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2013年4月16日(火)

主張

憲法96条改定

石破自民幹事長の危険な本音

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 自民党は日本維新の会などの協力を得ながら今国会に憲法改定の発議要件を緩和する憲法96条の改定案を提出し、参院選挙でも争点にする動きを強めています。その折も折、自民党の石破茂幹事長が先週末のテレビで、96条の改定による改憲の発議要件の緩和が、憲法の恒久平和主義を否定する、憲法9条の改定に直結するとの考えを肯定してみせました。自民党の危険な本音です。立憲主義の土台を壊し、自民党が狙う改憲へのハードルを低くする96条改定への反対運動を強めることが急務です。

立憲主義を根底から覆す

 安倍晋三首相が首相就任以来「改憲はまず96条から」との発言を繰り返しているように、憲法改定の発議要件を定めた96条の改定は、憲法の全面的な改定をねらう自民党の策略です。憲法96条は「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で」改定案を発議し、国民投票にかけると定めています。自民党は国民の過半数が改定を支持しても、国会では3分の2に満たないので発議できないというのはおかしいという屁(へ)理屈で、発議要件を「2分の1以上」の賛成に引き下げようとしています。発議要件の緩和だけなら野党の中にも賛成する党がある計算からで、実際、日本維新の会の橋下徹代表とは改定案提出を合意したといわれます。改定案の提出は当初参院選後ともいわれましたが、今国会中に改定案を提出し、参院選での争点化をねらうとの発言が相次ぐなど、策動をエスカレートさせています。

 ことは手続きだけの問題ではありません。憲法が憲法改定の発議要件を「3分の2以上」としているのは、憲法が国の基本法として大事なものだからです。国家による権力の乱用から国民を守るというのが憲法にもとづいて政治を行う立憲主義の基本であり、憲法改定の手続きを他の法律より厳しくしているのも、時の政権の都合で勝手に憲法が改定されないようにするためです。憲法改定にあたって議会の「3分の2」あるいは「4分の3」の賛成などと要件を定めるのは世界でも常識で、日本だけきびしすぎるという批判は当たりません。本格的な改憲の前にまず96条の改定をとの安倍政権の策略に対しては、改憲への賛否を超えて批判も上がっています。

 こうした問題点に加え、石破幹事長が先週末の民放テレビで、憲法96条の改定が憲法9条の改定に直結しているとの考えに賛意を示し、参院選では96条改定を公約に掲げるので、「それを念頭において投票してもらいたい」と発言したのは、文字通り危険な本音を示したものです。自民党はすでに憲法9条を全面的に改定し、自衛隊は「国防軍」とし、個別的自衛権であれ、集団的自衛権であれ、「自衛権の発動を妨げない」などとする改憲案を発表しています。まさに日本を再び「戦争する国」にする憲法9条の改定のために、まず96条の改定をなどというのは、危険な改憲のハードルを低くする以外の何ものでもありません。

96条も9条も改定許さず

 自民党の本音がいよいよ明白になる中で、96条の改定を許さないとともに、9条をはじめ憲法の平和的・民主的条項を守り生かすことが重要です。自民党が今国会に提案したうえ参院選での争点とするなら、参院選で国民のきびしい審判を下そうではありませんか。


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