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2012年3月31日(土)

BRICSが首脳会議

新「開発銀」設立へ

途上国のインフラ整備支援

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 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)は29日、インドの首都ニューデリーで首脳会議を開きました。首脳らは、発展途上国のインフラ整備を支援する「BRICS開発銀行」を設立することで一致、国際金融機関などで発展途上国の代表性を強めることなどを求めた「デリー宣言」を発表しました。(小林拓也)


 首脳らは宣言で、「われわれは、新興国や途上国のために、インフラ整備や持続可能な開発計画を支援する新しい『開発銀行』を設立する可能性を検討した」と表明しました。インドのシン首相によると、今後、各国財務相のもとに作業部会をつくり、南アで来年開かれる首脳会議までに検討結果を報告します。

 宣言は、世界銀行の次期総裁選について、「途上国から候補が出たことを歓迎する。国際通貨基金(IMF)と世銀のトップは、オープンで能力を重視した過程で選ばれることを求める」と強調。その上で、IMFと世銀の改革を強く求めました。

 また各国首脳は、BRICS諸国間の貿易におけるドルの役割を縮小することを目的に、自国通貨建て信用枠を拡大することで合意しました。

 イランの核問題に関して、宣言は「政治的・外交的手段や、関係者同士の対話による解決を支持する」としました。政府軍による弾圧が続くシリアについては「国連やアラブ連盟の取り組みを歓迎する」と表明。シリア政府と国内の全勢力との対話を促すことが「平和への環境をつくり出す唯一の方法だ」と指摘しました。

 会議に出席したのは、シン首相、ブラジルのルセフ大統領、ロシアのメドベージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席、南アフリカのズマ大統領ら。

 BRICSは世界人口の約4割、世界の国内総生産(GDP)の2割近くを占め、年々発言力を増しています。会議で中国の胡主席は「BRICSは新興国と途上国の大家族の重要な部分であり、世界平和を守り、共同発展を促進する積極的な勢力である」と強調しました。

グラフ

 BRICS 5カ国のそれぞれの英語名の頭文字を合わせた名前。米投資銀行が2001年11月の報告書で、経済成長が著しい新興国として使い、その後定着しました。首脳会議は09年に始まり、今年で4回目。当初は4カ国でしたが、昨年から南アフリカが加わり5カ国になりました。


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