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2013年4月17日(水)

政府資料で分かった 公務員の守秘義務解除

共通番号(マイナンバー)制の危険

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 地方公務員法などが自治体職員に課している「守秘義務」について、「共通番号(マイナンバー)制」のシステムに提供する場合は、“解除”されることが政府作成の資料でわかりました。第三者に提供するには本人同意を必要とするなど慎重に取り扱っているプライバシー情報に本人が知らぬ間にアクセスされ独り歩きする危険があります。


 地方公務員法では「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない」(34条1項)とあり、地方税法第22条でも、職員の守秘義務を定めています。

 ところが内閣官房が自治体向けに作成したマイナンバー制度の資料によると―。

「問答無用」で個人情報提供

 「(マイナンバー法に記載した)個人情報の提供については、地方税情報を含め、守秘義務が解除される」「(情報提供システムで)提供の求めがあった場合には、マイナンバー情報を提供する義務がある」と説明しています。

 つまり、マイナンバー法では、問答無用で、住民の個人情報を提供することになります。

 「2年以下の懲役」などの罰則を設け、職員に守秘義務を課している自治体が持つ情報は住民のプライバシーの“塊”です。

 例えば、市町村の税務課では、住民税や固定資産税、個人事業税などを扱います。これらの税情報には「寡婦控除」や「障害者控除」なども含まれており、離婚や本人や家族の障害情報など、機微なプライバシー情報を知ることになります。また、事業が赤字だったのかも把握できる立場です。

情報の管理ができなくなる

 東京自治体労働組合総連合の樋山実税務部会長は「個人情報の扱いにおいてマイナンバー法が、地方税法などよりも上に置かれ、あたかも上位法のようになることは問題だ。職務で知り得た情報は、担当部署が責任をもって管理し、情報の利用には本人の同意をもらうのが前提。マイナンバー法によって、管理責任があやふやになり、情報の適正な管理ができなくなる危険がある」と指摘します。

国会審議で分かった 法案の欠陥と狙い

 全国民に番号をつけ、所得や社会保障などの個人情報を政府が利用する「共通番号制(マイナンバー)」法案。「行政の効率化と国民の利便性の向上」などをうたい文句に安倍政権が鳴り物入りで提出したものですが、審議を通して、法案の欠陥と危険な狙いが浮かびあがっています。

情報漏えいを防ぐ手段無し

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(写真)赤嶺議員

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(写真)高橋議員

 まず明らかになったのが、個人情報の漏えいや「成りすまし」犯罪を防ぐ手だてがないことです。

 新藤義孝総務相は「ペナルティー(罰則)があることが抑止力になる」とのべましたが、参考人の清水勉弁護士は「罰則で規制することは不可能。不正利用は国内だけで起こるわけでなく海外から行われることもある。事件が数千件、数万件起こったときに1件逮捕できるかどうかのレベル。その間、失った財産が戻るわけではない」と、実効性に乏しいことを指摘しました。

 制度設計にかかわった堀部政男一橋大学名誉教授も「成りすましを完全に防ぐのは不可能」と答弁。

 漏えいが起きても番号を変えればよいとしていることについても、日本共産党の赤嶺政賢議員に対し堀部氏は「自動的に全部変わるようにするかどうかまで、法案では規定していない」と欠陥を認めました。

 与党からも「ふたをあけてみないと分からない。相当いろんなところでいろいろな問題が出てくるのではないか」(自民・平口洋氏)との声があがる状態です。

示せなかった国民への利益

 初期投資だけで3000億円も投じるというのに、国民へのメリットを示せません。

 導入の効果について甘利明経済再生担当相は「なかなか数値化が難しい」と認め、「行政効率効果だけでなく、国民の利便性等々あると思います」としか、答えられません。

 赤嶺氏は「医療・介護の合算療養制度」を例に、すでに99・9%は市町村の中のデータのやり取りで完結しており、わずか0・01%のやり取りのために共通番号を導入する必要はあるのかと質問。甘利氏は反論できず、「手続きが簡素化され、利便性は向上する」としかいえませんでした。

 さらに赤嶺氏が、簡素化できる行政手続きを具体的に挙げるよう質問主意書で求めたのに対し、政府は答弁書で「現時点で個別にお示しすることは困難である」とのべざるをえませんでした。

 与党からも「児童扶養手当は、市役所の窓口で、住民票そして所得証明、障害の認定情報も一元管理されていると聞く。自治体のみの力でも国民に対するメリットはもうすでに享受できているという声も聞く」(3日、公明・M地雅一氏)との声があがっています。

社会保障費の大幅削減狙う

 狙いは社会保障の給付抑制や税・社会保険料の徴収強化にあることも明らかに―。

 維新の会の松田学氏は「(高齢者は)世代として自立してもらう。その上でもマイナンバー制度がインフラになる」と求めれば、新藤総務相は「十分に問題意識を共有している」と応じました。

 日本共産党の高橋ちづ子議員は、政府の産業競争力会議で「所得のみならず資産も把握して、医療費、介護費の自己負担割合に差をつけ、結果的に削減につなげる」という発言があったことを指摘。共通番号制が「社会保障費の大幅削減のツール(道具)ということか」と批判しました。

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