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2013年1月5日(土)

きょうの潮流

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 部屋の壁に、喫茶店の紙のコップ敷きを1枚、ピンでとめてあります。余白に、手書きで英語の「オール・ザ・ベスト!」の伝言、「ベアテ・シロタ・ゴードン」の署名▼オール・ザ・ベスト!。成功を願って乾杯!の意味でしょう。昔、GHQ(連合国軍総司令部)で日本国憲法の草案づくりに携わったベアテさんです。彼女を主人公に当時を描く青年劇場「真珠の首飾り」上演の折に来日した十数年前、喫茶店でお会いしました。取材の記念がサインです▼ふくよかな姿。少女時代住んだ東京で覚えた、よどみない日本語。熱のこもる話をつきつめると、「日本国憲法は世界の宝」でした。彼女には、そう語る資格がありました▼貧しい家の少女が身売りされるような日本に戻らないで。22歳のベアテさんは、憲法に女性の権利を書き込ませようと、各国の憲法を焼け跡の東京で探し出し研究しました。世界の先進をめざしたのです▼彼女は、憲法9条も世界の誇りとみなしました。人類の理想をまとめあげた9条です。「占領軍のおしつけ」とののしる人々など、彼女にはけちくさい考えの持ち主にみえたはずです▼ベアテさん89歳の悲報が伝わりました。遺族は、献花より日本の九条の会への寄付をよびかけています。故人の遺志も、平和の守り手への「オール・ザ・ベスト!」だったでしょう。憲法を変えるという安倍政権ができても、国民の52%は9条の改定に反対しています(毎日新聞調べ)。日本人の多くは、誇りを捨てていません。


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