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2012年2月12日(日)

辺野古アセス 防衛省天下り企業独占

総額86億円 落札率99%も

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 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる同県名護市辺野古の新基地建設に伴う環境影響評価(アセスメント)の全契約状況が、関連調査を含めて初めて判明しました。発注元の防衛省が、日本共産党の笠井亮衆院議員に11日までに示した資料から明らかになったもの。


“自作自演”くっきり

写真

(写真)環境影響評価書が入った段ボール箱=2011年12月28日、沖縄県庁

 アセス方法書が提出された2007年8月の前年となる06年11月から今年1月までに34件の業務が入札され、総額は86億1400万円に達しています。これだけ巨額の費用がかかるアセスは異例です。

 大部分は防衛省OBらの天下り企業が受注。予定価格に対する実際の契約金額の割合である落札率の平均は談合の疑いがかかる90%を超え、落札率98〜99%という業務も並びます。「新基地建設ありき」のアセス自体が利権化している構図がうかがえます。

 資料によれば、これまでにアセス業務を受注した企業は9社。このうち、防衛省からの天下りが判明している5社の合計受注額が、全体の93・5%を占めており、“自作自演のアセス”と批判されても仕方ない実態です。

 個別の業務ごとに落札率を見ると、34件中26件が90%を超え、予定価格4064万8000円に対して受注金額が4063万5000円と、差額が1万3000円しかないものもあります。

 入札方式も一般競争入札は1件もなく、随意契約か、その一種である「プロポーザル」方式が多くを占めています。とりわけ09年以降の入札では、まったく競争が行われていません。しかも落札率はいずれも98〜99%。受注したのはすべて防衛省OBの天下り企業という状況です。

 環境アセスは本来、大規模な建設事業に伴う環境への影響を住民に知らせ、その是非を判断するためのものです。しかし、辺野古のアセスは「新基地、先にありき」のもので、具体的な根拠も示さずに「環境に特段の影響は与えない」といった文言が並んでいます。沖縄県の環境影響評価審査会や住民などから、「アセスに値しない」「やり直しをすべきだ」との批判が相次いでいます。

日米同盟“利益共同体” 辺野古アセス受注

 沖縄・辺野古への新基地建設のための環境影響評価(アセスメント)に総額86億円が費やされていた問題は、入札でまともな競争が行われず、ほとんどを防衛省OBらの天下り企業が受注している実態を浮き彫りにしました。

 沖縄防衛局は新基地建設という「結論ありき」の環境影響評価書を作成し、昨年末、沖縄県に対して、午前4時に守衛室に運び込んで強行提出。さらに、宜野湾市長選で事実上の新基地建設容認派を当選させるため、防衛局職員に親族のリストを作成させることまでやったのです。

 辺野古の新基地建設は、少なく見積もっても4000億円超の巨大事業になります。

 新基地建設という巨大な利権に群がる、「日米同盟利益共同体」と言える実態です。

辺野古新基地の環境影響評価書関連事業と受注企業

表 辺野古新基地の環境影響評価書関連事業と受注企業

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