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2012年8月28日(火)

主張

民主の採決強行

国会を党略でもてあそぶな

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 民主党が自ら提出した衆院の議員定数を削減する法案の委員会審議を単独で続け、ついに委員会での採決も単独で強行しました。

 議会制民主主義の土台となる選挙制度についての法案の審議を単独で強行するなどというのは前代未聞です。文字通り民主主義を破壊するものです。国会を党略でもてあそぶ暴挙は、この党に「民主主義」などを掲げる資格がないことを示すものです。

最悪の民主主義破壊

 民主党が単独で採決した選挙制度関連法案は、衆院の小選挙区の定数を「0増5減」するとともに、比例代表の定数は40削減し一部に「連用制」を導入するというものです。定数を今後さらに35削減することもねらっています。

 選挙制度は議会制民主主義の土台であり、その原則は主権者である国民の多様な意思が国会の構成に正しく反映されることです。現在の小選挙区比例代表並立制は、大政党に有利な小選挙区制中心の制度で、国民の意思が正しく反映していません。選挙制度を見直すというなら、国民の意思がより正確に反映する制度にすべきだというのが当然の要求です。

 民主党は、国会の会派間で時間をかけて話し合われてきた選挙制度を抜本改革すべきだという議論を一方的に打ち切って法案を提出し、単独で審議を強行してきました。まったく党略的な態度です。

 小選挙区での「1票の格差」を是正するといいますが、「0増5減」は自民党案を丸のみした“一時しのぎ”の案にすぎません。抜本改革を逃れ、現在の選挙制度を固定化するものです。小選挙区制で選挙区の細分を続ける限り、格差が拡大し、是正が迫られるのは目に見えています。

 しかも民主党は比例代表の定数削減に固執し、それを押し付けてきました。もともとは80削減が民主党の主張です。今回の案を実施すると、発足時300だった小選挙区の議席は295に、200の比例代表は140になります。比例代表の比重をさらに引き下げ、選挙制度のひずみを拡大します。

 小選挙区制では大政党しか議席が確保できず、国民の投票の大きな部分が議席に結びつかない「死に票」になります。得票に応じて議席を配分する比例代表はその欠陥を補うとして「並立制」が導入されてきましたが、その比率がどんどん下がれば、いよいよ大政党以外は議席を獲得しにくくなります。消費税増税が民主、自民の「二大政党」の談合で行われたようなことが続けば、消費税反対や憲法改悪反対の国民の声が国会から締め出されることになります。

「身を削るため」は欺瞞

 民主党の選挙制度「改正」は、やり方も中身も党略そのものです。こうした党略的な改悪を、消費税を増税するから国会議員が率先して「身を削る」ためにやるなどというのは、まったく国民をばかにした欺瞞(ぎまん)です。国民の税金を分け取りする憲法違反の「政党助成金」に指一本ふれないで、「身を削る」などという資格はありません。

 党略的な選挙制度関連法案は、廃案にすべきです。

 衆院で採決しても参院では審議の見通しさえたっていません。選挙制度の抜本改革を困難にし、総選挙を遅らせるためだけに強行しているとすれば、まさに党略ぶりも極まることになります。


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