「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2011年12月20日(火)

4中総決定の用語解説 3

第2章

「子ども・子育て新システム」

 現在の保育制度は、児童福祉法にもとづき市町村に保育の実施責任があります。「新システム」は、国や自治体の責任を後退させ、保護者が自分で保育所を探して契約し、サービスを買うというしくみにするものです。

 企業が保育所経営に参入しやすいよう、補助金の使途制限をなくして株式配当を可能にする、保育料とは別に上乗せ料金も認める、施設側が入園者を選考する、ことなどが検討されています。

 親の収入で保育内容に格差ができたり、保育士の非正規化によって保育の質が低下したりする心配があり、反対の運動が広がっています。

 自公政権による保育制度改悪をひきついだもので、背景には、国の保育予算を減らし、保育をもうけの対象にしようという財界の要求があります。

大企業・大資産家への新たな減税

 先の臨時国会で、これまで30%だった法人税の基本税率を25・5%に引き下げる法律が成立し、来年度から実施されようとしています。

 また、今年の通常国会では、今年12月で期限切れになるはずだった証券優遇税制をさらに2年間延長するという、大資産家への減税が決められました。これは、株式配当や株の譲渡所得に対する税率を、本則税率20%の半分の10%に軽減するものです。

 これらの減税を中止すれば、法人税では年に1・2兆円、証券優遇税制では0・5兆円、あわせて年間1・7兆円の財源が確保できます。

欧米で検討されている富裕層への課税強化

 リーマン・ショック後、深刻化した財政危機を打開するため、欧米各国では富裕層への増税が検討されています。

 アメリカでは、オバマ大統領が財政健全化のために10年間で125兆円の増税案を提案していますが、そのうち100兆円以上が富裕層への増税です。

 フランスでは、政府が8月に50万ユーロ(約5000万円)以上の所得に3%の「特別貢献税」を課税することを提案。イタリアやポルトガルでも同様の富裕層への特別税が検討されています。イタリアでは、富裕層が所有する資産を対象にして特別税を課すことも検討されています。

「右肩下がりの格差拡大」

 格差拡大が大問題になっているアメリカでは、議会予算局の報告書で、過去28年間に国民の実質税引き後所得が1・6倍に増えている中で、所得上位1%の層は3・8倍に増えています。下位20%の低所得層は1・2倍です。

 日本でも国税庁の統計データを使って同様の計算をしてみると、過去30年間に国民全体の実質税引き後所得は1・1倍にしか増えていないのに、上位1%は1・6倍以上に増えています。下位20%は、増えるどころか30年前の0・8倍と、逆に減ってしまいました。

 全体として所得が増える中での格差拡大ではなく、多くの国民の所得が低下する中での格差拡大になっているのが日本の特徴といえます。

外需依存の経済政策

 国内の需要ではなく、海外の需要をあてにして輸出を増やすことで日本経済の発展を図ろうとする経済政策です。

 ごく少数の輸出大企業は、輸出を促進するために、派遣などによる低賃金化や下請け代金の切り下げなど、労働者と中小企業の犠牲のうえに、果てしないコスト削減をすすめ、突出した「国際競争力」によって外国市場への輸出を増やしてきました。それによって国内の需要はますます縮小し、いっそう外需への依存を強める悪循環に陥っています。

 輸出大企業によってつくりだされた貿易黒字は、円高を引き起こす要因となり、円高のもとでも輸出を増やすというやり方は、さらなる円高をうみだし、際限のないコストダウンを労働者と下請け企業に迫り続けます。

一致点にもとづく共同――「一点共闘」

 革新・民主勢力がさまざまな要求課題で共同する多面的な共闘とは違い、さまざまな分野で、政治的立場の違い、党派の垣根をこえ、一つの共通要求での共闘となっていることをさして「一点共闘」と表現しています。

 TPP参加反対や原発ゼロをめざすとりくみ、沖縄における新基地建設反対、大阪における独裁政治を許さないたたかいなどで、日本共産党と民主勢力、保守・無党派の団体・個人をふくめた幅広い層が結集していることが大きな特徴です。

 共同行動のやり方も、それぞれの独自の集会などでエールを交換したり、連携して宣伝・署名活動をおこなったりするなど多様なとりくみになっています。

第3章

中期的展望にたった「成長・発展目標」

 その時々の直面する短期的目標と、民主連合政府の樹立という一定の長期的展望にたった目標をつなぐ、中期的な展望にたった目標のことです。

 第25回党大会では、「成長・発展目標」を、国政選挙で、どの都道府県、どの自治体・行政区でも、「10%以上の得票率」を獲得すること、すすんだ都道府県、党組織では20%から30%以上の得票をめざし、早期に5%以下の県をなくす、と決めました。

 4中総は、来るべき総選挙を、この「成長・発展目標」に接近・実現する第一歩の選挙と位置づけ、全国で650万以上の得票(得票率10%)を獲得するとともに、5%以下の県をなくすことを目標としました。

「国政選挙供託金支援基金」

 少数政党を選挙から締め出すことをねらった、世界に例を見ないほど高額な供託金制度の障害を、全党の共同の力でのりこえるために創設されました。党員の自発的な拠出(1口100円、毎月1口以上、党費といっしょに納入)を積み立て、国政選挙での候補者擁立に必要な供託金の確保を支援するものです。

 総選挙の小選挙区への立候補には、現在の制度では300万円の供託金が必要です。支援基金からの支給額は、1選挙区150万円とし、残りの必要額は、都道府県委員会が広く党内外によびかける積極的な募金活動によってまかなうことになります。

「ドント方式」での得票率と議席との関係

 「ドント方式」とは、比例代表選挙で各党の得票数に応じて議席数を決める場合に用いられる計算方式の一つです。各政党の総得票数をそれぞれ1、2、3…と整数で割っていき、得られた数の大きい順に各党に議席を配分していく方式です。ベルギーの学者ドント氏が考案したので「ドント方式」と呼ばれています。

 衆議院の比例代表選挙は11ブロックに分かれており、定数は四国の6から近畿の29まで異なっています。そのため、それぞれのブロックで議席を確実に取り、増やすための得票率は異なります。この点をよくつかんで、ブロックごとに得票目標と政治・組織戦略をもち、県・地区・支部に至るまで自覚的に具体化していくことが大切になります。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって