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2012年2月11日(土)

長期入院追い出し強化

診療報酬改定 中医協が答申

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 中央社会保険医療協議会は10日、医療機関に支払われる医療の公定価格である診療報酬の2012年度改定案を小宮山洋子厚生労働相に答申しました。

 答申は、平均在院日数を短縮し、「在宅化」を進めて医療費削減を目指す政府方針に沿って、救急や産科、小児科などの病院に「重点配分」を行う一方、長期療養などでの削減をすすめるものとなっています。

 また、在宅医療を支える診療所や病院の緊急時・夜間の往診の報酬を上げています。ただし、所属常勤医3人以上などの条件を満たした医療機関に限られるため、どれだけの医療機関が対応できるかは懸念があります。

 特定の一般病棟(患者15人または13人に対し看護職員が平均1人の病棟)で、入院90日を超える患者への医療費削減を強めます。

 要介護被保険者等に対して医療保険でみる維持期リハビリテーションのうち脳血管疾患等・運動器リハビリについては一部で報酬を下げ、介護保険の在宅サービスへの移行を促進。医療保険でみるのは原則14年度改定までとしています。

 紹介状なしで訪れる外来患者の割合が6割超の大病院で、紹介のない患者の初診時に保険外の負担を求める仕組みを導入します。

 前回の10年度改定で710円から690円に下げられた診療所の再診料については、据え置かれました。

解説

「医療難民」増招く

 2012年度の診療報酬改定案は、国民が求める地域医療の再生や医療体制の充実からは程遠いものとなりました。その根源には、社会保障改悪を進める「社会保障と税の一体改革」があります。

 今回の改定案はもともと「一体改革成案」(11年6月)の実現に向けた「第一歩」となるよう答申が求められていたものです。

 「成案」は、25年の医療の姿として、入院患者の平均在院日数の大幅な減少を見込んでいます。そのために診療報酬改定で強引な退院を加速させる方向がとられています。「病院・病床機能の分化」という名で医療資源を厚く投入する急性期の病床の数を絞り込み、患者を在宅や介護保険に移す方向が目指されています。

 急性期を担う病院を絞り込むために重症患者割合や「在宅復帰率」など施設基準の強化が行われています。特定の一般病棟での入院90日超の患者への医療費削減の強化もこうした方針に基づいています。長期入院はいっそう困難になり、「医療難民」増加につながります。

 「平均在院日数の減少や長期入院の是正に向けた取組」として、金曜日入院、月曜日退院が4割超の医療機関や、午前中の退院が9割超の医療機関について、土日や退院日の入院基本料を減額する改定も行っています。

 また、介護報酬との同時改定であることを受けて、医療の必要な患者を介護保険に移すことによる医療費削減が目指されています。

 一方、中医協の場で、診療側から再三引き上げが求められた診療所の再診料(690円)は据え置かれました。診療所の経営悪化を無視した方針です。

 根底には、全体の診療報酬改定率が0・004%増と、ほぼ据え置きで、特許が切れ後発品がある先発の医薬品の値段の引き下げを含めれば、実質マイナス改定という大枠の問題があります。

 10日の中医協では、京都府医師会の安達秀樹副会長が次のように発言しました。「基本的に改定財源が足りないもとで(病院勤務医などに)重点配分をせざるを得ない状況を続けていくと、それを支えている(診療所などの)基礎部分が崩壊する。社会保障費を充実する形の国家であっていただきたい」(藤原直)


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