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2012年12月15日(土)

「NEWS23クロス」党首討論

外交、原発―日本のあり方を提起

志位委員長の発言

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 日本共産党の志位和夫委員長は13日夜、TBS系「NEWS23クロス」のテレビ党首討論に出席しました。


北朝鮮の「ロケット」発射、中国機の領空侵犯―日本は外交力の欠如が問われている

 討論は膳場貴子氏の司会で進行。12党首が最初に「有権者への約束」とフリップを掲示。すぐに関心の高まっている問題として北朝鮮の「ロケット」発射問題の議論に入りました。安倍晋三自民党総裁は、発射前に「さっさと打ち上げればいい」と述べた藤村官房長官発言にふれて野田内閣の姿勢を批判。野田佳彦首相は、「緊張感を持って万全を期した」と述べつつ、官房長官発言は「適切でない表現をした」と陳謝しました。志位氏は次のように述べました。

 志位 今回の北朝鮮「ロケット」の発射、あるいは中国の飛行機が(尖閣諸島上空の)領空に入ってきた、これは許し難いことです。

 ただ、こういう問題が起こったときに、“力対力”でエスカレーションしていくと、これはやはり自制しなければいけない。とくに、どういう問題が起こっても、冷静な外交的な交渉による解決、これが最も大事だと思います。

 その点で率直に言いたいのは、日本政府に欠けているのは外交力だと思います。

 たとえば北朝鮮の問題。アメリカだって韓国だって、独自の外交ルートを持って交渉をやり、北朝鮮をいかに国際社会に引き出すかという外交をやっています。日本はそのルートを持っていない。

 それから尖閣の問題でも、これは自民党時代からだけれども、問題を「棚上げ」にして、だらしない態度をとって、正面から尖閣の領有権について中国政府に主張してこない、外交力がないというところに問題があります。

 外交力がなくて、もっぱら軍事のほう、憲法を変えるほうにいくのは、本当に言語道断なことだと思っています。

憲法9条は命守る盾になっている―石原氏の暴言を批判

 憲法問題がテーマとなり、公明党の山口那津男代表は「日米安保体制の中でこれが機能するようにどうしたらいいかということを具体論としてすすめることが大事」と改憲議論を推進する姿勢をみせました。「維新」の石原慎太郎代表が「(北朝鮮の)拉致事件を解決するために、日本の9条がいかに邪魔になったか。実力行使でも取り戻すという姿勢がとれたらね、同胞が200人も拉致されて一部殺すということはなかったはずですよ」と暴言をはいて9条を攻撃しました。

 これに志位氏がつぎのように批判しました。

 志位 石原さんからいわれた、憲法9条があったから日本人がたくさん殺されたんだといわんばかりの発言(石原氏が「いや、取り戻せなかった」と割り込む)。同じことですよ。(石原氏の発言は)まったく逆だと思います。憲法9条を変える、あるいは集団的自衛権の行使をする。結局どういうことになるかというと、具体的な話でいえば、2003年にイラク戦争がありました。イラク戦争の時に自衛隊を出しました。

 しかし、あのイラク特措法には重要な一文があって「武力行使はできない」と書いてあったんですよ。

 これが歯止めになった。「戦闘地域にはいきません」ということでこれが一応歯止めになったんですよ。だから、「戦闘地域にはいきません、後ろの方で水をまいているだけです」というふうに、小泉さん(元首相)は言ったわけです。

 ですから、自衛隊はたしかに派兵したけれど、しかし米軍と一緒になって最前線まで行って戦闘行動はできなかったわけです。だからイラクの人を(直接は)一人も殺さないですんだし、それから自衛隊員の死者を出すこともなかったわけです。(憲法9条2項)これが命を守る盾になっているってことを言いたいですね。

原発こそ究極の高コスト―「即時」以外は再稼働につながる

 次に原発がテーマに。未来の嘉田由紀子代表が「安全神話をばらまいてきたのが自民党さん」と批判。新党日本の田中康夫氏は「脱原発とか卒原発とか言葉遊びしている場合じゃない。再稼働をいっさいしないということは即時脱原発です」と表明しました。

 これに対し、野田首相は、活断層で安全上問題と規制委員会がいうことになれば「政府は尊重しなければならない」と述べつつ、「稼働させないとなると収益がなくなってくるわけですから、事業者は事業者の判断で廃炉にするということになると思います」と事業者まかせの姿勢を見せました。志位氏は次のように述べました。

 志位 私たちは即時原発ゼロという提案をしております。

 10年後、20年後、30年後、40年後(にゼロ)、あるいはゼロにしないなど、いろいろな議論がありますけれど、こういう論に立ちますと、結局再稼働することになります。

 じゃあ一体どの原発を再稼働するんですか。大飯原発も敦賀原発も直下に活断層があるといわれている。もう日本に活断層と関係のない原発ってないんですよ。ですから、原発というのはもう再稼働をしてはならないし、できない。ならば、止めたまま廃炉にするというのが一番現実的な方法です。

 それともう一つ、さっき石原さんがコストの話をいわれました。コストの計算で、政府のコスト計算も、財界のコスト計算も、抜け落ちているものがあるんですよ。それは福島の事故の処理費用、除染、賠償、この費用にどれくらいかかるかわからない。それからバックエンドといわれる、いわゆる「核のゴミ」を安全に保管して、処理する(こと)。これにどれだけかかるかわからない。これはもう何十兆円、どれだけかかるかわかりませんよ。

 これらのコストを勘定に入れたら、原発というのは究極の高コストです。

再処理は中止を―安倍氏の事実認識の誤りをただす

 原発問題について、司会に問われた安倍自民党総裁は「確かに自民党政権において安全神話に寄りかかっていた」と述べ、「深刻な反省」を口にしましたが、原発必要論に立って「核燃サイクルをまわしていかなければ、結果としてプルトニウムが残っていくということになります」と発言しました。これを志位氏が次のように批判しました。

 志位 安倍さんね、ちょっと驚いたんですけど、核燃サイクルを動かさなかったらプルトニウムが残っていくっておっしゃったけれど、核燃サイクルをもし動かしたら、プルトニウムできてしまうんですよ、新しいものが。

 だからそれを燃やすところがなくなって、「プルサーマル」に持っていったり、「もんじゅ」に持っていったりして、みんなダメになっている。ですから、こんな危険な再処理といったらもう止めるしかないんです。

 これは基本の事実認識がまったく間違っている。


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