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2012年7月2日(月)

オスプレイ エンジン停止時の自動回転機能

防衛省「ある」 製造元「ない」

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 米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備に関連して防衛省が発行し、国会議員などに配布しているパンフレットに、同機はエンジンが停止した場合の緊急着陸の際、「オートローテーション(自動回転)を行う」と説明していることが分かりました。オスプレイの製造元であるベル・ボーイング社は『V22オスプレイ・ガイドブック2011〜12年版』で、「(オスプレイは)オートローテーションに頼らない」と明記しており、同省の説明と食い違っています。


 パンフレットでは、「万が一、二つのエンジンが停止した場合の緊急着陸の際、その時の飛行状態に応じて、固定翼モードに移行して滑空するか、垂直離着陸モードに移行してオートローテーションを行う」と記述されています。

 これに対して前出のガイドブックは、「固定翼モードで滑空できる」としか説明していません。

 一方、「垂直離着陸モードに移行してのオートローテーション」については、米誌『タイム』07年10月8日号が、米国防総省がオスプレイに同機能を持たせることを断念した経過を暴露。「オートローテーションに頼らない」とのベル・ボーイング社の説明と一致します。

 さらに、米国防分析研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めていたレックス・リボロ氏は09年6月23日に米下院公聴会で、「V22は安全にオートローテーションができず、このことは製造者や海兵隊も認めてきた」と証言しています。

 また、防衛省パンフは、オスプレイが10万飛行時間以上、「エンジン出力の停止が原因となって緊急着陸が必要な状況になったことはありません」と説明しています。

 しかし、10年4月にアフガニスタンで発生したオスプレイ墜落事故の米軍調査報告では、エンジン出力の低下が指摘されています。同機は空軍仕様であり、意図的に除外した可能性もあります。

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(写真)防衛省パンフレット

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(写真)ベルボーイング社が発行したガイドブック。「(オスプレイは)垂直離着陸機であり、出力停止状態での着陸のために、オートローテーションに頼らない」と記している



 オートローテーション(自動回転) ヘリコプターなど回転翼機のエンジンが飛行中に停止した場合、機体の落下で生まれる風の力で回転翼を空転させて揚力を生み出し、緊急着陸する方法。日本の航空法では、自動回転できない航空機は飛行を禁止されています。


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