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2012年5月12日(土)

消費税増税法案

佐々木議員の質問

衆議院本会議

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 日本共産党の佐々木憲昭議員が11日、衆院本会議で行った消費税増税法案に対する質問は次の通りです。


 消費税増税法案について質問します。

 第一は、公約との関係です。2009年の総選挙で民主党が掲げたマニフェストのどこを探しても「消費税を引き上げる」「消費税増税法案を提出する」という方針はありません。そればかりか選挙期間中「消費税は4年間引き上げない」と発言していたのです。

 ところが、政権について1年以上経過したら突然、消費税増税法案を出すと言い始めたのです。「生活第一」の公約を投げ捨て法案の成立をはかろうとするのは、国民に対する裏切り行為でありませんか。

 連立を組んでいる国民新党も、マニフェストに「消費税は上げない」とはっきり書いていました。ところが自見大臣は、法案の閣議決定に署名し公約を破りました。国民にどう説明するのでしょうか。

 第二は、消費税はもともと最悪の欠陥税制だという点です。

 一つは、逆進性の問題です。消費税はすべての消費に課税され、例外はありません。低所得者ほど負担率が高くなる不公平税制であり、生活費に課税しないという税制の原則を、真っ向から否定するものです。

 野田内閣は逆進性対策として、給付付き税額控除や軽減税率の導入を検討していますが、1年以上検討しても何も決められないのは有効な手段が見あたらないことを示しているのではありませんか。

 二つ目は、消費税が転嫁できないという問題です。事業者に納税義務が課されており、転嫁できなければ事業者が自ら身銭を切って負担せざるをえません。

 中小企業団体のアンケート調査では、売上高3千万円以下で、7割以上の事業者が「転嫁が困難になる」と回答しているのです。

 消費税導入当時も、政府は独禁法などのガイドラインや監視体制の強化に取り組むと言いました。しかし、何も解決していません。野田総理は「安心して消費税を払っていただく仕組み」をつくると言いますが、国民の所得と消費は低下し、転嫁できない事業者は増え続けているではありませんか。

 影響は地方の公共交通機関にも及んでいます。国土交通省の資料によれば、増税分を料金に上乗せすればバスやタクシーなどで乗客が減少し、経営に重大な影響があるとの調査結果が出ています。公共交通機関が廃止に追い込まれるなら、地域社会が存続の危機に直面します。

 第三は、日本経済を重大な危機に突き落とすという問題です。

 10%への大増税で新たな国民負担が13兆円を超えます。そのうえ政府は、老齢年金・障害者年金の給付削減などを皮切りに、年金の支給開始を68歳、70歳に先延ばしすることを検討し、医療費窓口負担増や保育への公的責任を放棄する「新システム」など、社会保障のあらゆる分野で負担増と給付削減という連続改悪のオンパレードです。

 消費税増税と年金削減などを含めると年間16兆円、すでに決められた制度改悪による年金、医療などの保険料引き上げによる負担増を合わせると、年間20兆円もの大負担増になるのです。

 97年の9兆円負担増と比べても、はるかに大きな衝撃を、国民生活と日本経済に及ぼすことは明らかではありませんか。政府は「消費の落ち込みは一時的ですぐに回復する」といいます。しかし、増税と負担増によって所得と消費を「恒常的に奪う」事実を、なぜ無視するのでしょうか。

 97年に消費税率が5%に引き上げられたとき、景気の冷え込みで税収全体が大きく落ち込みました。国と地方の税収は96年の90兆円から2010年の76兆円へ14兆円も減ったのです。野田総理は05年2月の衆院財務金融委員会でこう述べました。「一挙に増税路線に、政府がシフトした後の惨たんたる日本の経済の状況を私も肌をもって感じた」と。なぜ同じ過ちを繰り返すのでしょうか。

 これらの問題を放置し、対策も取らず、増税法案成立にまい進する。こんなことは政府のすべきことではありません。法案はただちに撤回すべきです。

 一方で野田内閣は、法人税を国・地方あわせて1兆4千億円も減税します。中小企業の7割が赤字ですから、法人税減税の大部分は大企業向けです。しかし、大企業に減税しても内部留保が増えるだけで、内需拡大につながらないことは明らかです。

 日本共産党は「社会保障充実と財政危機打開の提言」を発表しました。無駄遣いを聖域なく一掃する、そのうえで富裕層と大企業に応分の負担をもとめる、これこそが問題解決への道です。

 政府も財界も、日本の法人税率は高いと言いますが、実際の法人税負担率は、表面税率40%を大幅に下回っており、上位300社の平均をとっても33%程度にすぎず、わずか12%、13%、という低い負担率の大企業もあるのです。

 それは大企業にしか使えない優遇税制の仕組みがあるからです。研究開発減税や連結納税制度など、大企業向けの優遇税制を見直すべきです。

 政治の姿勢を変えれば、消費税に頼らなくても、社会保障拡充と財政再建への道は開かれます。


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