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2012年9月18日(火)

きょうの潮流

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 家の近くでウスバカゲロウが静止していました。一見、トンボに似ています。トンボはさなぎを経ないで親になりますが、こちらはチョウと同様、さなぎになります。幼虫は、あの「アリ地獄」▼その名前を耳にした時は、ひどい名前を付けられたものだなと思ったものです。北杜(もり)夫も『どくとるマンボウ昆虫記』に書いています。「幼いころからその名だけは知っていた。ウスバカゲロウが薄翅蜉蝣(うすばかげろう)であるとはつゆ知らなかった」▼「捕えてみると、その紗(しゃ)のような翅(はね)の手触りはふんわりと柔かく」と同書にあります。紗は、薄くて軽い生糸の織物。ウスバは翅の特徴からきているようです。名は体を表す、です▼原子力規制委員会が明日、発足します。それに伴い経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会は廃止。委員会事務局は原子力規制庁と呼ばれ、保安院などの職員が移ります▼しかし、最初から独立性などに疑問符が付き、見切り発車状態です。規制組織のあり方を提言した国会の事故調査委員会はこう言っています。「組織の形態あるいは位置付けを変えるだけではなく、その実態の抜本的な転換を行わない限り、国民の安全は守られない」▼規制庁の当初の仮称は「原子力安全庁」。いかにも「原子力は安全」のお墨付きを与える組織と見えたか、「規制庁」に変更されました。前出の書で北杜夫は、室内でウスバカゲロウの飛ぶ姿を見て、最初の思い込みの方が「私にはぴったりする」と書きました。問題はやはり実態です。


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