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2012年12月31日(月)

亡国“アベノミクス”

大型公共事業推進と金融緩和

ツケは社会保障抑制・消費税増税…

暮らし支える中小企業にこそ資金を

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 26日発足した第2次安倍内閣は、消費税増税の条件づくりのための「大胆な金融緩和」と大型公共事業を推進しようとしています。

 (清水渡)


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(写真)アメ横商店街で買い物をする人たち=東京都台東区

 安倍晋三首相は26日の就任会見で「社会保障・税一体改革を継続してまいります」として、2014年4月からの消費税増税をあくまで進めていく考えを示しました。財務相に就任した麻生太郎氏も会見で「きちんとした補正予算や本予算を組んで(景気対策を行い)、世の中の景気が特に良くなった」状態にしたうえで、消費税増税を行う考えを示しました。

増税のため「景気回復」

 総選挙中、自民党は消費税の引き上げについて、「実施時期の半年前に」「経済状況を確認の上、予定通り実施するかの判断を内閣が行う」(自民党総合政策集)としていました。これは、消費税増税を実行するために、経済指標をかさ上げするという意味です。

 安倍自民党総裁は18日の会見でも消費税の増税を「来年4月、5月、6月の数値を見て来年の秋に決定していく」としていました。4〜6月GDP(国内総生産)名目成長率を引き上げることが狙いです。成長率を引き上げるための手段が、大型公共事業の推進と「大胆な金融緩和」です。「貧困と格差」を拡大し、庶民の命と暮らしを破壊する「亡国」の経済政策です。

 大型公共事業を推進すれば、大手ゼネコンのもうけは保障されます。その一方、国の借金が拡大する危険があります。麻生財務相は、民主党政権が維持してきた毎年度の新規国債発行額を「約44兆円以下」に抑える方針には「こだわらない」として、補正予算案編成の際、国債追加発行の可能性を示しました。

 今後、膨らむ財政赤字を抑制していくために想定されているのが社会保障費の削減・抑制です。政府は社会保障制度改革国民会議での議論を経て負担増、給付減を強行しようとしています。国民の命と暮らしが狙われています。

 自民党が公明党と25日に結んだ連立政権合意には「物価目標2%を設定し、大胆な金融緩和を断行することによりデフレからの脱却を図る」と明記されています。安倍首相は、日本銀行に「日銀法改正」の脅しをかけ、人為的に物価を上昇させようとしています。商品の値段が上昇すれば、企業の利益は見かけ上増えることになります。名目GDPも成長します。この数値をもって消費税増税を実施しようという魂胆です。

GDP2四半期連続減

 いま、底なしの景気悪化が日本経済をつつんでいます。10日発表の7〜9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値では、4〜6月期がマイナス成長に改定されたため、2四半期連続のマイナス成長となりました。

 経済状況が悪化しているのは、賃金が下がり、家計所得が減少していることが最大の原因です。

 内閣府が22日に発表した「日本経済2012―13」(ミニ経済白書)も日本の製造業の実質賃金が他国より弱い動きになっていると指摘。「これは1人当たり名目雇用者報酬が低迷していることが主因であり、この背景としては、企業が賃金を抑制している影響などが考えられる」と指摘しています。

 全国中小企業団体中央会の「中小企業月次景況調査」(11月)には、売り上げ減をめぐる中小業者からの訴えが寄せられています。

 「年末商戦に向けての出荷が見込まれていたが、しょうゆ、みそともに低調で売り上げ不振が続く」(富山・食料品製造)。「昨年11月と比べ売上高は1割強の減となっている。昨年と比べると毎月1割位のペースでダウンしている状態」(高知・生鮮卸売り)。「11月売り上げは、前年割れとなり、地元小売店は依然苦戦が続いている状況に変わりはない」(北海道・各種商品小売り)

 こういう中で消費税増税が襲い掛かれば、価格に転嫁できない中小企業の倒産は激増、個人消費が冷え込んで税収も落ち、日本経済も財政も危機的な状態に陥ります。

所得増やすことが必要

 景気回復を実現するためには、国民の所得を増やすことが不可欠です。

 日本銀行の白川方明総裁は11月の講演で、不況からの脱却について「経済の成長力を強化し、賃金の引き上げを実現していく、という実体的な変化を起こすことが不可欠」だと述べています。ところが「アベノミクス」と称される安倍首相の経済政策に賃上げを進める政策はありません。

 一方、安倍首相のいう「大胆な金融緩和」でマネーの行く先は、投機など、もうけの上がる取引です。恩恵を受けるのは、土地や株など巨額の資産を持っている一部の人たちだけです。もうけは少なくても、人々の暮らしを支えている中小零細企業には必要な資金は決して回りません。

 本来、金融緩和というなら、技術力やノウハウを持ちながら、資金不足で営業を拡大できない中小企業に資金を回すことです。これまでの金融行政を大本から転換し、企業の99%、雇用の7割を支える中小企業に必要な資金が回る仕組みづくりが緊急に求められます。そうすれば、中小企業の経営が安定し地域経済を活性化することができます。

グラフ

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