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2013年1月23日(水)

生活保護基準下げないで

政府に署名10万人分

“やること逆さま” “子どもが犠牲”

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 生活保護基準引き下げの動きが強まるなか、生活保護問題対策全国会議(尾藤廣喜代表幹事)の代表らは22日、厚生労働省を訪れ、田村憲久厚労相、森まさこ消費者・少子化担当相らあての生活保護基準の引き下げ反対の要請書と、署名10万人分を手渡しました。


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(写真)生活保護基準引き下げ反対の署名を提出し、要請する生活保護問題対策全国会議の人たち=22日、厚生労働省

対策全国会議

 署名は広範な団体・個人が結集する「STOP! 生活保護基準引き下げ」アクションが全国で集めたもので、29日に提出予定の分を含め20万人分を超えています。

 要請書は、18日に社会保障審議会の生活保護基準部会がまとめた報告書は、統計上の信用性に限界があることを自認し、基準引き下げを求めていないこと、各委員の研究結果では現行保護基準はむしろ低すぎるなどの点を指摘しています。

 前日弁連会長の宇都宮健児弁護士は、応対した生活保護課の課長補佐に「生活保護の受給者が増えているのは貧困・格差の広がりの結果だ。政府が一番にやるべきは、その是正なのに、バッシングして基準を引き下げるなど本末転倒だ」と指摘。基準の引き下げが最低賃金や地方税、就学援助などに連動し、生活保護を利用していない市民生活全体に大きく影響するとのべ、引き下げないよう求めました。

 NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛代表理事は、「報告書の検証結果によれば、とくに子育て世帯の引き下げ率が子どもの数が多いほど大きく過酷な内容になっている。基準が下げられ、生活保護から外れると困難を抱える子どもが学習支援を受けられなくなるなど、貧困の世代間の連鎖防止に真っ向から逆行する」と批判しました。

 日本ALS協会の川口有美子理事は、14年間在宅でALS(筋萎縮性側索硬化症)の母親を介護した立場から、「難病や障害で生活保護を受けている人はたくさんいる。改悪で家族の扶養義務の強化へつながり、患者、家族が追いつめられることを懸念している」と語りました。

 生活保護利用者の一人、東京都世田谷区の男性(40)は、「家の中でも車いすが必要だが、いまの家賃補助では狭いスペースの部屋で不便をしいられている。もっと上げてほしい」と訴えました。

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(写真)生活保護問題で電話を受ける相談員=22日、大阪市

相談電話鳴りっぱなし 大阪

 大生連や府保険医協会、大阪社保協などでつくる「大阪での生活保護を考える会」は22日、生活保護の無料電話相談を大阪市西区で実施しました。5台の電話は開始した午前10時から鳴りっぱなしで、午後5時まで150件の相談が寄せられました。

 半数が生活保護を受給している人たちからの相談です。政府・厚労省の保護費削減方針に不安を訴えました。

 応対した弁護士や医療ケースワーカー、生活と健康を守る会の役員らは、命を守り、生きる権利を丁寧に説明しました。

 神戸女子大学の松崎喜良教授は、入院中の女性(55)から電話を受けました。女性は離婚して入院中だと話し、「退院後、生活保護は受けられますか」と相談。松崎氏は「受給できます。入院生活で収入がない場合も可能です。病院にケースワーカーがいるので相談してください」と答えました。女性は「ありがとうございます」と語りました。

 ソーシャルワーカーの松川歩惟さん(24)は、夫婦で月11万円の年金で暮らしている女性(73)からの電話でした。女性は「夫と私の医療費がかさみ入院も控えています。生活保護の差別があると聞き、申請に踏み切れません」と訴えました。

 松川さんは、無料低額診療所に受診できることや、入院中のみ生活保護が受給できることを話すとともに、地域の生活と健康を守る会を紹介しました。


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