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2012年5月9日(水)

主張

「一体改悪」審議入り

「明日の安心」破壊は許されぬ

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 今国会最大の重要法案である消費税増税と社会保障の「一体改悪」法案が衆院で審議入りしました。消費税10%への引き上げと社会保障制度の根幹を掘り崩す「一体改悪」実現に「政治生命をかける」と突き進む野田佳彦首相の姿勢は異常です。暮らしも経済も財政も破壊する消費税増税路線は日本の将来を閉ざすものです。

 消費税増税に頼らず社会保障を再生・充実させ財政危機を打開する―。国民の立場からの徹底審議が求められます。

耐え難い負担への暴走

 8日に審議入りしたのは、低年金者対策をごくわずかにとどめるなどの年金改定2法案です。これに続いて公的保育制度解体を狙う「子ども・子育て新システム」3法案、消費税増税2法案の合計7法案について11日まで次々と衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われます。関連法案を三つに分割して審議入りするのは異例です。野田政権の執念の表れです。

 これとは別に年金支給額を2・5%カットする国民年金法改悪案、税・社会保険料の徴収を強化するため国民一人ひとりに番号を割り振る「共通番号制度(マイナンバー)」3法案の審議入りも狙っています。税・財政と社会保障制度を一挙につくりかえ、際限ない大増税と、耐え難い社会保障費圧縮とカットを国民に押し付けることに道を開く危険な暴走です。

 「一体改悪」の消費税増税計画は国民に過酷な負担をもたらします。2014年4月に8%、15年10月に10%へと大幅にアップさせるものです。大増税と「一体」で実行するのが年金・医療・介護・保育などの社会保障制度の大改悪です。年金支給額の切り下げのほか、保険料の引き上げなど負担増・給付減が目白押しです。総額で約20兆円という空前の負担です。こんな「一体改悪」の実行を許せば、暮らしにも日本経済にも計り知れない打撃を与えることは間違いありません。

 深刻なのは、自民・公明政権時代に強行された「構造改革」によってつくられた社会保障制度の「大きな傷」が放置され、「一体改悪」で「新たな傷」として拡大されようとしていることです。75歳以上の高齢者を差別する後期高齢者医療制度の廃止は事実上見送られ、高騰した保険料がお年寄りにのしかかっています。給付抑制・削減をいっそう加速する「一体改悪」の追い打ちは、憲法に保障された国民の生存権を脅かす暴挙そのものです。

 野田首相は「今日より明日が良くなるという社会を取り戻す」と強調します。まったくの詭弁(きべん)です。年を重ねた人の収入を脅かす年金改悪や、未来を担う子育て世代と子どもたちに負担を強いる保育制度改悪などを狙う「一体改悪」は「明日の安心」を掘り崩すものです。「一体改悪」に関連する法案は、徹底審議で廃案にするしかありません。

安心の未来のため改革を

 日本共産党は、消費税大増税をストップさせ、ムダづかいを一掃し、大企業や富裕層に応分の負担を求めて財源を確保する社会保障充実を提言しています。国民の所得を増やす経済改革の道も示した提言は、幅広い人たちから注目・評価されています。未来を開く税・社会保障の改革への転換こそが国民の願いにこたえる道です。


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