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2012年6月21日(木)

きょうの潮流

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 “アジサイ台風”一過の日、梅雨空から時折、夏の日差しが降り注ぎました。きょうは、北半球で昼がもっとも長い夏至です▼「目の光と太陽の光/枝の光と泉の光/大地と大空の光線」。20世紀フランスの作曲家プーランクが曲をつけた、エリュアールの詩「目の光」です。曲は、怒りにまかせる調子で続き、「僕は知らない/幸福の生きている場所を…」と閉じます▼5月に亡くなった音楽評論家・吉田秀和さんの最晩年の仕事、『永遠の故郷』4部作は、97曲の歌の世界に読み手を誘います。先ごろ、97曲すべて収めたCDも出ました。うち、プーランクの作品は24曲におよび、群を抜いて多い▼『永遠の故郷』の「加藤周一に」と題する章は、詩・エリュアール、曲・プーランクの歌曲集「涼気と火」の紹介です。吉田さんは、4年前に先立った評論家・加藤周一さんの友人でした。二つのものを比べる詩が目立つ曲集です▼「涼気と火を一つに合わせ―/君の唇と君の目を一つに合わせ―」「溢(あふ)れる言葉の男/頒(わか)ちあう目の女」。共産主義者でもあったエリュアールの詩は、ほのめかしやたとえに満ちて、吉田さんの訳でも分かりやすいとはいえません▼「加藤周一に」は、こう結ばれます「怒りと冷静、激情と理性、火と涼気、男と女といった二つのものの対立と融合を目指し、歌いあげた歌曲集である」。“知の巨人”といわれ、九条の会のよびかけ人でもあった加藤さん。歌の心をそんな加藤さんの生き方に重ねた、追悼の1章でした。


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