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2012年1月9日(月)

双葉郡住民 県内外に離散し孤立

「避難先での支援必要」

福島大学調査

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 東京電力福島第1原発事故で警戒区域や計画的避難区域などに指定された福島県双葉郡8町村の住民が、避難で県内外へと広域に分散し家族離散や失職といった苦境にあることが福島大の調査で分かりました。8日、兵庫県西宮市内で開かれたフォーラムで福島大災害復興研究所の丹波史紀、橋本摂子の両准教授が報告しました。

 同研究所は広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村の8町村の協力で9〜10月に全世帯アンケートを実施。2万8184世帯のうち、1万3576世帯が回答しました。

 昨年10月に日本復興学会で行った中間報告に続き、今回は広域避難の問題を焦点に分析しました。

 8町村の住民の避難先でもっとも多いのは福島県内(69・2%)。次いで関東地方(21・9%)、中部地方(3・9%)、東北地方(3・2)などです。

 丹波氏は、家族離散を経験した世帯が97・9%など広域避難が招いた困難にふれ、「避難者は孤立を深めている。避難先の生活再建や支援の体制も必要だ」と指摘しました。

 被災者が暮らす住居は、行政が借り上げた民間賃貸住宅(47・8%)、仮設住宅(18・4%)、親戚・知人宅(9・6%)、避難所(3・9%)など、多様なのが特徴。民間賃貸に自己負担で暮らす人も9・8%います。

 仕事は、被災を契機に会社員の32・4%、パート・アルバイトの76・4%が無職に。

 今後の生活上の困難を聞く項目(三つまで選択)で多いのは、「避難の期間がわからない」(57・8%)、「今後の住居、移動先のめど」(49・3%)、「放射能の影響が不安」(47・4%)、「生活資金のめどが立たない」(30・5%)。橋本氏は、「避難期間の確定と健康調査、(安定した)住居の確保が喫緊の課題だ」と提起しました。


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