2012年3月16日(金)

聞け「９９％」の声　賃上げで景気回復へ

全労連・国民春闘共闘全国統一行動

　全労連、国民春闘共闘委員会は１５日、前日の春闘集中回答をふまえ、全国統一行動・「『９９％』のための安心社会めざす総行動」を展開し、賃上げによる景気回復の実現を訴えました。各地で､ストライキや集会､デモ、街頭宣伝にとりくみました。

（写真）ＮＴＴの持ち株会社前でストライキを行い、「大幅賃上げを行え」と唱和する通信労組の組合員ら＝15日、東京都内

　東京・ＪＲ上野駅前では、全日本建設交運一般労働組合（建交労）鉄道本部がストライキ突入集会を開きました。参加した１０５人を前に、連帯あいさつをした全労連の大黒作治議長は、「長く続く不況のなか、大企業の独り勝ちで、労働者と中小企業は厳しい状況にある」と強調。労働者の賃上げは日本経済の立て直しに不可欠だとして、「低額回答状況を打破し、未組織となっている労働者の権利向上も掲げてたたかおう」とよびかけました。

　通信産業労働組合（通信労組）は、ＮＴＴグループ各社の「ゼロ回答」に、怒りを込めたストライキを全国１１５事業所で決行。９兆５０００億円もの内部留保の２％を取り崩せば賃上げ要求に満額回答できると訴えました。東京・大手町のＮＴＴ持ち株会社前の総決起中央集会に１００人が参加し、「災害に強い通信網を確立しろ」などと唱和。大幅賃上げと雇用拡大を求めました。

　日本医療労働組合連合会（日本医労連）は、全国６０以上の組合でストライキを実施。全日本赤十字労働組合連合会（全日赤）は、賃上げ回答引き延ばしに抗議して１６組合がストライキを行い、賃上げ、看護職員の増員などを求めました。

　東京では、「官民共同行動」として霞が関デモを中心に、早朝からの宣伝や省庁要請に取り組みました。

「思想調査」許さない　大阪

　大阪では１５日、憲法違反の「思想調査」や、組合事務所の退去命令、組合掲示板撤去と“不当労働行為のデパート”と化した橋下市政に抗議し、約２万人がストライキを含めて立ちあがりました。

　大阪労連と大阪春闘共闘委員会が早朝からの駅前・大企業門前宣伝を展開。午後には８００人以上が「大企業は社会的責任果たせ」などと唱和してデモ行進しました。「『思想調査』は踏み絵です」と憤るのは、紙製のナースキャップをつけた女性（４２）＝東大阪市＝です。「橋下さんのやり方は、市長として絶対ありえません。すぐに廃棄し、謝罪してほしい」

　デモに先立つ決起集会で、川辺和宏大阪労連議長は「労働者の真価を発揮し、春闘勝利とともに、ファシズムの横行を許さない運動に全力をあげよう」とよびかけました。