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2013年2月11日(月)

生活保護抑制の末吉元北九州市長

財務省が参与に起用

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 元北九州市長の末吉興一氏が1日付で財務省参与に起用されました。財務省は「20年間の市長経験や外務省・内閣府の参与など幅広い経験を踏まえ、大所高所からご意見をいただくため」としており、20年間の市長経験を評価してのものです。

 末吉氏といえば、市長時代に悪名をとどろかせた、“北九州方式”といわれる生活保護受給抑制策によって3年連続で餓死者を出したことで知られています。

 ▽2005年、68歳の男性が餓死。3度にわたり生活保護申請をしようとしたのに、連絡の取れない長女に扶養の確認をとるよう求め申請書を渡さず▽06年、56歳の身体障害者の男性が餓死。電気、ガス、水道が止まり、衰弱していることを把握しながら申請書を渡さず▽07年7月、52歳の男性が、「おにぎりが食べたい」と日記に残し餓死。4月に保護の辞退を強要されていた―。

 こうした事態を生んだのが、生活保護の申請、開始、廃止件数の目標を立て、徹底して申請させない“闇の北九州方式”です。本来、申請意思が示されれば受け付けなければなりません。

 同市では、末吉市政時代の1998年に管理職の業績目標制度が導入され、ボーナスなどに反映されていました。福祉事務所の現場では保護件数が増えると「肩身の狭い思い」になる状況でした。

 末吉氏は、保護件数の「目標管理はしていない」と否定。生活保護行政も「適正だった」として誤りを認めませんでした。

 しかし、市長交代後の同市の生活保護行政検証委員会の報告書は、「『数値目標』の存在は否定しきれない」「職員を縛っている」と認めました。

 一方で、末吉市長はコンテナターミナル、豪華な橋など大型開発にお金をつぎ込みました。

 安倍政権が生活保護費を大幅に削減しようとするいま、餓死を頻発させた行政に無反省な人物が財務省参与として国政のアドバイザーになることは、政権の姿勢を示すものとして見すごせません。

 同氏は、麻生太郎氏が外相のときに外務省参与になり、麻生政権時に内閣官房参与、今回、麻生財務相のもとで財務省参与となりました。こうした起用のあり方も問われます。


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