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2012年8月14日(火)

ロンドン五輪 閉幕 16年はリオ

友情 世界結ぶ力

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 【ロンドン=五輪取材団】第30回夏季オリンピック・ロンドン大会は12日夜、ロンドン市内の五輪スタジアムで閉会式が行われ、閉幕しました。

 閉会式は、ロンドンや英国、選手、ボランティア、五輪に集った世界中の人々を祝福する内容で、「英国音楽のシンフォニー(交響曲)」がテーマ。英国のポップ音楽やファッション、文化が紹介され、選手たちや観衆を楽しませました。

 次回の2016年五輪はブラジルのリオデジャネイロで開催されます。

 ロンドンでの五輪は1908年、48年につづき64年ぶり。史上初の同一都市で3度目の開催でした。若者のスポーツ参加促進などの意味が込められた「世代を超えたインスピレーション」をスローガンに掲げ、204カ国・地域と個人資格で参加した選手たちが26競技、302種目で熱戦を繰り広げました。

ロンドン発

鼓動

 夜空にこうこうと灯る聖火のもと、すっかり緊張のとけた表情で閉会式のフィールドに駆け足で入場してきた選手たち。そこは、国境のないパーティー会場でした。

 12日に閉幕したロンドン五輪は、「ひとつの世界に向けて」を大会のテーマに掲げました。競い合い、高め合い、平和をはぐくむスポーツの祭典に、隔てるものが何もない“ひとつの世界”が広がっていました。

 陸上男子トラック長距離種目で英国に二つの金メダルをもたらしたモハメド・ファラ選手は、8日の5千メートル予選で、自分よりも1分以上も遅れてゴールした最終ランナーに近づき、肩を抱いて健闘をたたえました。

 そのランナーは、フィリピンから出場したレーン・ヘレーラ選手でした。ヘレーラ選手は自己記録を7秒近くも更新。その表示を見たファラ選手は、自然な気持ちで歩み寄りました。祝福を受けたヘレーラ選手が、心に刻んだ言葉があります。

 「ここではすべてのランナーが勝者なんだ」

 ファラ選手は、8歳のときにソマリアから移住してきたイスラム教徒です。「いろんな人種がロンドンにいるけれど、スポーツは人々に元気を与え、仲間になれる」。彼の信念です。

 男子20キロ競歩の銀メダリスト、エリック・バロンド選手は、中米のグアテマラに初の五輪メダルをもたらしました。同国が五輪に初参加して以来、80年目の快挙でした。

 バロンド選手は、貧困と政情不安による子どもたちの成長のゆがみに心を痛めていました。手にしたメダルに、願いを込めました。

 「このメダルによって、子どもたちが銃やナイフを置き、その代わりに運動靴を手に取ってくれればいい。そうなったら自分は世界一の幸せ者だ」

 ロンドン五輪がともした火は、世界を友情と平和でつなぐ力となって、受け継がれていきます。一つは、4年後の開催地・南米のリオデジャネイロ(ブラジル)へ。もう一つは、これをきっかけに夢を抱いた新たな世代へと。(勝又秀人)


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