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2013年3月18日(月)

きょうの潮流

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 桜の開花宣言につられて上野公園を歩きました。休日とあって家族連れやカップルで大にぎわい。パンダが再公開された動物園をはじめ、園内の博物館や美術館に団体でむかう人たちも▼すでに満開のオオカンザクラとシダレザクラが入り口でお出迎え。白にうっすらと紅をおびて、咲き乱れる花々にしばし足をとめます。沿道のソメイヨシノはこれからが見ごろ。なかには気の早いものもあり、その周りは人だかり▼噴水池のちかくでは、鮮やかなピンク色に染まったカンヒザクラが待っていました。ここが原木の「コマツオトメ」も多くが開きはじめています。江戸時代からつづく花見の名所には約40種、1200本の桜の木があるといいます▼「あしひきの山桜花日並べてかく咲きたらばいと恋ひめやも」(山部赤人『万葉集』)。春の農事に先立ち、花の下で神酒をそなえて豊作を願ったのが花見の始まりといわれます。奈良時代は梅を観賞していましたが、平安時代から桜を愛(め)でるようになったとか▼日本人は桜に特別な感情を抱きます。武士や軍人は、短く咲いて散るさまをみずからの死生観にたとえ、死を美化しました。ほんらいは咲きにおう桜の下で春の訪れや生命の輝きをことほぐものなのに▼古来、人々の心を華やかせ、いやしてきた日本の風習。それは変わらぬ姿とともに、ときどきを映しだします。昔の人は不思議に思うでしょう。なぜマスクの人がこんなに多いのか。そして、福島第1原発の周りにある桜に人がいないのか。


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