということです。

 全党がネットによる選挙運動を活動の柱の一つとして位置づけ、思い切った開拓と挑戦をはかることをよびかけます。条件のあるすべての同志が、ツイッターやフェイスブックなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ホームページやブログに挑戦しましょう。選挙期間中もSNS、ホームページやブログの更新が可能となります。政党と候補者は、メールによる選挙運動も自由になります。この条件をくみ尽くした選挙活動を開拓しましょう。都道府県委員会に、SNSに精通している機関や支部の同志、地方議員などによる「ネット活動推進チーム」を置き、集団的に促進する体制をとることを訴えるものです。

全党の総決起のために――党機関・候補者・地方議員・指導的同志に呼びかける

 全党が参議院選挙に総決起していくうえで、指導的同志の果たす役割は決定的であります。第7回中央委員会総会は、すべての党機関・候補者・地方議員・指導的同志にたいして、次の諸点を心からよびかけます。

本音をぶつけあう政治討議で、自らの確信を支部に伝えよう

 一つは、本音をぶつけあう政治討議をおこない、自ら確信をもち、それを支部と党員に伝えようということです。すでに6中総決定の過半数の党員の読了をやりぬいている地区党組織に共通する教訓は、党機関が本音をぶつけ合う政治討議をおこない、自らの言葉で決定の核心を伝え、全党の政治的決起をかちとっていることであります。

 党機関の討議で出される情勢にたいする異論も、方針にたいする異論も、そのほとんどは真剣に党の前進を願い、どうやったら方針が実行できるかを考えてのものです。それらを大切にし、本音をぶつけあって、真剣に議論すれば、必ずより深い認識と確信に到達することができます。自らの心底からの確信を語れば、相手にもその確信は必ず伝わり、自らが感動をもって受け止めたことを語れば、感動は必ず伝わっていきます。指導的同志が自ら納得し、感動したことを、自分の言葉で語ってこそ、支部と党員の心に響き、全党を鼓舞激励することができます。そういう心構えで指導、援助をすすめようではありませんか。

自ら宣伝と政治活動に打って出て、国民の変化を伝えよう

 二つは、指導的同志が自ら宣伝と政治活動に打って出て、国民の変化を伝えようということです。ある県は、県委員会が先頭にたって、「賃上げ・雇用アピール」を、連合系労組の企業門前で宣伝したら、半分近くの労働者が受け取りました。また、アピールをもって県の産業関係の局長、県庁所在地の副市長などに申し入れたところ、「その通りだ」という反応が返ってきました。こうした活動を活動者会議などで報告すると参加者の目の色が変わって、元気になってきます。国民運動が歴史的高揚をみせるもとで、国民の共同を広げる政治活動を指導的同志が旺盛にすすめ、国民の中に起きている生き生きとした変化を、支部と党員に伝えようではありませんか。

組織方針の実践の先頭にたち、やればできることを伝えよう

 三つは、組織方針の実践のうえでも、指導的同志がみずから実践の先頭にたち、やればできることを伝えていくことであります。

 対話と支持拡大のための「マイ名簿」をもつことも、それに働きかけることも、一人ひとりの同志にとっては、決心がいる――「踏み切り」が必要なことであります。全国の経験は、悩みやためらいも率直に出し合い、励ましあうなかで、この運動がすすむことを示しています。この点で、指導的同志の果たすべき役割はたいへんに大きいものがあります。

 ある地区委員会は、地区役員自身が「マイ名簿」をもつことを重視し、平均60人の「マイ名簿」をもち、繰り返し「踏み切り」の経験を交流し、その内容を支部に伝え、支部を激励してきたことが大きな力となり、8割の支部が「マイ名簿」をもって活動するまでに前進しています。こうした指導的イニシアチブを党機関が発揮することを訴えるものです。

「楽しく元気の出る支部会議」をつくるための援助に、知恵と力をそそごう

 四つは、支部への指導・援助では、「楽しく元気の出る支部会議」をつくるための援助に、知恵と力をそそぐことを訴えたいと思います。

 「支部の経験を聞く会」では、すすんだとりくみをおこなっている支部では、例外なく支部会議が、新しい活動に踏み出していくうえでの力の源泉となっていることが語られました。(1)支部会議を楽しい内容にし、終わったときにみんなが元気が出て、笑顔で帰れるような中身にする、(2)政治問題では、疑問や意見を自由に出して、よく討議し、最後は決定で団結する、(3)「綱領・古典の連続教室」をふくめ学習を重視して位置づける、(4)「結びつき」について途中経過も含めて毎回の支部会議で交流する――などが、共通して出されました。

 指導的同志が支部に入り、支部の悩みや願いに耳を傾け、「楽しく元気の出る支部会議」をつくるための懇切な援助をおこなうことを、心からよびかけるものであります。

「支部が主役」で、全党がただちに臨戦態勢に入り、勝利をつかもう

 目前に迫った都議選、参議院選挙は、日本の命運を左右する歴史的たたかいになっています。長年の自民党政治の行き詰まりを、反動的に打開しようとする安倍政権の野望を許さず、古い政治の根本的転換をめざす日本共産党の躍進をかちとれるかどうか。これから投票日までの日々は、革命政党としての真価が問われる歴史的日々となります。

 ただちにすべての党組織、党支部が臨戦態勢に入りましょう。臨戦態勢とは、すべての支部、すべての党員がたちあがる態勢をつくりだすことにほかなりません。そのために、日々活動を末広がりにしていくための具体的手だてをとることにほかなりません。

 週1回の支部会議を軸にしつつ、活動の成果と教訓を連日交流できる態勢をつくりあげましょう。たまり場、センターの確保、「連絡・連帯網」の強化など、臨戦態勢強化のために必要なあらゆる定石を打ち尽くしましょう。

 最後に、東京都議選への全国の支援を訴えます。東京都党組織の総決起はもとより、このたたかいを、全国すべての党組織、党支部が、自らのたたかいと位置づけ、最大限の支援をおこなおうではありませんか。

 まず都議選で立派な成績をあげ、つづく参議院選挙で必ず躍進をかちとるために、全党のみなさんの奮闘を訴え、幹部会はその先頭に立つ決意をのべて、報告を終わります。


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