2012年5月19日(土)
ミャンマー経済制裁停止
米国、武器禁輸は継続
【ワシントン=小林俊哉】クリントン米国務長官は17日、ミャンマーのワナ・マウン・ルウィン外相と国務省で会談しました。会談後の共同記者会見でクリントン氏は、ミャンマーへの投資などを禁じた米政府の経済制裁を停止すると表明しました。
対象は米企業や個人によるミャンマーへの投資と金融サービスの提供。武器の禁輸措置は「文民統制に向けた同国の改革を促すため」(クリントン氏)継続されます。クリントン氏は、経済制裁の停止が少数民族への人権侵害や改革への妨害、腐敗につながらないよう監視していくとも表明しました。
経済制裁の停止について米政府高官は同日、「(ミャンマー国内の)改革に向けた動きをみて、それに促されての対応だ」と指摘。同時に「(改革の)難しさについても幻想は持っていない」と述べ、「改革の妨害者」を特定して、措置をとる姿勢を強調しています。
また米政府は同日、空席の駐ミャンマー大使にミッチェル同国担当特別代表を指名。ワナ・マウン・ルウィン外相も、同国のスエ国連大使を駐米大使とする意向を表明しました。
初の公式訪米となる同外相は会見で「正常な外交関係の再開に向けた努力の重要な前進の一歩だ」と強調。オバマ大統領も同日、声明を発表し、「(両国)関係の新しい章の始まりを記すものだ」と評価しました。