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2013年2月23日(土)

韓国自動車排ガス規制

“米の横やり”で先送り

地元紙 「米韓FTAが背景」

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 韓国で自動車の二酸化炭素(CO2)排出規制の導入が先送りされました。これについて、米韓自由貿易協定(FTA)が国内制度制定の障害になった初の事例だとして批判が起きています。韓国各紙が報じています。


 問題になった韓国のCO2排出規制制度は、「低炭素車協力金制度」といいます。温室効果ガスの排出量を減らす目的で、CO2排出量が少ない軽・小型車の購入者に50万〜300万ウォン(約3万8000〜22万7000円)の補助金を支給し、逆に排出量が多い中・大型車には50万〜300万ウォンの負担金を課すというものです。

 当初、2013年7月の導入を予定し、予算措置も講じられていましたが、12年11月に突如、15年へ先送りされました。米韓FTAが禁じる「貿易技術障壁」に該当する恐れがあるとされたのです。

 その背景には、米国自動車業界や韓国輸入車業界の反対があったと報道されています。CO2排出量の多い米国車は「負担金」の対象になりかねないからです。米韓FTAの投資家対国家紛争(ISD)条項に基づき、米国側から制度の停止・変更、または損害賠償を求める訴えを起こされる可能性も指摘されていました。

 ハンギョレ新聞(電子版)6日付社説は、「韓米FTAが司法主権はもちろん立法主権まで揺るがし、国家の公共政策の決定ならびに執行権を揺るがしかねないとの憂慮が現実化している」と指摘しました。

 米国政府は、環太平洋連携協定(TPP)にもISD条項を盛り込むよう主張しています。また、日本のTPP交渉参加に関して、大型車が主流の米国自動車業界は、日本の軽自動車規格が米国車に不利だとして、その廃止を目指しています。


 米韓FTA 米国と韓国の自由貿易協定(FTA)で、2012年3月15日に発効しました。貿易にとどまらない広範囲の協定で、米国は、現在交渉中の環太平洋連携協定(TPP)の手本にしたい考えです。投資先の国の制度や施策によって損害を受けたとする投資家(企業)が制度や施策の停止や変更または損害賠償を求めて訴えを起こすことのできる投資家対国家紛争(ISD)条項も含んでいます。


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