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2013年4月3日(水)

主張

安倍政権の社会保障

大義なき大改悪へ“潜行作戦”

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 「アベノミクス」と称して経済「再生」優先を掲げる安倍晋三政権が、社会保障全面改悪に向けた準備をすすめています。衆院で審議中の2013年度予算案に盛り込んだ生活保護費や年金額の削減などを突破口に、それにとどまらない連続改悪に踏み込む計画です。国民の反発を恐れ、目立たぬように“潜行”しているのも重大です。社会保障の役割がますます重要になっているときに、制度の根幹を破壊することは国民の願いに真っ向から反しています。

国民に“苦い薬”迫る

 安倍政権の社会保障改悪の骨組みは、消費税大増税と社会保障の「一体改悪」路線です。この路線は昨年の国会で民主・自民・公明3党が消費税増税法など関連法を成立させて動かしつつあります。

 関連法の一つ、社会保障制度改革推進法は制度大改悪への“青写真”です。「自助・自立」を社会保障の基本的な仕組みにする“自己責任”原則や、国の公的責任と財政負担を大後退させる方向を鮮明にしています。年金、医療、介護、子育て、生活保護などあらゆる制度改悪を対象にした推進法は、憲法が国民に保障する権利としての社会保障を掘り崩すものです。

 推進法にもとづき昨年11月に内閣に設置された「社会保障制度改革国民会議」は、8月21日の結論とりまとめ期限に向け議論を続けていますが、同会議の清家篤会長(慶応義塾長)は今年初めの雑誌インタビューで「耳の痛いような提言をするかも」と述べています。経団連や経済同友会は「負担増と給付減という『苦い薬』を飲まなければいけない」ことを国民に示せ(経済同友会の提言)と国民会議に迫っています。財界の求めに応じ、国民に「痛み」を強いる提言を出すことは不当です。

 見過ごせないのは、国民会議以外の公的会議で“一体改革だけでは手ぬるい”といわんばかりの提言が相次いでいることです。

 典型は、財界代表が主要メンバーの産業競争力会議の3月末の提言案です。“病気は自己責任”の考えで、風邪の窓口7割負担、軽度のデイサービスの全額自己負担など、従来の財界や政府の提言のなかでも突出した要求を列挙しました。民間保険を広げる仕組みの構築などを提起したことは、社会保障を財界の“もうけの市場”へと変質させる狙いです。これでは、もはや社会保障とはいえません。

 かつて小泉純一郎内閣・自公政権は、財界中心の「構造改革」路線を推進し、「医療崩壊」「介護難民」など社会保障の危機を引き起こし、国民の批判のなかで自公政権は退場に追い込まれました。

 自公政権を復活させた安倍政権の社会保障改悪路線は、国民に拒否された社会保障削減・解体への道を、新たな装いのもと、より危険な形で復活させたものです。国民の願いとは絶対に相いれません。

国民の審判こそ重要

 国民の生存権保障への国の責任を投げ捨てた社会保障改悪に大義はありません。安倍政権が生活保護費と年金削減の実施を参院選後に先送りしたこと自体、国民の審判を恐れたためです。70〜74歳の医療窓口負担増も阻んでいます。

 消費税増税が社会保障充実のためという口実はもう成り立ちません。大増税と大改悪を許さず、社会保障の再生・充実を求める国民的なたたかいが急がれます。


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