2012年5月19日(土)
ギリシャ 再選挙へ論戦
旧与野党、緊縮めぐり応酬
【フランクフルト=小玉純一】6月17日投票で行われるギリシャ議会の再選挙へ向けた論戦が始まっています。今月17日に報道された世論調査での政党支持率は、新民主主義党が26・1%で1位となり、急進左翼連合(23・7%)、全ギリシャ社会主義運動(14・9%)が続いています。
アテネからの報道によると、新民主主義党のサマラス党首は17日、同党議員の集会で、「急進左翼連合はギリシャを(欧州単一通貨)ユーロから追い出そうとしている」と非難。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との融資合意を拒絶すれば、ギリシャはユーロを離脱することになり、財政は破綻すると述べました。
急進左翼連合のツィプラス党首は同日、同党議員の集会で、「ユーロの危機は、ギリシャ国民が融資条件(緊縮)に抵抗しているからでなく、融資条件を実行するという破綻した方針のために起きている」と旧連立与党の新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動を批判しました。
ツィプラス氏は米CNNテレビのインタビューで、「われわれはギリシャのユーロ圏離脱を望まない」と指摘。同じ問題を抱えるポルトガルやスペイン、イタリア、アイルランドと共通の解決策を見いだしたいとした上で、「ギリシャ国民が緊縮反対の立場を貫けば、欧州の状況はすべて変わる」と希望を語りました。