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2013年2月19日(火)

「いじめ」のない学校と社会を

共産党の提案と取り組み

“子の命守る”最優先に

党いじめ問題対策チーム責任者・書記局長代行

山下芳生さんに聞く(上)

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 いじめ、体罰の問題が大きな社会問題となっています。日本共産党は第6回中央委員会総会で、中央委員会主催の「いじめ問題シンポジウム」の開催など、とりくみの強化をよびかけました。昨年11月28日に発表され、反響をよんだ提案「『いじめ』のない学校と社会を」のポイントと今後のとりくみ等について、党いじめ問題対策チーム責任者の山下芳生書記局長代行に聞きました。


写真

 ――「提案」をつくった経過から伺います。

 昨年夏、大津市のいじめ自殺事件が報道されました。なぜ深刻な事件が続くのか。子どもの命を守るにはどうすればいいか。党として政策をつくるべき時だと考えました。そこで党の中にチームをつくり、「まず現実から学ぼう」と現場の方々からの聞き取りを始めました。

 そのなかで問題の深刻さを痛感しました。「いじめ」被害者とご家族の苦悩は、はかり知れません。心に異常をきたしてしまった子ども、死ぬまで追いつめられた子ども。軽微に見える言葉でも、食事が喉をとおらなくなることがあります。何より、こうした子どもたちの苦悩を代弁しようと思い、提案では「いじめ」は「いかなる形をとろうとも人権侵害であり、暴力です」と述べました。

 ――政策は二段構えですね。

 ええ、社会が二つの点で事態を打開することをよびかけました。

 第一の柱は、目の前の「いじめ」から、子どもたちのかけがえのない命、心身を守り抜くことです。いわば緊急のとりくみです。

 第二の柱は、根本的な対策として、なぜ「いじめ」がここまで深刻になったかを考え、その要因をなくしていくことです。「いじめ」の芽はどの時代・社会にもありますが、ここまで深刻化しているのは、教育や社会のあり方の問題だと考えました。

緊急のとりくみ

 ――では、第一の柱のポイントを説明ください。

表
 「いじめ」を隠蔽(いんぺい)したり、「けんか」「トラブル」と捉えたり、子どもを守れないケースが長く続いていることを、何としても止めなければと思いました。その点で貴重なのは、「いじめ」を解決した、辛くも子どもの命を救った等の経験が各地で積み重ねられていることです。その経験に学べば、事態は打開できると考えました。それが提案の五つの方向です。(表)

 第一は、子どもの命最優先の原則の確立です。学校には多くの仕事がありますが、子どもの命を守ることほど大切な仕事はないはずです。このことをはっきりさせて「いじめ」への曖昧な対応をやめようということです。

 第二は、ささいなことに見えても様子見せず、教職員と保護者で情報を共有して対応することです。被害者はプライドもあり、報復も怖く、「いじめられてる?」と聞いてもなかなか認めません。おとなが「ひょっとして」と何か感じた時は、相当深刻になっている場合が少なくありません。

 第三は、子どもの自主的活動の比重を高め、いじめの起きにくい人間関係をつくることです。運動会を通じて団結ができ、いじめになりそうな時も「やめなよ」と声がかかるようになったなどの話を伺いました。授業時間を増やそうとするあまり、各地で運動会や文化祭など子どもたちの自治的な活動が減っていることは心配です。

 第四は、被害者の安全確保と加害者への対応です。被害者は命の危機にあるといっても過言でなく、安心・安全が一番です。加害者は、いじめを反省し、いじめをやめ、人間的に立ち直るまで、徹底した対応が必要です。そのためには、「いじめ」に走った悩みやストレスを聞き取り、よりそう愛情が欠かせません。厳罰主義は、子どもの鬱屈(うっくつ)した心をさらにゆがめ、いじめを陰湿化させます。

 第五は、被害者や遺族の方の真相を知る権利の尊重です。遺族の方はなぜわが子が死ななければならなかったのか知りたいと切実に思います。ところが多くの場合、調査は不十分で、納得できません。しっかりした調査は、再発防止のためにも不可欠です。遺族が真相の解明に参加できるようにすべきです。

 以上の基本方向は、子どもの命を守るという一点で、多くの人が一致できるものにするよう心がけました。また、基本方向は完成されたものではなく「試案」と位置づけました。多くの方のご意見を伺い、よりよいものにしたいと思っています。(下につづく

 

 3月16日にいじめ問題シンポ

いじめ問題シンポジウム案内
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 日本共産党中央委員会主催の「いじめ問題シンポジウム」が3月16日(土)午後1時30分から、平和と労働センター・全労連会館2階大ホール(東京都文京区湯島2の4の4)で開かれます。みなさまのご来場をお待ちしています。

 参加希望の方は、メールあるいはファクスで、下記の項目を書いて、お申し込みください。応募は3月8日(金)正午をもって締め切りとし、応募数が多い場合は抽選とします。抽選結果は、3月11日(月)をめどに郵送で連絡します。

申し込みの宛先

記入項目

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《資料》


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