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2012年1月23日(月)

孤独死防ぐ緊急ブザーを

宮城・石巻の仮設 署名運動始まる

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 仮設住宅での孤独死を防ぐため“緊急ブザー”の設置を求める市民や被災者の運動が、宮城県石巻市で始まりました。日本共産党や仮設団地の自治会などが、津波を逃れた命を守ろうと取り組んでいます。(本田祐典)


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(写真)孤独死を防ぐ緊急ブザー設置を求める署名に応じる被災者ら=21日、宮城県石巻市のトゥモロービジネスタウン

 「こういうのがないとだめよ」「あったら助かるわ」。署名用紙が次つぎに埋まります。1時間半で109人分。要求の切実さがうかがえます。

 石巻市の日本共産党震災・救援対策センターが21日、ブザー設置の署名活動をしたのは、被災地最多の仮設1142戸が立ち並ぶ市内の産業団地・トゥモロービジネスタウン。

 おなじみになった炊き出しや救援物資の配布に加えて、この日は「みなさんの声を集めて、政治をうごかしましょう。まずは孤独死を防ぐために緊急ブザーを設置させよう」と呼びかけました。

 仮設の孤独死対策は、被災地の大問題です。市内の仮設では、昨年12月30日に肝硬変で男性(61)が、1月11日には心筋梗塞で男性(57)が亡くなっているのが、それぞれ発見されました。

 署名の訴えを聞き、「やっていこうよ」と友人を誘った女性(63)。犬の散歩がてら、近隣のお年寄りに声をかけるのが日課です。「心配な人がいるけど、このままではいざというとき気付いてあげられない」

 独り暮らしの女性(75)も、「足が悪く、普段はあまり外に出ない。ブザーがついたら、心強いよ」とペンを握りました。

 仮設自治会も動き始めました。昨年12月に発足した、市内の仮設自治会でつくる「石巻仮設自治連合会」は、行政への要望第1弾として、緊急ブザーの設置を掲げます。

 20日に開かれた連合会の第2回会議には10自治会の役員らが参加し、「孤独死対策をどうするか困っている。知恵を出し合いたい」(桃生町城内仮設団地の役員)などと議論。

 座長を務める万石浦公園仮設団地の後藤嘉男会長が、「緊急ブザーを設置しようと、署名を集めている団体がある。連合会でも設置を求めたい」と提起し、満場一致で市への要請を確認しました。

仮設住宅の緊急ブザー

 緊急時に、居室や浴室、トイレなどに設置したボタンを押すと、屋外のランプや警報音で近隣に異常を知らせます。長野県北部地震(昨年3月12日、震度6強)で被災した長野県栄村の仮設は独居宅に設置した一方、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県は設置していません。厚生労働省はブザーを仮設に設置する場合、費用を災害救助法にもとづく国庫負担の対象にするとしています。


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