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2012年7月11日(水)

論戦ハイライト

安全顧みず 新たな「安全神話」

参院予算委 井上議員の質問

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 10日の参院予算委員会で関西電力大飯原発の再稼働を中止するよう求めた日本共産党の井上哲士議員。新たな「安全神話」にたち、国民の安全を顧みない政府の姿勢が浮き彫りになりました。


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(写真)質問する井上哲士議員(右)=10日、参院予算委

地震による原発損傷 国会事故調が指摘

 「官邸前の再稼働反対デモは空前の規模になっている。この国民の声にどうこたえるのか」―。井上氏がこう迫ると、野田佳彦首相は、「さまざまな声が届いている」としながらも、「再稼働については一定の判断をした」との認識を示しました。

 井上氏は、国会の福島原発事故調査委員会の報告書が、「地震による損傷ではないと確定的に言えない」とのべていることを指摘しました。

 井上 政府は「地震による損傷はなかった」という立場で再稼働を進めた。再稼働の根拠は崩れた。

 枝野幸男経産相 地震による損傷がないという認識ではない。安全機能は保持できる状態だったという見解だ。

 井上 報告書は、事故原因を津波に限定しようとする背景に「既設炉への影響を最小化しようという考え方がある」と指摘している。政府も同じ立場だから地震対策のいいかげんさにつながっている。

 井上氏は、東日本大震災を受けて大飯原発で想定される最大の地震の揺れ(基準地震動)を見直したのかと質問。枝野氏は、「見直す必要がないというのが専門家の評価だ」と拒否。井上氏が、東日本大震災と原発事故を踏まえれば、どのような地震が起きうるのかとただすと、平野博文文科相は、日本海側の地震・津波の調査は来年度から実施すると答えました。

 井上氏は、07年の中越沖地震で、柏崎刈羽原発では基準地震動の4倍近い1699ガルの揺れを記録し、3700件を超える事故・故障が発生したことを指摘しました。

 井上 日本で、大きな地震が絶対に起きないといえるところがあるのか。

 羽鳥光彦気象庁長官 そのようなことを言うことは難しい。日本の場合はどこでも発生する。

大飯再稼働中止し活断層調査直ちに

 井上氏は、地震大国日本で原発の安全をどう考えるかと問いかけ、国会事故調・調査委員の石橋克彦神戸大名誉教授が「過去に原発で観測された最大加速度1699ガルを考慮すべきだ」と強調していることを指摘。同規模の地震が起これば、大飯原発3、4号機をはじめストレステスト(耐性試験)提出済みの全原発で炉心溶融にいたる揺れの限界点を超えてしまうと迫りました。

 井上 大飯でこのような地震が起きないと断言できるか。

 経産相 大飯原発の地下構造は、柏崎刈羽とは違う。

 井上 柏崎刈羽の場合も、地震の後で断層の過小評価が明らかになった。日本海側の断層等の調査は来年度からなのに、なぜ起きないといえるのか。

 首相 今のレベルでは一番の知恵を尽くして安全性をチェックした。

 井上 想定を抜本的に見直さないのは新たな「安全神話」だ。

 井上氏は、大飯原発では、専門家が敷地内の断層「F6破砕帯」が活断層の可能性があるとして調査を求めてきたことをあげ、こう迫りました。

 井上 断層が重要構造物である非常用水路を横切っており、活断層ならば、重大な損傷を与える。

 経産相 活断層ではないと評価しており、新たな知見ではないが、意見聴取会で確認する。

 井上 過去の評価が間違っていた可能性が指摘されている。再稼働をやめ、調査すべきだ。

 首相 現時点で、再稼働を再考する気はない。

 調査するとさえいえない野田首相。井上氏は、福島原発事故の収束もなく、地震想定の見直しも、避難計画もないと批判。「今からでも再稼働を中止し、活断層の採掘調査を行うべきだ」と主張しました。


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