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2012年7月14日(土)

消費税増税法案に対する

市田書記局長の質問

参院本会議

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 日本共産党の市田忠義書記局長が13日の参院本会議で行った消費税大増税法案に対する質問は次の通りです。

 先日発表された国民生活基礎調査によると2010年の1世帯当たりの平均所得が538万円と前年と比べて11万6000円も減りました。23年ぶりの低水準です。消費税が5%に引き上げられた1997年と比べると、119万7000円も減っています。所得が減ったところに増税を押し付ける、いちばんやってはならないことではありませんか。

 消費税を実際に納税するのは事業者です。中小企業団体の調査では10%に増税されたら、売上高5000万円以下の事業者のおよそ7割が身銭を切って納税するか、廃業に追い込まれる、と述べています。とどまるところを知らない熾烈(しれつ)な価格引き下げ競争が行われているときに、どうして5%もの価格引き上げができるというのですか。中小企業者に1円も身銭を切らせないと約束できますか。

 一方で輸出大企業は、輸出先には消費税を転嫁できないからという理由で、消費税を戻してもらっています。年間でトヨタ自動車2246億円、ソニー1116億円などばく大なものです。これらは本来、全額、下請けや取引企業に消費税分として支払われるべき金額です。ところが大企業による厳しいコスト削減要求の前に、中小企業は消費税分の上乗せなど望むべくもない経営を強いられています。一部の輸出大企業は、払ってもいない消費税を返してもらう究極の益税を享受していることになるではありませんか。全額、下請け・取引企業の手元に戻す措置をとるべきではありませんか。

 総理は消費税増税の根拠を財政危機に求めています。しかし、消費税の大増税で国民に押し付けられる負担増は13・5兆円、年金・介護などの負担増と合わせると20兆円にもなります。東日本大震災の被害総額は政府試算で16兆円です。それを上回る負担増が毎年毎年国民に押し付けられたら、消費は落ち込み日本経済がたちゆかなくなり、その結果、さらなる税収の落ち込みと財政危機の深刻化につながることは明らかではありませんか。

 財政を理由にするのなら、まず所得が1億円をこえたら税負担が軽くなるという逆転現象の原因の一つである証券優遇税制の廃止、資本金10億円以上の大企業の負担する実際の税率が中小企業と比べはるかに低い原因である研究開発減税などの特権的減免税制度こそ直ちに廃止すべきではありませんか。

 参院に送られてきた案には、当初あった所得税の最高税率のわずかばかりの引き上げが民自公の3党合意で削除されています。「金持ちが外国に逃げていく」というのが理由だとされていますが、税金を払うのがいやで外国に逃げ出すような人々を守り、逃げようもない庶民に増税を押し付ける。総理は恥ずかしいとは思いませんか。

 社会保障財源といいながら、本法案の付則には、消費税を防災に名を借りた大型公共事業に「重点的に配分すること」が3党合意で書き込まれました。政府は、衆議院を増税案が通過するやいなや、凍結されていた整備新幹線にゴーサインをだし、自民党は200兆円とも言われる「国土強靭(きょうじん)化」計画なるものをぶち上げました。まさに庶民増税の打ち出の小づちを手にして、新たな無駄遣いをやろうという宣言ではありませんか。

 わが党は消費税に頼らないで、暮らしと経済、そして財政の再建をすすめる別の道を提言しています。そうした道を探求することこそ政治の果たすべき責任であることを指摘して質問を終わります。


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