2012年5月8日(火)
ギリシャ総選挙
二大政党 得票6割減
【アテネ=小玉純一】6日投開票のギリシャの総選挙(1院制、定数300)では、大連立で緊縮政策を実行してきた二大政党(全ギリシャ社会主義運動と新民主主義党)が、合計議席でも過半数割れするという史上初の事態となりました。
両党の獲得議席は前回比で102議席減、得票で6割近くを失う歴史的大敗となりました。他方、緊縮反対の左派・急進左翼連合は前回比で、得票率を3倍強、議席を13から52に伸ばす大躍進で第2党となりました。緊縮反対派の他の政党も議席を伸ばしており、ギリシャへの融資と引き換えに欧州連合(EU)と合意した緊縮路線に反対する国民の強い意志を示しました。
第1党は新民主主義党(ND)の108議席。得票率1位の政党に50議席を加算する制度があるため、前回より議席は増やしたものの、得票率では前回の約33%から19%へ激減しました。
前回選挙で単独過半数を占めた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は41議席で第3党に転落。得票率を前回の約44%から13%へ激減させ、結党以来最低の結果となりました。
NDから離脱した議員らによる新党・独立ギリシャ人が33議席。ギリシャ共産党は5議席増やす26議席。極右の「黄金の夜明け」が21議席で国会に初進出。2010年結成の民主的左翼が19議席となりました。
政権樹立へ連立協議が今後の焦点です。第1党となったNDのサマラス党首は開票途中で、ユーロ圏に留まること、経済成長のためEUとの合意を修正する、の2点を連立条件として発表しました。
他方、EUのレーン副委員長は5日、財政規律の弾力的運用を容認する考えを表明。ギリシャへの対応が今後、注目されます。