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2012年7月20日(金)

静岡の新採小学校教師自死

公務災害と認定

東京高裁

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 2004年に新規採用されて半年後に自ら命を絶った静岡県磐田市立小学校の教員、木村百合子さん=当時(24)=の両親が公務災害の認定を求めた裁判の判決が19日、東京高裁(三輪和雄裁判長)で行われました。公務外の災害とした地方公務員災害補償基金静岡支部の認定を取り消した一審を支持し、同基金の控訴を棄却しました。


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(写真)判決後の報告集会であいさつする(左から)塩沢弁護士、憲二さん、和子さん=19日、東京・弁護士会館

 両親は08年7月に静岡地裁に提訴。同地裁は11年12月、「十分な支援が行われていたとは到底認められない」として基金の認定を取り消す判決を出しましたが、基金が控訴していたものです。

 判決では、「わずか1カ月半という短い期間に児童による数々の問題行動が起こり、その対処を余儀なくされていた」として、「若年の新規採用教員が置かれた執務状況としては、強度の心理的負荷を伴うべきものであったというべきである」と勤務が過重であったと認めました。さらに、学校側の支援体制については「結果的には不十分なものであったといわざるを得ず、強度な心理的負荷を緩和させることはなかったと考えるべきである」と断じ、基金の控訴理由を退けました。

 判決後の報告集会で、母親の和子さんは「皆さんに助けていただいて判決につながりました。ありがとうございました」。父親の憲二さんは「娘のことが教育現場の改善につながっていけばと思います」と語りました。

 塩沢忠和弁護団長は、今回の判決は全国の学校現場で生かすことができる内容だと評価。「基金に対し『上告するな』と。これ以上遺族の方々の苦しみを長引かせることは絶対に許さないぞとの声を上げてほしい」と訴えました。


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