2012年5月2日(水)
きょうの潮流
東京・三多摩のメーデー会場への道すがら、花々が迎えてくれました。ツツジにヤマブキ。頭上に白いホウノキの花、地べたに絶滅のおそれがある黄色いキンラン。ハナミズキも今が盛りです▼オバマ米大統領が、ハナミズキ3000本を日本に贈ると発表しました。野田首相との首脳会談で交わした文書の一つにも、「寄贈する」と書き込まれました。「友好の花」「友好の象徴」として▼100年前にサクラ3000本を贈った日本への、「返礼」といいます。ハナミズキの花言葉の一つは、「返礼」です。100年前のお返しも、ハナミズキでした。子孫が今、日本全国に咲いています▼「私の思いを受けてください」も、ハナミズキの花言葉です。改めての返礼から、アメリカの日本への「思い」が読み取れそうです。次の100年、同盟国でいてほしい、ずっとお世話になりたいから―▼首脳会談で、野田首相は「思い」にこたえています。自衛隊が米軍を助けて海外で軍事活動できる日本に。アメリカ型社会のルールをもちこんで国の文化や伝統まで危うくする、環太平洋連携協定(TPP)を推し進める日本に。アメリカと手を組み、生きとし生けるものの現在と未来を脅かす原発に、しがみつく日本へ▼こんな同盟の飾り花なら、ハナミズキがかわいそうです。ハナミズキに、「公平にする」という花言葉もあります。対等で平等な日米関係にきりかえる花外交のさしあたってのにない手は、平和と人間の尊厳をまもる両国の人々です。