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2012年1月16日(月)

岩手県立高田病院 仮設で入院施設再開へ

「家族も安心」喜ぶ市民

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(写真)プレハブの仮設病院で診療を行う県立高田病院=13日、岩手県陸前高田市

 東日本大震災で被災し、プレハブの仮設診療所で医療活動をしている岩手県陸前高田市の県立高田病院で、2月1日の入院施設再開に向けた作業が大詰めを迎えています。仮設の入院施設はプレハブで広さ1768平方メートル。41床の病棟と手術室が設けられます。

待ちに待った

 待ちに待った地域の入院病床に、市民からは喜びの声が聞かれます。医療体制再構築が一歩進みます。今後は、本格的な病院の再建と医師確保が課題です。

 「地元で入院できれば、盛岡市とか大船渡市に行かなくていい。家族も安心できる」。県立高田病院に通う女性(65)は、こう喜びます。

 高田病院は70床の病棟を含め、機能をすべて失いました。震災後、地域のコミュニティーセンターで診療を再開。プレハブの仮設診療所ができましたが、入院が必要な患者は隣の大船渡市の県立病院や盛岡市などに行くしかありませんでした。津波で車を流されるなか、入院患者の看病や見舞いに通う家族には大きな負担でした。県医療局は「気仙地域は、リハビリなどが必要で自宅にすぐには戻れない人や慢性期の患者の受け入れ場所がなくなっていた。今回はそれが確保できた」と説明します。

 気仙地域では県立大船渡病院が、急性期医療を担当。高田病院は、急性期後のリハビリや高齢者、慢性期の医療を担っていました。入院施設の再開は、津波で崩れた地域の医療体制の一部が復旧した形です。

医師不足課題

 今後は本格的な病院の再建と、震災前からの医師不足解消などが課題となります。大船渡保健所の五日市治次長は「医師を含む医療従事者や診療所の不足があった」と指摘します。

 気仙医師会などによると、加盟の38施設のうち現在診療を再開したのは31施設。地域で出産ができるのは県立大船渡病院のみ。県立高田病院では整形外科を県外からの応援医師たちに頼り、応援が終われば同科はなくなります。

再建へ共産党が奮闘

 県立病院の再建や入院機能の再開にむけ、日本共産党は、国会や地方議会でも奮闘してきました。

 斉藤信、高田一郎両岩手県議らは、地元市議団とともに県立病院を何度も訪問。早期再建と入院機能を整備するよう、県に申し入れました。

 昨年9月29日の参院予算委員会では市田忠義書記局長が「入院機能がなくなったために、重症化した患者は車で1時間半もかかる内陸部の病院に搬送しなければならない。二つ、三つの病院を転々として亡くなったというお年寄りもおられる」と、仮設病院の入院機能整備への助成を政府に迫りました。

 昨年10月13日の県議会本会議で、達増拓也知事は、三つの県立病院の再建を初めて明言。仮設診療所への入院機能の整備も表明しました。


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