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2013年2月9日(土)

仏が原発事故初試算 福島と同規模

避難民10万人 被害額55兆円

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 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は6日、同国で福島原発事故と同規模の事故が起きた場合、避難民が10万人に達し、被害額が4300億ユーロ(約55兆円、1ユーロ=約127円)で国内総生産(GDP)の20%に相当するとの試算結果を発表しました。同国の公的機関が原発事故を想定した試算を公表するのは初めて。IRSNのジャック・レピュサール所長は、「重大事故が起こった場合は深刻な結果になるが、これに対応しなければならない」と会見で述べました。 (島崎桂)


 国際原子力機関(IAEA)は原子力事故の評価基準として全7段階の国際原子力評価尺度(INES)を定めています。IRSNは、福島事故やチェルノブイリ原発事故(1986年)と同じ「レベル7」の事故が発生した場合の影響は「破局的」であり、「国家に深く永続的な爪あとを残す」と指摘。避難民は10万人に達し、輸出や観光客は減少、汚染は長期にわたり、隣国にも悪影響を及ぼすとしています。

 また、米スリーマイル島原発事故(1979年)より1ランク高い「レベル6」の事故が発生した場合、被害額は1200億ユーロにのぼると試算。放射性物質による汚染地域からの避難民は1万人に達するとしたものの、「対応は可能」だとしています。

 一方、レピュサール所長は、フランスで大規模な原子力事故が起きる可能性は「極端に低い」としたうえで「これらの試算は、政策決定者が予防策にかかるコストを将来的な展望に組み入れる手助けになる」と述べました。

 同国でこれまでに起きた最大の原子力事故は、1980年に発生したサン・ローラン・デ・ゾー原発での炉心溶融事故で、INESでは「レベル4」に分類されました。

 現在58基の原子炉を持ち、電力生産量の約75%を原発に依存する同国は、隣国ドイツなどとは異なり「脱原発」には否定的です。

 オランド大統領は福島事故を受け、原発依存度を50%まで引き下げると公約。国内最古のフッセンハイム原発を2016年までに閉鎖すると表明しています。


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