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2012年9月3日(月)

オスプレイ 編隊飛行で制御不能

過去に同じ事故複数回

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 今年6月に米フロリダ州で発生した垂直離着陸機CV22オスプレイ墜落事故に関して、米空軍は8月30日に公表した報告書で、編隊飛行中に後続機のパイロットが位置や距離を誤認し、左側の回転翼が先行機からの気流にかかったことが主要因だと断定しましたが、過去に同様の事故が複数回、発生していることが判明しました。


構造的欠陥は明らか

 同じような事故を繰り返している以上、「人的ミス」では済まされず、構造的欠陥は明らかです。政府は9月中旬にも“安全宣言”を出し、オスプレイの沖縄配備を正式に容認する考えですが、あまりにも早急です。

 オスプレイの開発に関わった国防分析研究所(IDA)のリボロ主任分析官(当時)が2003年に米国防総省に提出した内部報告書によると、同機は当時で少なくとも3回、他の機体への接近で制御が利かなくなった事例がありました。

 これに関して同報告書は、「(オスプレイは)片方の回転翼が後方乱気流や渦輪(ボルテックス・リング)現象による妨害を受けやすい」と述べています。オスプレイは左右に回転翼がついており、片方だけが乱気流に巻き込まれると、バランスを崩して深刻な事態になるというのです。

 事故を回避するためには機体間の適切な距離が必要ですが、報告書は、米連邦航空局(FAA)の基準が2000フィート(約610メートル)であるのに対して、米軍は水平250フィート(約76メートル)、高度差50フィート(約15メートル)まで認めていることを問題視しています。

 米空軍の事故報告書によれば、事故機は先行機との高度差を25フィート(約8メートル)まで縮めてしまいましたが、リボロ氏の報告書は、視界が悪いときはパイロットが距離を誤りやすいと指摘しています。フロリダの事故も現地時間の午後6時39分ごろ、夜間訓練で離陸した後に発生しました。

 しかも、事故機はバランスを崩しやすい「転換モード」(回転翼を斜めに傾けた状態)で飛行していました。

 米空軍の事故報告書はパイロットの人的ミスを主原因とする一方、後方乱気流への対処について訓練マニュアルやシミュレーターに不備があったことも認めています。


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