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2013年2月13日(水)

沖縄・浦添市議選 共産党1・2位当選

政党の力関係 変えられる

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 日本共産党が1位、2位当選を果たした沖縄県浦添市議選。自民、民主は公認候補を立てられず、社民は議席ゼロ、公明と社大も得票を減らすなど「政党間の力関係はきわめて流動的」であることを示しました。(青野圭)


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(写真)2期目の鬼門を突破した西銘健氏(手前中央)と歓喜に包まれる支持者ら。西銘氏の左は西銘純恵県議=10日、沖縄県浦添市の選挙事務所

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(写真)当選から一夜明け、街頭で決意を述べる西銘健氏(右から2人目)と、比嘉愛子市議(左端)の議席を引き継いだ伊礼悠記氏(左から2人目)。右端は西銘純恵県議=11日、沖縄県浦添市

論戦 新軍港建設反対の論陣

 米軍普天間基地(宜野湾市)に隣接する浦添市は、昨年10月に配備が強行された垂直離着陸機MV22オスプレイの低空飛行が常態化。那覇軍港返還の見返りとして同市に新軍港をという日米両政府の合意の押し付けが強まるなか、基地建設にたいする態度が重大争点となりました。

 日本共産党はオスプレイ撤去の先頭に立つ一方、西銘健議員が毎議会で基地問題を取り上げ、市議会で唯一、軍港建設反対の論陣を張りました。さらに、米退役軍人の娯楽施設建設に市が1億2000万円つぎ込んだ浦添市版「思いやり予算」の事実を明らかにして市民とともに監査請求するなどアメリカいいなりのゆがみを厳しく追及。カジノ誘致反対を自治会やPTAに呼びかけるなど住民とともに運動を進める姿が信頼を広げました。

 党市議団の論戦は世論を動かしました。市議選と同日選挙の市長選では当初、出馬した3候補のうち一人も軍港建設反対をいう人がいませんでしたが、軍港問題が最大の争点に浮上。告示直前に「反対」に転じた新人の松本哲治氏(45)が、日米合意受け入れの現職市長や、自民・民主など各党が相乗りで推した有力新人を破って当選する事態に。投票翌日の地元紙は「浦添市の政策が大転換する可能性が出てきた」と報じました。

 5期20年の任期を終え、今期で引退した比嘉愛子さん(70)は、街頭宣伝を聞いて飛び出してきた60代男性のことばが忘れられないといいます。「みなさんがのどをからして言い続けてきたことが、市長選挙の大問題になってきた」といわれました。

 「ここは沖縄戦で6割近い住民が犠牲になりました。子や孫に戦争を引き継がせてはならないという浦添市民の願いは切実です。“戦争につながる基地はいらない”という党の訴えが共感を呼んだのです」

 政党のあり方も厳しく問われました。日本共産党以外の現職市議候補は市長候補とセットの選挙戦を展開。党は「沖縄への新基地建設を許さない」立場を堅持して、どの市長候補にもくみしませんでした。対照的に、自民・民主・公明県議・社民・社大らは知事、那覇市長とともに相乗りで新人候補を推しましたが落選。

 沖縄県民を苦しめる日米安保条約を棚上げして「新しい沖縄における政治的潮流をつくる」(自民党県連会長)動きに、浦添市民はノーの審判を下しました。地元紙も「首長選で県内初となる相乗り候補で臨んだが敗退…政党不信が高まる可能性もある」と批判しました。

 「街頭演説すると、どこでも対話になるので楽しかった。会った人すべてに“支持を広げて”とお願いしました」(伊礼さん)。演説に拍手してくれた人みんなに黄色いカードを渡して、名前を書いてもらい、街頭宣伝自体が対話・支持拡大の場となっていきました。

結びつき 無料相談24時間365日

 選挙後、勝因を問われた西銘市議は、「無料相談所が、すべての力の源です」と答えました。

 浦添市の中心街に「日本共産党無料相談所」が開設されて今年で13年。「相談所の鍵を持っている人は20人。深夜早朝の電話は私の携帯に転送されるので24時間365日、市民のどんな相談にも応じています。役所や警察から紹介されたという人も結構います」と所長の西銘勉さん。来訪者ノートには、平日でも連日20人以上の名前が記されています。

 ある男性(71)も相談所を訪ねて、そこで日本共産党を知った元自民党員。「市民の生活、弱者の命を守る姿に接して感動した。自民党とは違う。ここには“きずな”がある」

 相談に訪れた人が相談に応える側になり、“きずな”は日々広がっていきます。この10年余で支部の党員は5倍以上に増加。市議選は「しんぶん赤旗」日刊紙読者増勢のなかでたたかいました。

 西銘議員の選挙事務所を支えた大半が元相談者。西銘議員は問題が解決するまで何日でも相談者に寄り添います。

 選挙戦では、「担い手」づくりを重視しました。返信用封筒入りの「お願い袋」は得票目標を大幅に上回る規模で徹底活用。支持者や有権者に依拠した支持拡大は新たな結びつきを広げ、得票目標の2倍をやりきりました。

若い力 共感生んだ候補者の訴え

 昨年11月に入党・立候補表明した伊礼さんの新鮮な訴えは、有権者の心をつかみました。看護師としてICU(集中治療室)に勤めた伊礼さんの体験。「お金がないために亡くなる命を何度も見ました。助かるはずだった命。政治を変えたい。国保税を下げたい」。5歳の娘が保育所に入れず待機児童になりました。「浦添市の平均年齢は38歳。子育て世代が多い街です。保育所を増設して待機児童をなくしたい」

 生活に裏打ちされた訴えは世代を超えて共感を広げ、伊礼さんが訴えると小中学生が集ってきて対話の輪ができました。「ゆうきコール」が何度も起きました。伊礼さんは今、「日本共産党無料相談所」の場所探しに追われています。

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